旭屋本舗
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朱く長い髪を降ろし一人の少女が謁見の間でひざを着き一人の男性に挨拶を交わした。
「この度の昇格試験では歴代最高得点で合格したそうだな…流石だな。」
「…はい。お褒め頂きありがとうございます。」
「ふむ…」
銀髪の男性は何か考えるような仕草を見せると
朱き少女にまた目を移し口を動かした。
「褒美として何か一つ願いを聞こう…何が望みだ?」
少女は驚いた表情を見せると小さく笑いながらも答える。
「閣下…ありがとうございます。私の願いは……………。」
ハジマリノ唄【TFS01:ユリルク子】
暗い闇を纏う森…
いつもならば静かな森だったが、今日はその静かさは無かった。
「ちょっとユーリ!!作戦通りに動きなさいよ!!」
「うるせー…ちゃんと進んでるだろ!!」
後からユーリを追いかけるように走るヒスカが
怒りながらユーリを止めようとするが、ユーリの足は止まる気配を見せない。
しかし、後を振り返れば凶暴化した魔物達…
止まることもできず作戦に支障が出ない程度に走る速さを上げて行くしかない。
前を行くユーリは後から来るヒスカをどんどん引き離し、
一番乗りで集合場所に辿り着いた…が。
「な、何なんだ…この魔物の山…いや、死んでるのか?」
ユーリが目にした光景は魔物の山…正確にいえば魔物の亡骸が大量に転がっており、
その亡骸の中央には一人の人間が後を向いて立っている。
長く揺れる朱い髪…白い上着に背中には悪魔のようなマークが付いている。
左手に持っている剣にはべったりと紅い液体がついており、その液体は腕にまで飛んでいる。
「だ、誰なんだあいつは…」
チームのメンバーではない…あんなやつ見たことがないからだ。
今日は大掛かりな魔物退治の為に森へは一般市民は立ち入り禁止になっているはずだ。
いや…こんな夜更けに一人で危険な森に入る人間の方がめずらしい…
味方なのか…敵なのか…今の情報だけでは判断ができなかった。
「お、おい…お前…何モンだ!!!」
ユーリは剣を握り直し叫んだ。
ようやくユーリの存在に気がついたのか、
後向きに立っていたので見えなかった顔が少しだけ見えた。
月明かりで顔はよく見えなかったが…碧色の瞳が不気味に輝いている。
その雰囲気から味方とは判断できない…ユーリは戦闘態勢に入ろうとしたが、
後から自分を呼ぶ声が近づいてきていることに気がついた。
「ユーリ!!まちなさーい!!!」
「ばかっ!!来るんじゃねぇ!!くそ…あいつが何モンかわかんねぇのに来るなよ…」
追いかけてくるヒスカに向かって注意を呼び掛けるが、
ヒスカの声はどんどん近付いてくる…止まりたくても後ろに魔物が居るので止まれないのだろう。
ユーリは再び謎の人物に剣を向けるが…相手は小さく笑った。
そして持っていた剣を腰に戻すとその人物は何も言わずどこかへと走り去って行った。
「な、何なんだ…あいつは…」
ユーリが茫然とその人物が立ち去った方角を見ていると、
ヒスカが後から追いついてきた…魔物と一緒に。
「ちょっとユーリ!!置いていかないでよ!!」
「え?あ…悪い…ってすっげー数連れてくるなよ!!!」
ヒスカの後から付いて来た魔物を一匹ずつ倒していると、
他のメンバー達も集まり出した…その中には幼馴染フレンの姿もあった。
「おっせーよ」
「フン…」
愛想のない返事を返してくるが、いつものことだ…特に気にはしなかった。
フレンと二人で襲いかかってくる魔物を倒していくが、
さきほど見た人物はこの倍の数の魔物を一人で倒していた…
どれだけ強いのか…興味が沸いてくる。
「ユーリ!!フレン!!戻れ!!」
仲間の呼び掛けに反応してユーリとフレンはすぐに仲間の元へと駆け抜けていく。
「フォースシールド!!!!」
間一髪ヒスカが発動させた魔導器のバリア内に入ると、
バリアの外側に居た魔物達は次々と姿を消していき後には静かな森だけが残った。
ヒスカがバリアを解除させると後から別の声が聞こえたきた。
「ユーリ!!フレン!!初仕事にしちゃぁ…上出来だ!!!」
声の主はこの騎士団隊を率いるナイレン隊長だった。
隊長の一言に作戦が終わったことを理解したユーリは
無事に初任務を終え胸を少し降ろしていたユーリにフレンの怒鳴り声が届いた。
「何で作戦通りに行動しないんだ!!」
「うまくいったんだからいいじゃねぇか!!」
幼馴染の喧嘩は止まることを知らない。
二人は次々に言葉の喧嘩を始めるが、ナイレンからの拳骨により喧嘩は一時的に止まった。
「えぇ~い!!うるせー!!さっさと後始末に行きやがれ!!!」
「っく…お前のせいで怒られたじゃねぇか…」
「君のせいだろ!!」
止まることのない二人の喧嘩にため息しかでないナイレンだったが、
フレンと口喧嘩をしていたユーリの足が止まりナイレンの元へ戻ってきた。
「ん?どうしたユーリ?」
「なぁ…この作戦に俺達以外の人間が関わってるとかねぇよな?」
「………何言ってるんだお前?」
ナイレンの表情からして嘘をついていないと判断したユーリは
少し考えながらも隊長に報告するのは義務だと思いさきほど出会った人物のことを伝えた。
「俺がここに着いた時…騎士団の人間以外のやつが居たんだ…
長くて朱い髪に…白い上着…あ、変なマークがついていたな…」
「………朱い髪…おい…そいつの目の色は何色だった?」
「え?あぁ……碧色だったけど…」
「………碧色…」
ナイレンの頭に該当者が居るのか難しい…いや複雑な表情を見せた。
「隊長…知ってるやつなのか?」
「え?あー…まー…似たような知り合いが居るが…作戦には関わってない
ずいぶん気になってるようだが…惚れたのか?」
「後ろ姿で性別わかんねぇのに惚れるかよ…ただ、めちゃくちゃ強かったから…気になっただけ…
魔導器発動直前にここから離れてたけど…あいつ無事かな…」
「お前が強いと思えるくらいのウデなら大丈夫だろ。
ほれ、片付けに行った行った。」
まだ納得をしてなかったユーリだったが、隊長からの指示には逆らえず…しぶしぶフレン達の待つ片付けに向かうが
その時どこからともなく歌が聞こえてきた。
『トゥエ レイ ズェ クロア リョ トゥエ ズェ
クロア リョ ズェ トゥエ リョ レイ ネゥ リョ ズェ
ヴァ レイ ズェ トゥエ ネゥ トゥエ リョ トゥエ クロア
リョ レイ クロア リョ ズェ レイ ヴァ ズェ レイ
ヴァ ネゥ ヴァ レイ ヴァ ネゥ ヴァ ズェ レイ
クロア リョ クロア ネゥ トゥエ レイ クロア リョ ズェ レイ ヴァ
レイ ヴァ ネゥ クロア トゥエ レイ レイ…』
とても透明感のある歌声…
傷などは回復する効果はないが…疲れた心が癒されていく気がした。
「……あいつが歌ってるのか?」
また会えるかわからないが、また再び出会いたいと強く思った。
いや、きっとまた近いうちに会える…そんな気がした。
「この度の昇格試験では歴代最高得点で合格したそうだな…流石だな。」
「…はい。お褒め頂きありがとうございます。」
「ふむ…」
銀髪の男性は何か考えるような仕草を見せると
朱き少女にまた目を移し口を動かした。
「褒美として何か一つ願いを聞こう…何が望みだ?」
少女は驚いた表情を見せると小さく笑いながらも答える。
「閣下…ありがとうございます。私の願いは……………。」
ハジマリノ唄【TFS01:ユリルク子】
暗い闇を纏う森…
いつもならば静かな森だったが、今日はその静かさは無かった。
「ちょっとユーリ!!作戦通りに動きなさいよ!!」
「うるせー…ちゃんと進んでるだろ!!」
後からユーリを追いかけるように走るヒスカが
怒りながらユーリを止めようとするが、ユーリの足は止まる気配を見せない。
しかし、後を振り返れば凶暴化した魔物達…
止まることもできず作戦に支障が出ない程度に走る速さを上げて行くしかない。
前を行くユーリは後から来るヒスカをどんどん引き離し、
一番乗りで集合場所に辿り着いた…が。
「な、何なんだ…この魔物の山…いや、死んでるのか?」
ユーリが目にした光景は魔物の山…正確にいえば魔物の亡骸が大量に転がっており、
その亡骸の中央には一人の人間が後を向いて立っている。
長く揺れる朱い髪…白い上着に背中には悪魔のようなマークが付いている。
左手に持っている剣にはべったりと紅い液体がついており、その液体は腕にまで飛んでいる。
「だ、誰なんだあいつは…」
チームのメンバーではない…あんなやつ見たことがないからだ。
今日は大掛かりな魔物退治の為に森へは一般市民は立ち入り禁止になっているはずだ。
いや…こんな夜更けに一人で危険な森に入る人間の方がめずらしい…
味方なのか…敵なのか…今の情報だけでは判断ができなかった。
「お、おい…お前…何モンだ!!!」
ユーリは剣を握り直し叫んだ。
ようやくユーリの存在に気がついたのか、
後向きに立っていたので見えなかった顔が少しだけ見えた。
月明かりで顔はよく見えなかったが…碧色の瞳が不気味に輝いている。
その雰囲気から味方とは判断できない…ユーリは戦闘態勢に入ろうとしたが、
後から自分を呼ぶ声が近づいてきていることに気がついた。
「ユーリ!!まちなさーい!!!」
「ばかっ!!来るんじゃねぇ!!くそ…あいつが何モンかわかんねぇのに来るなよ…」
追いかけてくるヒスカに向かって注意を呼び掛けるが、
ヒスカの声はどんどん近付いてくる…止まりたくても後ろに魔物が居るので止まれないのだろう。
ユーリは再び謎の人物に剣を向けるが…相手は小さく笑った。
そして持っていた剣を腰に戻すとその人物は何も言わずどこかへと走り去って行った。
「な、何なんだ…あいつは…」
ユーリが茫然とその人物が立ち去った方角を見ていると、
ヒスカが後から追いついてきた…魔物と一緒に。
「ちょっとユーリ!!置いていかないでよ!!」
「え?あ…悪い…ってすっげー数連れてくるなよ!!!」
ヒスカの後から付いて来た魔物を一匹ずつ倒していると、
他のメンバー達も集まり出した…その中には幼馴染フレンの姿もあった。
「おっせーよ」
「フン…」
愛想のない返事を返してくるが、いつものことだ…特に気にはしなかった。
フレンと二人で襲いかかってくる魔物を倒していくが、
さきほど見た人物はこの倍の数の魔物を一人で倒していた…
どれだけ強いのか…興味が沸いてくる。
「ユーリ!!フレン!!戻れ!!」
仲間の呼び掛けに反応してユーリとフレンはすぐに仲間の元へと駆け抜けていく。
「フォースシールド!!!!」
間一髪ヒスカが発動させた魔導器のバリア内に入ると、
バリアの外側に居た魔物達は次々と姿を消していき後には静かな森だけが残った。
ヒスカがバリアを解除させると後から別の声が聞こえたきた。
「ユーリ!!フレン!!初仕事にしちゃぁ…上出来だ!!!」
声の主はこの騎士団隊を率いるナイレン隊長だった。
隊長の一言に作戦が終わったことを理解したユーリは
無事に初任務を終え胸を少し降ろしていたユーリにフレンの怒鳴り声が届いた。
「何で作戦通りに行動しないんだ!!」
「うまくいったんだからいいじゃねぇか!!」
幼馴染の喧嘩は止まることを知らない。
二人は次々に言葉の喧嘩を始めるが、ナイレンからの拳骨により喧嘩は一時的に止まった。
「えぇ~い!!うるせー!!さっさと後始末に行きやがれ!!!」
「っく…お前のせいで怒られたじゃねぇか…」
「君のせいだろ!!」
止まることのない二人の喧嘩にため息しかでないナイレンだったが、
フレンと口喧嘩をしていたユーリの足が止まりナイレンの元へ戻ってきた。
「ん?どうしたユーリ?」
「なぁ…この作戦に俺達以外の人間が関わってるとかねぇよな?」
「………何言ってるんだお前?」
ナイレンの表情からして嘘をついていないと判断したユーリは
少し考えながらも隊長に報告するのは義務だと思いさきほど出会った人物のことを伝えた。
「俺がここに着いた時…騎士団の人間以外のやつが居たんだ…
長くて朱い髪に…白い上着…あ、変なマークがついていたな…」
「………朱い髪…おい…そいつの目の色は何色だった?」
「え?あぁ……碧色だったけど…」
「………碧色…」
ナイレンの頭に該当者が居るのか難しい…いや複雑な表情を見せた。
「隊長…知ってるやつなのか?」
「え?あー…まー…似たような知り合いが居るが…作戦には関わってない
ずいぶん気になってるようだが…惚れたのか?」
「後ろ姿で性別わかんねぇのに惚れるかよ…ただ、めちゃくちゃ強かったから…気になっただけ…
魔導器発動直前にここから離れてたけど…あいつ無事かな…」
「お前が強いと思えるくらいのウデなら大丈夫だろ。
ほれ、片付けに行った行った。」
まだ納得をしてなかったユーリだったが、隊長からの指示には逆らえず…しぶしぶフレン達の待つ片付けに向かうが
その時どこからともなく歌が聞こえてきた。
『トゥエ レイ ズェ クロア リョ トゥエ ズェ
クロア リョ ズェ トゥエ リョ レイ ネゥ リョ ズェ
ヴァ レイ ズェ トゥエ ネゥ トゥエ リョ トゥエ クロア
リョ レイ クロア リョ ズェ レイ ヴァ ズェ レイ
ヴァ ネゥ ヴァ レイ ヴァ ネゥ ヴァ ズェ レイ
クロア リョ クロア ネゥ トゥエ レイ クロア リョ ズェ レイ ヴァ
レイ ヴァ ネゥ クロア トゥエ レイ レイ…』
とても透明感のある歌声…
傷などは回復する効果はないが…疲れた心が癒されていく気がした。
「……あいつが歌ってるのか?」
また会えるかわからないが、また再び出会いたいと強く思った。
いや、きっとまた近いうちに会える…そんな気がした。
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