旭屋本舗
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ユリルク学園物語:キリカ様
【外伝:夏】
ユリルク学園物語:キリカ様
【外伝:夏】
ゴーリゴリ…ゴーリゴリゴーリゴリ…
「おい、フレンもっとしっかり持てよ。」
ゴーリゴリ…ゴーリゴリゴーリゴリ…
「君の力が強すぎるだけだよ。もっと優しくできないのかい?あ、アスベル量はどうだい?」
ゴーリゴリ…ゴーリゴリゴーリゴリ…
「うーん…器が少し小さすぎたかも…?」
ここはセイント・ヴェスペリア学園の中にある寮の一室。
その一室で青春時代ど真ん中である青年3人が何やらテーブルを中心にして作業をしている。
「よーし…かき氷完成っ!!!やっぱり夏はこれだろ!!!」
近所にある激安スーパーで買ってきたかき氷機で作られた3つのかき氷は
窓から差し込む太陽の光が当り、まるで宝石のように輝いていた。
夏
3人はそれぞれシロップなど全くかかっていないかき氷を目の前に置き、
今からどのシロップでこのかき氷を化粧させようかと悩んでいた。
暑くてたまらない今日この頃…コンビニでアイスを買うのもいいが
それならもっと夏らしいことをしようとユーリが言いだした為、
激安スーパーでかき氷機を買い、3人で協力しかき氷を作り上げた。
剣道で鍛えていた3人だったが、自力でかき氷を作るのは予想以上の重労働で
3つかき氷を作るだけでダウンしてしまった。
「本当はエステリーゼ様にもあげたかったけど…」
「次回でいいんじゃないか?今日はもう無理だ…左手がいてぇ…」
利き手である左手をユーリが回すとアスベルが笑いながら買ってきたシロップを手にした。
「今日はお試しってことで…僕はメロン味にしよう」
アスベルはメロン味のシロップを自分のかき氷にかけると
冷たくて美味しそうだったかき氷がますます美味しそうに見え始めた。
緑色の宝石がひかり、食べるのが少しもったいないきがする。
「じゃぁ、僕はイチゴだ…って言っても予算の都合上2種類だけだけどね」
「学生なんてそんなもんだ…貧乏でいいんだよ。
あ、フレン使ったら貸してくれ。俺もイチゴにするから」
了解と言ったフレンは自分のかき氷にイチゴ味のシロップをかけると
そのままユーリにシロップを渡した。
そしてそのままユーリはイチゴ味のシロップをかけると思われたが…
少しかけるのを戸惑い、何を思ったのかユーリ専用のお菓子箱からグリーンアップル味のグミを2つ取りだした。
「…ユーリ?食べないのかい?」
「食べるさ。けど…その前に1つ芸術を…」
「「?」」
アスベルとフレンはユーリの言葉が理解できなかった。
そんな二人を置いてユーリは一人で嬉しそうな顔をしながら
イチゴシロップをスプーンに垂らし、かき氷の全体にシロップをかけるのではなく一面だけに垂らし、
かき氷がかかっていない面にはさきほど出したグリーンアップルのグミを二つ並べた。
これでユーリのいう芸術が完成したのかニヤニヤと笑っている。
「ユーリ…それは…」
フレンとアスベルの中ではその芸術のタイトルは出ていたが、
一応念の為にユーリに質問をした。
「ん?じゃーん。ルーク・フォン・ファブレ ばーいかき氷ver」
やっぱりか…とフレンは小さくつぶやいた。
幼馴染であるユーリの頭の中は最近ルークのことを過半数を占めている。
恋愛をするのはいいことだが…付き合わされる友人の身にもなってほしい…
まぁ、被害に合っているのはアスベルとフレンだけだが…。
「そういえば…ユーリはルークのどこが好きなんだい?」
アスベルが自分のかき氷を食べながらユーリに聞いた。
それはフレンも思っていたことだから少し興味があった。
たしかにルークは良い奴だ…けどユーリとルークは男同士…
よほどの理由がない限りここまで好きにはなれない。
ましてや相手を自分に惚れさせようとはしないだろう。
「ん?そんなの…ルークと居る時が一番落ち着くからな」
「え?」
ジョークで交わすのかと思っていたが、案外真面目に答えてきた為フレンは少し驚いたが、
当の本人は何やら携帯を取り出し作ったルーク(かき氷)を写メろうと映りのよい角度を探している。
「最初は…試合で俺が負けて…そこから興味持って…
けど、あいつと話しているうちに…一番一緒にいて落ちつけて、幸せな気分になるからな
あいつのこともっと知りたいし、自分のモノにしたいって思ってきた…以上
まぁ、俺以上にあいつのこと思ってるやつも居ないだろうな…」
惚気ごちそうさまです。
折角の美味しそうな冷たいかき氷も誰かの暑い思いのせいでとけかかけってます…
こんな話に持ち込んだのはアスベルです…いい勉強になったでしょう…
「はぁ…真面目に答えたのには驚いたよ…で?そのかき氷の写メどうするんだい?」
「ん?ルークに送る。」
ポチッっと送信ボタンを押したユーリは早速かき氷を食べようとスプーンを手にしたその時、
ユーリの携帯が勢いよく鳴りだした。
「ルーク…?しかも電話かよ…」
他の人なら無視していただろうが、ルークとなれば話は別。
すぐに携帯をとり電話に出た…
「もしm…『お、お前何やってたんだあああああああああ!!!!馬鹿なことやってる暇あったら別のことしやがれ!!!』
……おいおい…それだけかよ」
電話の向こうでは真っ赤にしてユーリに電話しているルークの姿が目に安易に目に浮かんだ。
フレンとアスベルは黙ったまま解けかけたかき氷を食べ始めた…
今年の夏…かき氷を食べることはもうないだろう…
届いたメールに添付されていた写真を見て、
勢いのあまりユーリに苦情の電話をしてしまったルークは息を切らしながら切れた電話を見つめている。
写真だけならまだここまで怒らなかった…タイトルが「ルークを食べます」などとふざけた内容ではなければ…
ルークは送られてきたかき氷の写真を改めて見直すとそのまま何も言わずに画像を保存した。
だが、その日の夕方勝手にかき氷の写真をアッシュに消され
ファブレ家では壮大なる兄弟喧嘩が勃発するとはこの時誰も思っていなかった。
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