旭屋本舗
ようこそいらっしゃいませ。
腐向けサイトですご理解のある方のみどうぞ。
始めての方はカテゴリー【What】をお読みください。
甘い匂い…その何かを焼いた匂いがユーリの意識を目覚めさせた。
まだ少し意識は夢の中にいたが隣を見ると隣で寝ていたはずの
姿はなく、寝ていたと思われる場所を手で触ってみるとまだ少し温かみが残っている。
ユーリは床に散乱していたスウェットを拾い上げ着ると寝室を出てリビングへ向かった。
何気ない日々
リビングへ向かうとそこには赤く染まった長い髪をポニーテールのように括り、
エプロンをつけ朝食の準備をしてるルークがいた。
「あ、おはよー。朝飯できてるぞ」
「あぁ…おはよ。パンのやける匂いで目が覚めた…」
テーブルの上には焼いた食パン、サラダ、目玉焼き、ベーコンそして紅茶が置いてあり
朝食の準備ができあがっていた。
一緒に同居し始めたころは目玉焼きもできないルークだったが、
ユーリが手取り足とり腰取り教えたかいあってかある程度の料理ならできるようになった。
ユーリは自分の席に座ると「いただきます」と言って焼き立てのパンを食べ始めた。
少し遅れてルークも自分の席に座り朝食を食べ始めた。
「あ、ユーリ。今日大学行く時バイクの後ろ乗せて送ってくれよ。」
「別にかまわないけど…お前今日講義3限からだろ?俺は2限からだから時間早いぞ?」
「アッシュと昼飯食べる約束してるからいい」
ルークの口から出た人物の名前を聞いてユーリの手が止まる。
同居までする恋仲になったユーリとルークだったが、最大のライバルである
ルークの弟アッシュは今でもちょくちょくルークとコンタクトを取っている。
ユーリとルークの間に何かあった時奪い返せるように…
ルーク本人は兄弟のコミュニケーション程度しか思っていないが。
「まぁ…いいけど。バイクの後ろ乗るの嫌いなお前がそんなこと言うのもめずらしいな…」
ユーリは普段バイクで大学にまで通っている。
ルークも一緒に乗っていけばいいのだが、何故かルークはバイクの後ろに乗ることを嫌がる。
理由を何度聞いても教えてはくれない。
「………腰痛いから…。どっかの誰かが昨日激しくするから…」
少し恥ずかしそうにルークが呟くとユーリは納得した。
腰が痛いのならアッシュとの約束なんて蹴ってしまえばいいのに…と思うが喧嘩になるのが
目に見えているので言わない。
「仕方がないだろ?あんな可愛らしく「ユーリ…好き…もっと…」何て言われて我慢できる男の方が問題だな。
いやぁー…読者の皆様に見せれないのが残念なくらい可愛かったぜ」
「そんなこと言ってねぇし!!!夢と現実混ぜるんじゃねぇ!!!つーか読者って何だ読者って!!!
いいからさっさと食べろよ!!遅刻するぞ!!!」
「へいへい」
顔を真っ赤にして朝食の続きを食べるルークをみて、押し倒したくなったが
今押し倒すとまた面倒なことになるので素直に朝食を食べ終えた。
食べ終えた後スウェットから私服に着替え、鞄に最低限の荷物を詰め込み
バイクが置いてあるマンションの地下駐車場まで向かった。
バイクの色は主に黒で赤と白のラインが入っている。
何故このバイクにしたのかとルークに聞かれた時に「お前と俺っぽいから」と真面目に答えたが
顔を真っ赤にして怒ってしまった。
それが原因でルークはバイクの後ろに乗るのが嫌なのだろうかと思ったが
原因はそうではないらしい…
バイクにエンジンをかけているといつのまにかルークが駐車場に降りてきていた。
「遅いぞ。何突っ立ってるんだ?あぁ…俺の姿に見とれてたか?」
「うるせー。そんなんじゃねぇよ。」
「これ以上惚れるところなんてないもんな」
「うっせー。」
否定はしないのかよと思った。
ルーク専用のヘルメットを投げて渡し、ルークがそれを着用して自分の後に乗るのを確認するとバイクを動かした。
ユーリの腰にはルークの腕がしっかりと回されておりこんな時幸せを感じる自分はノロケなのかと思ってしまう。
ユーリからは見えないがルークの顔は真っ赤になっていた。
バイクを運転するユーリの姿はとてもかっこよかった。
この人が自分の恋人なのだと思うと顔がにやけてしまう。
今でも心臓が壊れてしまうのではないかと思えるくらい動いている。
もっと密着したらユーリが気がついてしまうのではと思えてしまう
だからルークはあまりユーリのバイクに乗らない。
ドキドキしすぎて寿命が短くなってユーリと一緒に入れる時間が短くなってしまいそうだから…
ルークを大学まで送り届けたユーリはそのまま自分が通う大学へと向かった。
できれば一緒の大学に通いたかったが、それぞれ行きたいと思う道が違っていたので諦めた。
午前中の講義を終えフレン、エステルとお昼を食べた後本日最後の講義を受けていた。
お昼を食べたあとだったので少し眠くなりながらも教授の話を聞いていると
つくえの上に置いてあったユーリの携帯が光った。
サイレントモードにしてあるので音は出なかったが、サブディスプレイを見ると
『ルーク』という文字が浮き上がっていた。
他のやつなら講義が終わるまで無視をしてもよかったがルークとなると話はべつだ。
つくえの下で携帯を広げてみるとメールが1件届いていた。
『今日大学の図書館寄ってから帰る』
たわいもないメールの内容だったがユーリはため息をついた。
「ルークからかい?」
隣で一緒に講義を受けていたフレンが小声で声をかけていた。
「あぁ…大学の図書館寄って帰るだと…向かえにいってやらねぇとだめだなこれは…」
携帯を閉じてまた机の上に置くとフレンと反対側にいたエステルが小さく笑う。
「ルークは図書館にいくと閉館まで居ますからね…研究が面白いんですね」
「勉強熱心なことで…」
高校時代ルークは勉強は好きではなかったはずだ。
だが大学にはいり自分がしたいと思える研究テーマを見つけてからはのめりこむようになった。
ルークが研究しているのは『予言』。
『予言』の歴史を調べるものだった。
歴史関係なので図書館などに入り浸るのは当たり前のことだったが、
ルークは一度入ってしまうと大学閉館まで居てしまい入学当初ユーリをかなり心配させた。
心配かけさせて以来飲み会以外の門限は20時と決めたはずだったが、いまだにそれを守れたことはない。
別に夜遊びをしているわけでもないので安心なはずだが、
アッシュが同じ学科ましてや同じゼミとなると話は別だ。
大抵図書館に居る=アッシュと居るという公式ができあがる。
アッシュとそんな長く二人きりでいると思うと黒いものがわきがってくるユーリだった。
ルークにはこんな気持ち言ってはいない…ルークはアッシュのことを弟としかみていないのだから…
講義を終えたユーリはすぐにバイクを止めてある駐車場へと向かいバイクを動かした。
普段ならフレンとエステル達とお茶などをしてから帰るのだが、今日は別だ。
フレンとエステルも理由を分かっているので何も言わず見送ってくれた。
ルークが通う大学へ着くと駐車場にバイクを止めて守衛に軽く挨拶をして大学へと入った。
かなり頻繁にきているので守衛はもしかしたらユーリをここの大学の生徒と勘違いしているかもしれない。
ルークの通う大学の図書館はかなり有名なものだ。
大学の正門から入ってすぐに見える大きい建物でフロア4階地下2階というかなり大きい。
噂では新入生が毎年数名この図書館で迷子になるという話だ。
その大きな図書館に入り受付嬢に目的の人物の場所を聞くと快く教えてくれた。
受付嬢が教えてくれた個室ののぞき窓を見るとアッシュとガイが部屋にいた。
ノックをして入るとガイは笑顔で迎えてくれてが、アッシュは眉間にしわを増やした。
「よぅ、ユーリじゃねぇか。久しぶり…って一昨日も会ったか」
「他校のやつが何しにきた…」
アッシュとガイの周りには資料と思われる古びた本…そして論文を書く為のノートパソコンがあった。
「うちのお姫様を迎えに来たんだよ…ってあいつどこだ?」
アッシュの睨みも何のその華麗にスルーをしたユーリは目的の人物が部屋に居ないことを指摘した。
「ルークなら地下だぜ。さっき降りていったばかりだからもう少し時間かかるぜ」
「そっか…んじゃぁ俺もいってくるか」
自分の荷物を部屋に置きユーリはルークが向かった地下へと足を向けた。
向ける前に地下へ降りるためには受付で申請をしないといけないので受付で申請をしてから地下へと降りた。
地下へ降りるとそこにはかなり年季の入った本が数多く取りそろえてあった。
本だけではないユーリが生まれる前に発行された雑誌・新聞なども置いてある。
天井には防犯カメラがいくつも備えつけられてあり、監視されているのがわかった。
ユーリはルークが居ると思われる本の場所に向かうと予想通り愛しい『紅き鎧の姫』がいた。
「よぅ。向かえに来たぜ」
「え?ユーリ…?別に俺一人で帰れたのに…」
ルークは取っていた本を棚に戻すとユーリに近づいた。
ユーリが迎えにきた理由はきっと朝腰が痛いと言ったから迎えにきたのだと勘違いしているようだ。
「単なる気まぐれだ…それより本見つかったのか?」
「全然…近い内容はあるんだけど…」
ルークが少し寂しそうな顔をした。
「んじゃぁ俺も一緒に探してやるよ」
「え?お前わかるの?」
「ここの図書館のことならなんでもしってるぜ」
というとユーリは部屋の奥へ足を向け棚の物陰からルークを呼んだ。
呼ばれたルークは素直にユーリのもとへ向かうといきなり腕を掴まれユーリとルークの距離は0になった。
「ばっか…おま…監視カメラ…!!!」
「知ってるか?ここの場所監視カメラから死角なんだぜ…」
「変なことばっかり詳しくなるなっ!!!」
不敵な笑みを浮かべるユーリの唇をルークは黙って自分の唇と重ねた。
「…という夢を見た。」
「え?何?それを言う為だけに俺を朝一番に来て教室から俺を誘拐したわけ?」
「同意があれば誘拐とはいわねぇよ」
「俺は同意してねぇ!!」
「そうだったか?」
先日も同じ内容を言ったきがする。とルークは肩を落とした。
ここはアビス学園高等部の校舎屋上。
ホームルームが始まる前にいきなり他校の生徒であるユーリが教室に登場し、
そのままルークを連れ去った。
訳も分からないルークだったが、ユーリが聞いてほしい話があるといったので
真剣に聞いていると…今朝みた夢の内容だった。
「何で俺にそんな話するわけ?」
「ん?そんな未来もいいよな…と思ったから。今度マンションでも見にいかないか?」
「え?俺将来同居するの決定?」
ユーリのそばから逃げようと試みたがしっかりと肩を掴まれ抱き寄せられていた為抜け出すことはできない。
そこへ1時間目が始まるチャイムが鳴った。
「あー…チャイム鳴った…さぼるか…」
「昼寝でもするか」
「いいねそれ。」
ユーリに抱きよせられて昼寝をするのはどうかと思ったが、離してくれそうもなかったのでそのまま目を閉じた。
校舎のどこからかアッシュがルークの名前を呼ぶ声が聞こえた気がするが…
多分気のせいだろうと思いながら意識を夢の中へと移した。
自分も幸せな未来の夢が見れるように祈りながら…
まだ少し意識は夢の中にいたが隣を見ると隣で寝ていたはずの
姿はなく、寝ていたと思われる場所を手で触ってみるとまだ少し温かみが残っている。
ユーリは床に散乱していたスウェットを拾い上げ着ると寝室を出てリビングへ向かった。
何気ない日々
リビングへ向かうとそこには赤く染まった長い髪をポニーテールのように括り、
エプロンをつけ朝食の準備をしてるルークがいた。
「あ、おはよー。朝飯できてるぞ」
「あぁ…おはよ。パンのやける匂いで目が覚めた…」
テーブルの上には焼いた食パン、サラダ、目玉焼き、ベーコンそして紅茶が置いてあり
朝食の準備ができあがっていた。
一緒に同居し始めたころは目玉焼きもできないルークだったが、
ユーリが手取り足とり腰取り教えたかいあってかある程度の料理ならできるようになった。
ユーリは自分の席に座ると「いただきます」と言って焼き立てのパンを食べ始めた。
少し遅れてルークも自分の席に座り朝食を食べ始めた。
「あ、ユーリ。今日大学行く時バイクの後ろ乗せて送ってくれよ。」
「別にかまわないけど…お前今日講義3限からだろ?俺は2限からだから時間早いぞ?」
「アッシュと昼飯食べる約束してるからいい」
ルークの口から出た人物の名前を聞いてユーリの手が止まる。
同居までする恋仲になったユーリとルークだったが、最大のライバルである
ルークの弟アッシュは今でもちょくちょくルークとコンタクトを取っている。
ユーリとルークの間に何かあった時奪い返せるように…
ルーク本人は兄弟のコミュニケーション程度しか思っていないが。
「まぁ…いいけど。バイクの後ろ乗るの嫌いなお前がそんなこと言うのもめずらしいな…」
ユーリは普段バイクで大学にまで通っている。
ルークも一緒に乗っていけばいいのだが、何故かルークはバイクの後ろに乗ることを嫌がる。
理由を何度聞いても教えてはくれない。
「………腰痛いから…。どっかの誰かが昨日激しくするから…」
少し恥ずかしそうにルークが呟くとユーリは納得した。
腰が痛いのならアッシュとの約束なんて蹴ってしまえばいいのに…と思うが喧嘩になるのが
目に見えているので言わない。
「仕方がないだろ?あんな可愛らしく「ユーリ…好き…もっと…」何て言われて我慢できる男の方が問題だな。
いやぁー…読者の皆様に見せれないのが残念なくらい可愛かったぜ」
「そんなこと言ってねぇし!!!夢と現実混ぜるんじゃねぇ!!!つーか読者って何だ読者って!!!
いいからさっさと食べろよ!!遅刻するぞ!!!」
「へいへい」
顔を真っ赤にして朝食の続きを食べるルークをみて、押し倒したくなったが
今押し倒すとまた面倒なことになるので素直に朝食を食べ終えた。
食べ終えた後スウェットから私服に着替え、鞄に最低限の荷物を詰め込み
バイクが置いてあるマンションの地下駐車場まで向かった。
バイクの色は主に黒で赤と白のラインが入っている。
何故このバイクにしたのかとルークに聞かれた時に「お前と俺っぽいから」と真面目に答えたが
顔を真っ赤にして怒ってしまった。
それが原因でルークはバイクの後ろに乗るのが嫌なのだろうかと思ったが
原因はそうではないらしい…
バイクにエンジンをかけているといつのまにかルークが駐車場に降りてきていた。
「遅いぞ。何突っ立ってるんだ?あぁ…俺の姿に見とれてたか?」
「うるせー。そんなんじゃねぇよ。」
「これ以上惚れるところなんてないもんな」
「うっせー。」
否定はしないのかよと思った。
ルーク専用のヘルメットを投げて渡し、ルークがそれを着用して自分の後に乗るのを確認するとバイクを動かした。
ユーリの腰にはルークの腕がしっかりと回されておりこんな時幸せを感じる自分はノロケなのかと思ってしまう。
ユーリからは見えないがルークの顔は真っ赤になっていた。
バイクを運転するユーリの姿はとてもかっこよかった。
この人が自分の恋人なのだと思うと顔がにやけてしまう。
今でも心臓が壊れてしまうのではないかと思えるくらい動いている。
もっと密着したらユーリが気がついてしまうのではと思えてしまう
だからルークはあまりユーリのバイクに乗らない。
ドキドキしすぎて寿命が短くなってユーリと一緒に入れる時間が短くなってしまいそうだから…
ルークを大学まで送り届けたユーリはそのまま自分が通う大学へと向かった。
できれば一緒の大学に通いたかったが、それぞれ行きたいと思う道が違っていたので諦めた。
午前中の講義を終えフレン、エステルとお昼を食べた後本日最後の講義を受けていた。
お昼を食べたあとだったので少し眠くなりながらも教授の話を聞いていると
つくえの上に置いてあったユーリの携帯が光った。
サイレントモードにしてあるので音は出なかったが、サブディスプレイを見ると
『ルーク』という文字が浮き上がっていた。
他のやつなら講義が終わるまで無視をしてもよかったがルークとなると話はべつだ。
つくえの下で携帯を広げてみるとメールが1件届いていた。
『今日大学の図書館寄ってから帰る』
たわいもないメールの内容だったがユーリはため息をついた。
「ルークからかい?」
隣で一緒に講義を受けていたフレンが小声で声をかけていた。
「あぁ…大学の図書館寄って帰るだと…向かえにいってやらねぇとだめだなこれは…」
携帯を閉じてまた机の上に置くとフレンと反対側にいたエステルが小さく笑う。
「ルークは図書館にいくと閉館まで居ますからね…研究が面白いんですね」
「勉強熱心なことで…」
高校時代ルークは勉強は好きではなかったはずだ。
だが大学にはいり自分がしたいと思える研究テーマを見つけてからはのめりこむようになった。
ルークが研究しているのは『予言』。
『予言』の歴史を調べるものだった。
歴史関係なので図書館などに入り浸るのは当たり前のことだったが、
ルークは一度入ってしまうと大学閉館まで居てしまい入学当初ユーリをかなり心配させた。
心配かけさせて以来飲み会以外の門限は20時と決めたはずだったが、いまだにそれを守れたことはない。
別に夜遊びをしているわけでもないので安心なはずだが、
アッシュが同じ学科ましてや同じゼミとなると話は別だ。
大抵図書館に居る=アッシュと居るという公式ができあがる。
アッシュとそんな長く二人きりでいると思うと黒いものがわきがってくるユーリだった。
ルークにはこんな気持ち言ってはいない…ルークはアッシュのことを弟としかみていないのだから…
講義を終えたユーリはすぐにバイクを止めてある駐車場へと向かいバイクを動かした。
普段ならフレンとエステル達とお茶などをしてから帰るのだが、今日は別だ。
フレンとエステルも理由を分かっているので何も言わず見送ってくれた。
ルークが通う大学へ着くと駐車場にバイクを止めて守衛に軽く挨拶をして大学へと入った。
かなり頻繁にきているので守衛はもしかしたらユーリをここの大学の生徒と勘違いしているかもしれない。
ルークの通う大学の図書館はかなり有名なものだ。
大学の正門から入ってすぐに見える大きい建物でフロア4階地下2階というかなり大きい。
噂では新入生が毎年数名この図書館で迷子になるという話だ。
その大きな図書館に入り受付嬢に目的の人物の場所を聞くと快く教えてくれた。
受付嬢が教えてくれた個室ののぞき窓を見るとアッシュとガイが部屋にいた。
ノックをして入るとガイは笑顔で迎えてくれてが、アッシュは眉間にしわを増やした。
「よぅ、ユーリじゃねぇか。久しぶり…って一昨日も会ったか」
「他校のやつが何しにきた…」
アッシュとガイの周りには資料と思われる古びた本…そして論文を書く為のノートパソコンがあった。
「うちのお姫様を迎えに来たんだよ…ってあいつどこだ?」
アッシュの睨みも何のその華麗にスルーをしたユーリは目的の人物が部屋に居ないことを指摘した。
「ルークなら地下だぜ。さっき降りていったばかりだからもう少し時間かかるぜ」
「そっか…んじゃぁ俺もいってくるか」
自分の荷物を部屋に置きユーリはルークが向かった地下へと足を向けた。
向ける前に地下へ降りるためには受付で申請をしないといけないので受付で申請をしてから地下へと降りた。
地下へ降りるとそこにはかなり年季の入った本が数多く取りそろえてあった。
本だけではないユーリが生まれる前に発行された雑誌・新聞なども置いてある。
天井には防犯カメラがいくつも備えつけられてあり、監視されているのがわかった。
ユーリはルークが居ると思われる本の場所に向かうと予想通り愛しい『紅き鎧の姫』がいた。
「よぅ。向かえに来たぜ」
「え?ユーリ…?別に俺一人で帰れたのに…」
ルークは取っていた本を棚に戻すとユーリに近づいた。
ユーリが迎えにきた理由はきっと朝腰が痛いと言ったから迎えにきたのだと勘違いしているようだ。
「単なる気まぐれだ…それより本見つかったのか?」
「全然…近い内容はあるんだけど…」
ルークが少し寂しそうな顔をした。
「んじゃぁ俺も一緒に探してやるよ」
「え?お前わかるの?」
「ここの図書館のことならなんでもしってるぜ」
というとユーリは部屋の奥へ足を向け棚の物陰からルークを呼んだ。
呼ばれたルークは素直にユーリのもとへ向かうといきなり腕を掴まれユーリとルークの距離は0になった。
「ばっか…おま…監視カメラ…!!!」
「知ってるか?ここの場所監視カメラから死角なんだぜ…」
「変なことばっかり詳しくなるなっ!!!」
不敵な笑みを浮かべるユーリの唇をルークは黙って自分の唇と重ねた。
「…という夢を見た。」
「え?何?それを言う為だけに俺を朝一番に来て教室から俺を誘拐したわけ?」
「同意があれば誘拐とはいわねぇよ」
「俺は同意してねぇ!!」
「そうだったか?」
先日も同じ内容を言ったきがする。とルークは肩を落とした。
ここはアビス学園高等部の校舎屋上。
ホームルームが始まる前にいきなり他校の生徒であるユーリが教室に登場し、
そのままルークを連れ去った。
訳も分からないルークだったが、ユーリが聞いてほしい話があるといったので
真剣に聞いていると…今朝みた夢の内容だった。
「何で俺にそんな話するわけ?」
「ん?そんな未来もいいよな…と思ったから。今度マンションでも見にいかないか?」
「え?俺将来同居するの決定?」
ユーリのそばから逃げようと試みたがしっかりと肩を掴まれ抱き寄せられていた為抜け出すことはできない。
そこへ1時間目が始まるチャイムが鳴った。
「あー…チャイム鳴った…さぼるか…」
「昼寝でもするか」
「いいねそれ。」
ユーリに抱きよせられて昼寝をするのはどうかと思ったが、離してくれそうもなかったのでそのまま目を閉じた。
校舎のどこからかアッシュがルークの名前を呼ぶ声が聞こえた気がするが…
多分気のせいだろうと思いながら意識を夢の中へと移した。
自分も幸せな未来の夢が見れるように祈りながら…
~ユリルク~
とある中庭で少女が一人ティータイムを楽しんでいた。
その少女の髪はピンク色をしており、毛先まで綺麗に揃えられており品の良さが伺える。
そんなティータイムを楽しんでいる少女のそばに一人の青年が近づき声をかけた。
声をかけられた少女は青年の顔を見ると、優しく微笑んだ。
「こんにちわ、ユーリ。何か御用です?」
「あぁ…ちょっとエステルに頼みがあってな。」
ユーリと呼ばれた青年は何かを企んでいるような笑顔をエステルに見せた。
「ふふっ…ユーリ、悪戯はほどほどにしてくださいね。どんな頼みです?」
あまりよろしくない事を考えているのを分かっているにも関わらず
自分の頼みを聞き入れてくれるエステルの心の広さには毎回感動を覚えてしまうユーリだ。
いや、エステル自身が少し楽しみにしているだけなのかもしれないが…
「確か今度の日曜日に、アビス学園高等部の生徒会長とお茶会の予定だったよな?」
「はい。我が学園でお茶会の予定ですが…それが?」
「実はそのお茶会に是非呼んで欲しいやつがいるんだ。」
「?」
車の窓から見えるのは豪華に装飾さえた大きな門。
そしてその左右に何処まででも続くまっ白い壁。
自分が通う学校の広さにも入学当初は驚いてしまったが、
ここの広さは桁が違っていた…むしろ同じ国なのかと聞きたくなるほどだ。
「まぁ、ルークったら。そんな大きな口をあけて、みっともないですわよ」
校門の大きさに感動して口が開きっぱなしになっていたルークを、
幼馴染であるナタリアが優しく注意をする。
ルークは慌てて開いたままの口を閉じると照れた表情でナタリアに話しかけた。
「だって、すっげーでかい校門に驚いちまって…アッシュも来たらよかったのに…」
「仕方ありませんわ。アッシュは招待されてませんもの…」
ナタリアが鞄から取り出したのは二枚の招待状。
一枚はアビス学園高等部生徒会長であるナタリアへ届いたモノ。
そして、もう一枚はルークに届いた招待状だった。
「アッシュがいくら付いて行くと言い張っても、この招待状がなければセイント・ヴェスペリア学園には入れませんわ」
古くからアビス学園とセイント・ヴェスペリア学園は交流は良く、
生徒同士のお茶会なども毎年数多く実施されていた。
そして今日は前々からセイント・ヴェスペリア学園の生徒会長と
アビス学園の生徒会長とのお茶会の約束だったが、何故か急にセイント・ヴェスペリア学園側から
生徒会ではないルークも招待されてしまった。
「何で俺まで招待されたんだろうなぁ…?アッシュは不信感丸出しで行くなって言うし…」
生徒会のメンバーだから一緒に招待されるのならまだわかる。
けど、ルークは生徒会メンバーではない…ましてや向こうの生徒会長とも面識など一切なかった。
ルークに招待状が届いてからずっとアッシュが機嫌を悪くしている。
挙句の果てには何故か行くなと言いだしてしまったからルークも困り果てていたが、
幼馴染であるナタリアがアッシュを説得し、なんとか今日お茶会に出席できるようになった。
出かける際もそれが原因で喧嘩をしてしまった…帰ったら謝ろうと思いながら
セイント・ヴェスペリア学園内の景色を見ていた。
「先日の剣道部の試合のお話を詳しく伺いたいみたいですわ。
セイント・ヴェスペリア学園の生徒会長であるエステルさんにはルークとアッシュの話は
何度かしておりましたから」
「ふーん…」
先日の助っ人で駆り出された剣道の試合…
自分の平凡な学生生活が終わってしまった試合でもある。
あいつに出会わなかったら自分は変な通称で呼ばれることはなかったのに…
そう思いながら黒髪の王子の姿を思い浮かべる。
「けど、ルーク。その髪型とてもお似合いですわよ。普段からそうなさったらいかが?」
普段は腰くらいまである髪も特に手を加えず下ろしたままだったが、
今日は招待されているとのことでナタリアに無理やりポニーテールにされてしまった。
「そうか…?俺この髪型好きじゃないなぁ…括るのに慣れてないから痛いし…それに…」
今日出かける前に見送りにきたガイの言葉を思い出した。
ポニーテールにしているのを指摘され、カッコイイなとか言ってくれると思っていた…
が、ガイからでた言葉は全く違っていた。
『その髪型にしてると、どっかのボー○ロイドみたいだな』
『なっ…は、腹切れきさまあああああああああああっ!!!!』
予想外の言葉だった為、怒りにまかせて回し蹴りでガイを壁の中へ埋め込んでしまった。
朝から無駄な体力を使ってしまったと心から思っている。
そうこうしているうちに車が止まった。
どうやら目的地についたようで車を降りると、
校舎の中からピンク色をした髪の少女が笑顔で出迎えた。
「ようこそいらっしゃいました。あなたがルークさんですね?」
「あ、はい…えっと。この度はご、ご招待いただきまして誠にありがとう…ございます。
おれ…じゃない、私はルーク・フォン・ファブレと申します。ルークとおよびください…」
慣れない丁寧な言葉を使っていると、迎えてくれた少女はにこりと笑った。
「ご丁寧にありがとうございます。私はセイント・ヴェスペリア学園生徒会長をしています
エステリーゼ・シデス・ヒュラッセインです。みんなからはエステルと呼ばれています
どうぞ、話しやすい言葉でお話ください。」
「あ、ありがとう…その…えっと…エステル?」
エステルと呼ばれた少女はルークに微笑むと、お茶会の会場まで案内をしてくれた。
ナタリアとエステルはすでに何度か会っているので、お茶会の会場まで二人で何やら会話をしている。
取り残されてしまったルークは校舎の廊下をきょろきょろと見まわし
ある人物を探していたが、その人物はどこにも見つからなかった。
(まぁ、俺が来ること言ってないし…しょうがないか)
案内されたお茶会の会場は中庭が見渡せるテラスのようなところで、自分達以外は誰もいなかった。
用意されていた椅子に座っていると、カラカラと台車の音が聞こえてきて誰かが運んできてくれた。
ここの学園の制服を着ているので、多分生徒会のメンバーの誰かなのだろう…
その青年はルークの目の前に美味しそうなケーキを一つだした…もちろん、一緒に出された紅茶もいい香りがしている。
「うわっ…すっげー美味そうなケーキ…」
「ルーク…お行儀が悪いですわよ」
「だ、だって…」
育ち盛りなルークは紅茶より、お腹にたまるケーキの方に興味がいってしまう。
「うふふ…どうぞ遠慮なく食べてください。他にも種類がありますからね」
「じゃぁ、お言葉に甘えて…頂きます」
一番最初に出されたのはシンプルなショートケーキだったが、
食べてみると普通のショートケーキのはずなのにとても美味しかった。
今まで食べたショートケーキの中で一番美味しい。
「うわっ…このショートケーキめちゃくちゃ美味しい…生クリームもすっげーバランスよく甘くておいしい…」
幸せそうな顔をして食べるルークの姿を見てエステルは少し笑ってしまった。
「ルークに喜んでいただけて作った彼も喜んでいるみたいです。ところでルーク…ユーリとの対戦どうでした?」
「ふぇ?」
いきなりの話題にルークは間抜けた声を出してしまった。
ナタリアに睨まれてしまったが、出てしまったものはしょうがない…はずだ。
「どうって…あいつすっごく強いってのがわかった…アッシュが対戦しても…勝率五分五分じゃないかな?
俺が勝てたのは本当に奇跡に近いよ…まぁ、勝ってしまったおかげであんな変な通称つけられちゃったけどな…」
「『紅き鎧の姫』です?よく似合っていると思うんですが…ユーリも自分が王子と呼ばれることに不満はある見たいです。」
先ほどケーキと紅茶を運んでくれた青年が少なくなったエステルのカップに新しい紅茶を入れる。
エステルが小さくお礼を言うとルークにまた頬笑みかけた。
「俺は男だから姫じゃねぇのに…まぁ、あいつが王子って呼ばれるのは…俺は似合ってると思うけどな
カッコイイし…背も高いし…強くて優しいし…女子とかにすっげー人気ありそう…男の俺からみてそう思うから
やっぱりカッコイイんだと思う…あ、この話ユーリには内緒な」
こんな話ユーリに聞かれたら恥ずかしくて死んでしまいそうになる。
多分ユーリのことだからこの話を聞けばいろいろとめんどうなことになるのも分かっていた…
知り合ってまだ日は浅いはずなのに、何故ここまでわかるようになったかが不思議だ。
「ふふ…わかりました。私は彼にはお話しません…けど、私が話しなくても彼は知ってしまっていますよ」
「え????」
エステルの言っている意味が理解できないルークであったが、すぐにその意味を理解できた。
「へー…愛しい俺のお姫様にそんな風に思われてたとか…感激だな」
ケーキと紅茶を持ってきた青年の声には聞き覚えがあった…
おそるおそる青年の顔を見ると青年の顔は先日試合をした人物であった。
「な、ななななななっ…ユーリいいいいいいいいいいぃ!!!!!!!!!!!!!!」
「ようやく気がついたか…気がつくの遅いんだよ。まぁそのおかげでいいモノ聞けたけどな」
顔を真っ赤にさせたルークが立ちあがって反論をしようとしたとき、
膝がテーブルに当たってしまい自分の紅茶が自分の制服にかかってしまった。
「あちっ…あ、ご、ごめん…俺…」
「おいおい、大丈夫か?そんな照れなくても…」
少し呆れた声でルークの制服についた紅茶をユーリが拭こうとしたが、
ルークが恥ずかしがって拭かせてくれなかった。
「いいよ、家帰って洗濯すれb…」
「ダメですわ。今すぐ着替えないとシミになりますわよ」
「いや、でも…」
ここは自分の通う学校ではない。
自分の教室に行けばジャージなどに着替えることができるが、あいにく他校に着替えを持ってくる
ような性格ではない。むしろ普通は持ってこないが…
「じゃぁ、今すぐ洗濯すればいいんです。洗濯している間はユーリの服を借りればいいんです」
「そいつは名案だな…よし、まぁ行くか」
「え?ちょ、何するんだえぇえええええええええ!!!??」
そういうとユーリはルークを抱きかかえると素早い動きでお茶会の会場を後にした。
「こういうのって誘拐っていわないか?」
「本人の同意があればいわねぇよ」
「俺は同意してねぇ!!!!」
「そうだったか?」
ルークが連れてこられたのは学園内になる寮の一室。
表の表札にはユーリの名前だけがあったのでユーリの使用している部屋ということがわかる。
連れて来られてすぐにベッドに放りだされ、ユーリに服を脱がされかけたが
さすがのルークも身の危険を感じユーリの隙を見て備え付けられているシャワールームに逃げて汚れた制服を脱いだ。
汚れた制服はすぐさま学園内にあるクリーニング屋に出されて、すぐ出来上がるとのことだった…
次元がいろいろと違いすぎる学園である。
流石に下着一枚でいるのは嫌だったので、大人しくユーリの服を借りたが…
少し大きくて何故か不愉快な気持ちになってしまった。
「うぅ…やっぱり少しでかい…いいよ。いつか追いぬいてやるから」
「無駄なあがきはやめとけ。それより火傷とかはしてないか?」
よくよく考えてみれば、紅茶が身体にかかったのだから軽い火傷などしてても可笑しくはないが
先ほど制服を脱いだ時そのような怪我はなかったので多分大丈夫だろう…
「えっと…大丈夫だよ。…多分」
「多分…?信用できないな」
「へ?ちょ…!!!!」
腕を引っ張られいきなりベッドの上に転がされ上に乗られた。
抵抗しようにも手は頭の上でしっかりと握って固定され、足を動かそうにも自分の上に乗っているユーリの足が邪魔で
思うように動かすことができない。俗にいう絶対ピンチというやつだ。
「おい、ユーリ!!!何しやがる!!!」
「俺が隅々まで確認してやるよ…愛しい俺のお姫さま…」
「いらない…って!!!やめっ…!!!」
ルークが何か言いかけたが、ユーリはそれを無視してルークの耳にキスを落とし
そして頬、首筋…最後に唇にキスを落とそうとしてルークの異変に気がついた。
「っひく…いやだぁ…たすけて…あ…あっしゅ…あっしゅぅ…」
ルークが泣いていた。
涙を流すルークの姿をみてユーリの心は重くなっていった。
出会ったばかりであったが、この純粋な青年といると心が温まった。
自分の物にしてもっと彼を知りたい…という感情が芽生えた
そして、まずは彼の身体を自分の物にしたらいい…心なんてあとから付いて来させればいいと思っていた。
けど、彼の涙を見て心が冷たくなっていく…彼と居るだけで温かくなれると思っていたのに…
それだけではない、今ここで彼の身体を自分の物にしても心は付いてこないことがわかった。
彼の心の中には同じ姿をした弟が今一番占領している…
自分の物にするのならやはり身も心も自分の物にしたい…そう感じた。
ユーリはルークの唇にキスを落としかけていたが、
いつまでも止まることのないルークの涙にキスをした。
「馬鹿…泣くな…お前に泣かれると困るんだよ…」
「え?」
ルークの腕を抑えていた手を離し、ベッドに寝転んでいたルークの身体を起こし優しく抱きしめた。
「ユーリ…?」
「悪かった…お前があまりにも可愛いから…つい意地悪したくなった…ごめんな」
ルークは恥ずかしそうにユーリの胸へ顔をうずめた。
その様子に少し満足そうな顔をしてユーリはルークの頭を優しくなでた。
「ユーリの馬鹿…」
「仕方ないだろ?俺の作ったケーキをべた惚れするし、俺のこともほめるし…嬉しすぎるっての」
「え?あれユーリが作ったのか?」
「あぁ…何ならまだあるから持って帰るか?」
「まじ?ありがとうユーリ!!!」
さっきまで犯されそうになった相手なのに警戒心もなくルークはユーリに抱きついた。
単純なやつ…と思いながらも今はこの距離感が一番ベストだとユーリは思った。
「あ、一つ聞きたいことがあるんだが…」
「ん?何?」
ユーリから離れてにこにことユーリの質問を待った。
「お前とアッシュってどこまでの関係だ?」
笑顔だったルークの表情が変わった…
その表情でユーリはルークとアッシュとの関係がすぐに理解できたが
あえてルークの言葉を待った。
「アッシュとの関係…?そんなの双子の弟以外ないけど?」
ルークの変った表情はユーリの質問に理解ができていません。という表情だった。
普通の人なら嘘をついているかもしれないが、嘘を付くのが苦手なルークが
こんな表情をして言うのだから多分兄弟以上の関係はない。
一つ屋根の下で暮らしているのだからチャンスなどいくらでもあっただろうに…
関係がないということは、アッシュはそんな関係に興味がないのかただの奥手なのだろうか…
アッシュのルークに対する普段の態度などを考慮すると多分後者だと結論がでた。
「いや、ないのならいいんだ…あぁ…そうだ、お前に言っておきたいことがある」
「ん?何だ?」
ユーリの口元がにやりと笑い
その表情に少し嫌な予感がするルークだった…
「俺は近いうちにお前のこと惚れさせるから覚悟しておけよ」
最初は理解できていなかったルークだが、意味がわかったとたん顔を真っ赤にさせた。
「なななな、何言ってるんだ!!!変態ユーリ!!!」
「ん?言葉のままだが?愛してるぜ…愛しい俺のお姫様…いや、ルーク…」
ユーリがルークの唇にキスをするとルークの顔はますます赤くなった。
「な、何するんだよ!!!俺初めてなのに!!!俺のファーストキス返せ!!!!」
「何だ、初めてだったのか…だったらいいもん貰ったな」
「ユーリの馬鹿!!お前なんか大嫌いだああああああああ!!!!」
ユーリにぽかぽかと殴りかかろうとしたが、軽くかわされ、何故かベッドに引きずりこまれた。
「今は嫌いでいい…けど…いつかは…」
「お、お前のことなんて好きになんか…!!!」
「へいへい」
ベッドで暴れたせいかポニーテールにしていた髪が乱れていたので、
リボンをほどき毛先にキスを落としていると部屋のドアを叩く音がした。
ユーリが軽く返事をするとドアが開きそこには短髪で赤い髪をした見たことのない青年が立っていた。
「ユーリ、言われていた制服クリーニングが終わったから持ってきた…」
「おぉ、アスベルか…悪い助かった」
アスベルと呼ばれた青年からルークの制服を受け取ろうとしたが、
何故かアスベルが固まっていて制服を受け取ることができなかった。
不思議に思いアスベルが固まっている方向に振り向き、やっと理解ができた。
アスベルの視線の先に居たのは髪と服が少し乱れているルーク…
未遂には終わったが、行為のあとなどとアスベルは勘違いしているのだと思った。
「アスベル…何か間違えるようだけどな…」
「ゆ、ユーリ…君は…」
「ん?」
「男性寮に女性を連れ込んだりするとは…なんて破廉恥はことをしているんだ!!!!!!!!」
「誰が女だ誰があああああああああああああああああ!!!!」
ユーリはどこから説明すればいいか頭を悩ませた。
~アシュルク~
ユーリ特性のケーキをお土産にもらいルークは嬉しそうに自宅へと帰ってきた。
自宅の門の壁をみると、朝にガイを埋め込んだ壁の跡がまだ残っている…
明日ガイに謝ろうと思い自宅のドアを開けると、そこにはアッシュが待っていた。
「あ、アッシュ…そのただいま…あのさ、今朝はごめん…俺ひどいこと言って…心配してくれたのに…」
「いや、俺も言いすぎた…すまない…」
めずらしくアッシュが素直に謝ってきたのに驚きを隠せなかったが、
そんなアッシュが嬉しくて無意識に笑顔になった。
「あ、これお土産のケーキ!!ユーリが作ったケーキですっごく美味しい…」
「おい、屑…」
「え?何?」
腕を引っ張られアッシュの胸の中へ引きずり込まれた。
「目が少し赤くなって腫れてる…泣いたようだが…あの馬鹿王子に何かされたのか?」
流石アッシュ…よくルークのことを見ている。
しかし、本当のことをいうとユーリとアッシュの全面戦争が始まってしまうかもしれないので
本当のことなど言えなかった。
「え?あ…さっき目にゴミが入って…それで…」
自分が嘘を付くのは下手なことは知っている。
特にこの片割れには今まで嘘など通じたことなど一度もなかった。
アッシュの次の言葉にどきどきしながら待っていると、アッシュは小さいため息をついた。
「はぁ…お前がそういうのなら…それでいい…さっさと着替えてこい…紅茶入れて待っててやるから」
「いや、紅茶は今日はもう…」
「何か言ったか?」
紅茶のおかげで散々な目にあったのでできれば遠慮したかったが、
アッシュへの拒否権などルークに存在はしなかった。
「いいえ…じゃぁ着替えてくる」
アッシュにお土産のケーキを渡し、二階にある自分の部屋へと駆け足で走っていった。
ケーキを受け取ったアッシュだったが、ユーリ特性というだけで
今はこのケーキを叩きつぶしたくなったが、そんなことをするとルークに泣かれてしまうのが目に見えていた。
「ったく…ただでさえ敵が多いのに…無駄に敵増やしやがって…やっぱり行かせるんじゃなかったな…」
ルークのことが心配で待っている時間が長く感じられたが、
これから先とてもやっかいな強敵が現れたと思うと気分が重くなってしまった…。
とりあえず今はこれから始まる二人だけのティータイムを楽しもうと思った。
とある中庭で少女が一人ティータイムを楽しんでいた。
その少女の髪はピンク色をしており、毛先まで綺麗に揃えられており品の良さが伺える。
そんなティータイムを楽しんでいる少女のそばに一人の青年が近づき声をかけた。
声をかけられた少女は青年の顔を見ると、優しく微笑んだ。
「こんにちわ、ユーリ。何か御用です?」
「あぁ…ちょっとエステルに頼みがあってな。」
ユーリと呼ばれた青年は何かを企んでいるような笑顔をエステルに見せた。
「ふふっ…ユーリ、悪戯はほどほどにしてくださいね。どんな頼みです?」
あまりよろしくない事を考えているのを分かっているにも関わらず
自分の頼みを聞き入れてくれるエステルの心の広さには毎回感動を覚えてしまうユーリだ。
いや、エステル自身が少し楽しみにしているだけなのかもしれないが…
「確か今度の日曜日に、アビス学園高等部の生徒会長とお茶会の予定だったよな?」
「はい。我が学園でお茶会の予定ですが…それが?」
「実はそのお茶会に是非呼んで欲しいやつがいるんだ。」
「?」
車の窓から見えるのは豪華に装飾さえた大きな門。
そしてその左右に何処まででも続くまっ白い壁。
自分が通う学校の広さにも入学当初は驚いてしまったが、
ここの広さは桁が違っていた…むしろ同じ国なのかと聞きたくなるほどだ。
「まぁ、ルークったら。そんな大きな口をあけて、みっともないですわよ」
校門の大きさに感動して口が開きっぱなしになっていたルークを、
幼馴染であるナタリアが優しく注意をする。
ルークは慌てて開いたままの口を閉じると照れた表情でナタリアに話しかけた。
「だって、すっげーでかい校門に驚いちまって…アッシュも来たらよかったのに…」
「仕方ありませんわ。アッシュは招待されてませんもの…」
ナタリアが鞄から取り出したのは二枚の招待状。
一枚はアビス学園高等部生徒会長であるナタリアへ届いたモノ。
そして、もう一枚はルークに届いた招待状だった。
「アッシュがいくら付いて行くと言い張っても、この招待状がなければセイント・ヴェスペリア学園には入れませんわ」
古くからアビス学園とセイント・ヴェスペリア学園は交流は良く、
生徒同士のお茶会なども毎年数多く実施されていた。
そして今日は前々からセイント・ヴェスペリア学園の生徒会長と
アビス学園の生徒会長とのお茶会の約束だったが、何故か急にセイント・ヴェスペリア学園側から
生徒会ではないルークも招待されてしまった。
「何で俺まで招待されたんだろうなぁ…?アッシュは不信感丸出しで行くなって言うし…」
生徒会のメンバーだから一緒に招待されるのならまだわかる。
けど、ルークは生徒会メンバーではない…ましてや向こうの生徒会長とも面識など一切なかった。
ルークに招待状が届いてからずっとアッシュが機嫌を悪くしている。
挙句の果てには何故か行くなと言いだしてしまったからルークも困り果てていたが、
幼馴染であるナタリアがアッシュを説得し、なんとか今日お茶会に出席できるようになった。
出かける際もそれが原因で喧嘩をしてしまった…帰ったら謝ろうと思いながら
セイント・ヴェスペリア学園内の景色を見ていた。
「先日の剣道部の試合のお話を詳しく伺いたいみたいですわ。
セイント・ヴェスペリア学園の生徒会長であるエステルさんにはルークとアッシュの話は
何度かしておりましたから」
「ふーん…」
先日の助っ人で駆り出された剣道の試合…
自分の平凡な学生生活が終わってしまった試合でもある。
あいつに出会わなかったら自分は変な通称で呼ばれることはなかったのに…
そう思いながら黒髪の王子の姿を思い浮かべる。
「けど、ルーク。その髪型とてもお似合いですわよ。普段からそうなさったらいかが?」
普段は腰くらいまである髪も特に手を加えず下ろしたままだったが、
今日は招待されているとのことでナタリアに無理やりポニーテールにされてしまった。
「そうか…?俺この髪型好きじゃないなぁ…括るのに慣れてないから痛いし…それに…」
今日出かける前に見送りにきたガイの言葉を思い出した。
ポニーテールにしているのを指摘され、カッコイイなとか言ってくれると思っていた…
が、ガイからでた言葉は全く違っていた。
『その髪型にしてると、どっかのボー○ロイドみたいだな』
『なっ…は、腹切れきさまあああああああああああっ!!!!』
予想外の言葉だった為、怒りにまかせて回し蹴りでガイを壁の中へ埋め込んでしまった。
朝から無駄な体力を使ってしまったと心から思っている。
そうこうしているうちに車が止まった。
どうやら目的地についたようで車を降りると、
校舎の中からピンク色をした髪の少女が笑顔で出迎えた。
「ようこそいらっしゃいました。あなたがルークさんですね?」
「あ、はい…えっと。この度はご、ご招待いただきまして誠にありがとう…ございます。
おれ…じゃない、私はルーク・フォン・ファブレと申します。ルークとおよびください…」
慣れない丁寧な言葉を使っていると、迎えてくれた少女はにこりと笑った。
「ご丁寧にありがとうございます。私はセイント・ヴェスペリア学園生徒会長をしています
エステリーゼ・シデス・ヒュラッセインです。みんなからはエステルと呼ばれています
どうぞ、話しやすい言葉でお話ください。」
「あ、ありがとう…その…えっと…エステル?」
エステルと呼ばれた少女はルークに微笑むと、お茶会の会場まで案内をしてくれた。
ナタリアとエステルはすでに何度か会っているので、お茶会の会場まで二人で何やら会話をしている。
取り残されてしまったルークは校舎の廊下をきょろきょろと見まわし
ある人物を探していたが、その人物はどこにも見つからなかった。
(まぁ、俺が来ること言ってないし…しょうがないか)
案内されたお茶会の会場は中庭が見渡せるテラスのようなところで、自分達以外は誰もいなかった。
用意されていた椅子に座っていると、カラカラと台車の音が聞こえてきて誰かが運んできてくれた。
ここの学園の制服を着ているので、多分生徒会のメンバーの誰かなのだろう…
その青年はルークの目の前に美味しそうなケーキを一つだした…もちろん、一緒に出された紅茶もいい香りがしている。
「うわっ…すっげー美味そうなケーキ…」
「ルーク…お行儀が悪いですわよ」
「だ、だって…」
育ち盛りなルークは紅茶より、お腹にたまるケーキの方に興味がいってしまう。
「うふふ…どうぞ遠慮なく食べてください。他にも種類がありますからね」
「じゃぁ、お言葉に甘えて…頂きます」
一番最初に出されたのはシンプルなショートケーキだったが、
食べてみると普通のショートケーキのはずなのにとても美味しかった。
今まで食べたショートケーキの中で一番美味しい。
「うわっ…このショートケーキめちゃくちゃ美味しい…生クリームもすっげーバランスよく甘くておいしい…」
幸せそうな顔をして食べるルークの姿を見てエステルは少し笑ってしまった。
「ルークに喜んでいただけて作った彼も喜んでいるみたいです。ところでルーク…ユーリとの対戦どうでした?」
「ふぇ?」
いきなりの話題にルークは間抜けた声を出してしまった。
ナタリアに睨まれてしまったが、出てしまったものはしょうがない…はずだ。
「どうって…あいつすっごく強いってのがわかった…アッシュが対戦しても…勝率五分五分じゃないかな?
俺が勝てたのは本当に奇跡に近いよ…まぁ、勝ってしまったおかげであんな変な通称つけられちゃったけどな…」
「『紅き鎧の姫』です?よく似合っていると思うんですが…ユーリも自分が王子と呼ばれることに不満はある見たいです。」
先ほどケーキと紅茶を運んでくれた青年が少なくなったエステルのカップに新しい紅茶を入れる。
エステルが小さくお礼を言うとルークにまた頬笑みかけた。
「俺は男だから姫じゃねぇのに…まぁ、あいつが王子って呼ばれるのは…俺は似合ってると思うけどな
カッコイイし…背も高いし…強くて優しいし…女子とかにすっげー人気ありそう…男の俺からみてそう思うから
やっぱりカッコイイんだと思う…あ、この話ユーリには内緒な」
こんな話ユーリに聞かれたら恥ずかしくて死んでしまいそうになる。
多分ユーリのことだからこの話を聞けばいろいろとめんどうなことになるのも分かっていた…
知り合ってまだ日は浅いはずなのに、何故ここまでわかるようになったかが不思議だ。
「ふふ…わかりました。私は彼にはお話しません…けど、私が話しなくても彼は知ってしまっていますよ」
「え????」
エステルの言っている意味が理解できないルークであったが、すぐにその意味を理解できた。
「へー…愛しい俺のお姫様にそんな風に思われてたとか…感激だな」
ケーキと紅茶を持ってきた青年の声には聞き覚えがあった…
おそるおそる青年の顔を見ると青年の顔は先日試合をした人物であった。
「な、ななななななっ…ユーリいいいいいいいいいいぃ!!!!!!!!!!!!!!」
「ようやく気がついたか…気がつくの遅いんだよ。まぁそのおかげでいいモノ聞けたけどな」
顔を真っ赤にさせたルークが立ちあがって反論をしようとしたとき、
膝がテーブルに当たってしまい自分の紅茶が自分の制服にかかってしまった。
「あちっ…あ、ご、ごめん…俺…」
「おいおい、大丈夫か?そんな照れなくても…」
少し呆れた声でルークの制服についた紅茶をユーリが拭こうとしたが、
ルークが恥ずかしがって拭かせてくれなかった。
「いいよ、家帰って洗濯すれb…」
「ダメですわ。今すぐ着替えないとシミになりますわよ」
「いや、でも…」
ここは自分の通う学校ではない。
自分の教室に行けばジャージなどに着替えることができるが、あいにく他校に着替えを持ってくる
ような性格ではない。むしろ普通は持ってこないが…
「じゃぁ、今すぐ洗濯すればいいんです。洗濯している間はユーリの服を借りればいいんです」
「そいつは名案だな…よし、まぁ行くか」
「え?ちょ、何するんだえぇえええええええええ!!!??」
そういうとユーリはルークを抱きかかえると素早い動きでお茶会の会場を後にした。
「こういうのって誘拐っていわないか?」
「本人の同意があればいわねぇよ」
「俺は同意してねぇ!!!!」
「そうだったか?」
ルークが連れてこられたのは学園内になる寮の一室。
表の表札にはユーリの名前だけがあったのでユーリの使用している部屋ということがわかる。
連れて来られてすぐにベッドに放りだされ、ユーリに服を脱がされかけたが
さすがのルークも身の危険を感じユーリの隙を見て備え付けられているシャワールームに逃げて汚れた制服を脱いだ。
汚れた制服はすぐさま学園内にあるクリーニング屋に出されて、すぐ出来上がるとのことだった…
次元がいろいろと違いすぎる学園である。
流石に下着一枚でいるのは嫌だったので、大人しくユーリの服を借りたが…
少し大きくて何故か不愉快な気持ちになってしまった。
「うぅ…やっぱり少しでかい…いいよ。いつか追いぬいてやるから」
「無駄なあがきはやめとけ。それより火傷とかはしてないか?」
よくよく考えてみれば、紅茶が身体にかかったのだから軽い火傷などしてても可笑しくはないが
先ほど制服を脱いだ時そのような怪我はなかったので多分大丈夫だろう…
「えっと…大丈夫だよ。…多分」
「多分…?信用できないな」
「へ?ちょ…!!!!」
腕を引っ張られいきなりベッドの上に転がされ上に乗られた。
抵抗しようにも手は頭の上でしっかりと握って固定され、足を動かそうにも自分の上に乗っているユーリの足が邪魔で
思うように動かすことができない。俗にいう絶対ピンチというやつだ。
「おい、ユーリ!!!何しやがる!!!」
「俺が隅々まで確認してやるよ…愛しい俺のお姫さま…」
「いらない…って!!!やめっ…!!!」
ルークが何か言いかけたが、ユーリはそれを無視してルークの耳にキスを落とし
そして頬、首筋…最後に唇にキスを落とそうとしてルークの異変に気がついた。
「っひく…いやだぁ…たすけて…あ…あっしゅ…あっしゅぅ…」
ルークが泣いていた。
涙を流すルークの姿をみてユーリの心は重くなっていった。
出会ったばかりであったが、この純粋な青年といると心が温まった。
自分の物にしてもっと彼を知りたい…という感情が芽生えた
そして、まずは彼の身体を自分の物にしたらいい…心なんてあとから付いて来させればいいと思っていた。
けど、彼の涙を見て心が冷たくなっていく…彼と居るだけで温かくなれると思っていたのに…
それだけではない、今ここで彼の身体を自分の物にしても心は付いてこないことがわかった。
彼の心の中には同じ姿をした弟が今一番占領している…
自分の物にするのならやはり身も心も自分の物にしたい…そう感じた。
ユーリはルークの唇にキスを落としかけていたが、
いつまでも止まることのないルークの涙にキスをした。
「馬鹿…泣くな…お前に泣かれると困るんだよ…」
「え?」
ルークの腕を抑えていた手を離し、ベッドに寝転んでいたルークの身体を起こし優しく抱きしめた。
「ユーリ…?」
「悪かった…お前があまりにも可愛いから…つい意地悪したくなった…ごめんな」
ルークは恥ずかしそうにユーリの胸へ顔をうずめた。
その様子に少し満足そうな顔をしてユーリはルークの頭を優しくなでた。
「ユーリの馬鹿…」
「仕方ないだろ?俺の作ったケーキをべた惚れするし、俺のこともほめるし…嬉しすぎるっての」
「え?あれユーリが作ったのか?」
「あぁ…何ならまだあるから持って帰るか?」
「まじ?ありがとうユーリ!!!」
さっきまで犯されそうになった相手なのに警戒心もなくルークはユーリに抱きついた。
単純なやつ…と思いながらも今はこの距離感が一番ベストだとユーリは思った。
「あ、一つ聞きたいことがあるんだが…」
「ん?何?」
ユーリから離れてにこにことユーリの質問を待った。
「お前とアッシュってどこまでの関係だ?」
笑顔だったルークの表情が変わった…
その表情でユーリはルークとアッシュとの関係がすぐに理解できたが
あえてルークの言葉を待った。
「アッシュとの関係…?そんなの双子の弟以外ないけど?」
ルークの変った表情はユーリの質問に理解ができていません。という表情だった。
普通の人なら嘘をついているかもしれないが、嘘を付くのが苦手なルークが
こんな表情をして言うのだから多分兄弟以上の関係はない。
一つ屋根の下で暮らしているのだからチャンスなどいくらでもあっただろうに…
関係がないということは、アッシュはそんな関係に興味がないのかただの奥手なのだろうか…
アッシュのルークに対する普段の態度などを考慮すると多分後者だと結論がでた。
「いや、ないのならいいんだ…あぁ…そうだ、お前に言っておきたいことがある」
「ん?何だ?」
ユーリの口元がにやりと笑い
その表情に少し嫌な予感がするルークだった…
「俺は近いうちにお前のこと惚れさせるから覚悟しておけよ」
最初は理解できていなかったルークだが、意味がわかったとたん顔を真っ赤にさせた。
「なななな、何言ってるんだ!!!変態ユーリ!!!」
「ん?言葉のままだが?愛してるぜ…愛しい俺のお姫様…いや、ルーク…」
ユーリがルークの唇にキスをするとルークの顔はますます赤くなった。
「な、何するんだよ!!!俺初めてなのに!!!俺のファーストキス返せ!!!!」
「何だ、初めてだったのか…だったらいいもん貰ったな」
「ユーリの馬鹿!!お前なんか大嫌いだああああああああ!!!!」
ユーリにぽかぽかと殴りかかろうとしたが、軽くかわされ、何故かベッドに引きずりこまれた。
「今は嫌いでいい…けど…いつかは…」
「お、お前のことなんて好きになんか…!!!」
「へいへい」
ベッドで暴れたせいかポニーテールにしていた髪が乱れていたので、
リボンをほどき毛先にキスを落としていると部屋のドアを叩く音がした。
ユーリが軽く返事をするとドアが開きそこには短髪で赤い髪をした見たことのない青年が立っていた。
「ユーリ、言われていた制服クリーニングが終わったから持ってきた…」
「おぉ、アスベルか…悪い助かった」
アスベルと呼ばれた青年からルークの制服を受け取ろうとしたが、
何故かアスベルが固まっていて制服を受け取ることができなかった。
不思議に思いアスベルが固まっている方向に振り向き、やっと理解ができた。
アスベルの視線の先に居たのは髪と服が少し乱れているルーク…
未遂には終わったが、行為のあとなどとアスベルは勘違いしているのだと思った。
「アスベル…何か間違えるようだけどな…」
「ゆ、ユーリ…君は…」
「ん?」
「男性寮に女性を連れ込んだりするとは…なんて破廉恥はことをしているんだ!!!!!!!!」
「誰が女だ誰があああああああああああああああああ!!!!」
ユーリはどこから説明すればいいか頭を悩ませた。
~アシュルク~
ユーリ特性のケーキをお土産にもらいルークは嬉しそうに自宅へと帰ってきた。
自宅の門の壁をみると、朝にガイを埋め込んだ壁の跡がまだ残っている…
明日ガイに謝ろうと思い自宅のドアを開けると、そこにはアッシュが待っていた。
「あ、アッシュ…そのただいま…あのさ、今朝はごめん…俺ひどいこと言って…心配してくれたのに…」
「いや、俺も言いすぎた…すまない…」
めずらしくアッシュが素直に謝ってきたのに驚きを隠せなかったが、
そんなアッシュが嬉しくて無意識に笑顔になった。
「あ、これお土産のケーキ!!ユーリが作ったケーキですっごく美味しい…」
「おい、屑…」
「え?何?」
腕を引っ張られアッシュの胸の中へ引きずり込まれた。
「目が少し赤くなって腫れてる…泣いたようだが…あの馬鹿王子に何かされたのか?」
流石アッシュ…よくルークのことを見ている。
しかし、本当のことをいうとユーリとアッシュの全面戦争が始まってしまうかもしれないので
本当のことなど言えなかった。
「え?あ…さっき目にゴミが入って…それで…」
自分が嘘を付くのは下手なことは知っている。
特にこの片割れには今まで嘘など通じたことなど一度もなかった。
アッシュの次の言葉にどきどきしながら待っていると、アッシュは小さいため息をついた。
「はぁ…お前がそういうのなら…それでいい…さっさと着替えてこい…紅茶入れて待っててやるから」
「いや、紅茶は今日はもう…」
「何か言ったか?」
紅茶のおかげで散々な目にあったのでできれば遠慮したかったが、
アッシュへの拒否権などルークに存在はしなかった。
「いいえ…じゃぁ着替えてくる」
アッシュにお土産のケーキを渡し、二階にある自分の部屋へと駆け足で走っていった。
ケーキを受け取ったアッシュだったが、ユーリ特性というだけで
今はこのケーキを叩きつぶしたくなったが、そんなことをするとルークに泣かれてしまうのが目に見えていた。
「ったく…ただでさえ敵が多いのに…無駄に敵増やしやがって…やっぱり行かせるんじゃなかったな…」
ルークのことが心配で待っている時間が長く感じられたが、
これから先とてもやっかいな強敵が現れたと思うと気分が重くなってしまった…。
とりあえず今はこれから始まる二人だけのティータイムを楽しもうと思った。
会場内に何度も響く鈍い音…
二人の青年は何度も竹刀を打ちお互いの隙を伺っている。
周りの人々はそれをただ見守るしかない。
『っく…何だよこいつ…めちゃくちゃつえーじゃねぇか…』
緑の瞳を持った青年はこんな試合に出るんじゃなかったと心から後悔し始めた。
何度打ちあっても互角であったため、一旦距離を置いた時、何故か相手の身体のバランスが崩れた。
緑の瞳をもった青年はすかさずバランスを崩した相手の胸元へと竹刀を振りかざした…。
二人の青年は何度も竹刀を打ちお互いの隙を伺っている。
周りの人々はそれをただ見守るしかない。
『っく…何だよこいつ…めちゃくちゃつえーじゃねぇか…』
緑の瞳を持った青年はこんな試合に出るんじゃなかったと心から後悔し始めた。
何度打ちあっても互角であったため、一旦距離を置いた時、何故か相手の身体のバランスが崩れた。
緑の瞳をもった青年はすかさずバランスを崩した相手の胸元へと竹刀を振りかざした…。
ある日の午後。
午前中はとても気持ちの良い青空が広がっていたが、
何かの前触れか午後からは雲行きが怪しくなってきたそんな日。
とある高等学校の廊下を
髪の長い青年がものすごく速いスピードで歩いていた。
廊下は走ってはいけません!!と風紀委員などに注意されるような速さだったが
走っているのではなく歩いている…歩いているのであれば誰も注意などできない。
いや、むしろ世界侵略を目論む魔王のような表情をした青年を
注意できる勇者はこの場所にはいなかった。
紅い髪をした青年は目的地である教室の前に到着すると、ドアが壊れるくらいの勢いでドアを開けた。
「おい!!屑はいるか!!!」
教室にいた生徒達はいきなりの来訪者に固まってしまい、訪問者の質問に答えられなかった。
「屑は居るかと聞いている…」
誰も返事を返さなかった為青年は鋭い目つきで教室のメンバーを睨んだ。
睨まれた瞬間皆ますます固くなり、自分達の教室にいる金髪の青年に助けを求めるように顔を向けた。
クラスメイトから助けを求められた金髪の青年は苦笑いをしながら来訪者に声をかけた。
「おいおいアッシュ…いきなり来てどうしたんだよ。来るならもう少し穏やかに尋ねてこいよな。」
教室にいた生徒達はうんうんと一同に首を縦に振った。
「俺はいつでも穏やかだ…。おい、ガイ…あの屑はどこにいきやがった…」
「はぁ…どこが穏やかなんだよ…」
「何か言ったか?」
「いいえ、何も…ルークなら飲み物買いに行ったぜ。そろそろ戻ってくるんじゃないのか?」
アッシュは舌打ちをするとガイの後の席…ルークの席に偉そうに座った。
「お前がルークを訪ねてくるなんて珍しいな。何かあったのか?」
「…………お前には関係ない。」
アッシュの態度に呆れていると、教室にアッシュによくにた髪の長い青年が入ってきた。
姿などはよく似ているが、髪の毛の色は少し違いオレンジ色の入った紅い髪をしていた。
「あれ?アッシュじゃん!!珍しいな俺の教室にいるなんて…あ、わかった!!一緒に帰ろうって誘いにきたんだな!!」
珍しい訪問者に顔を緩ませながら、ルークは自分の席に座っているアッシュに近づいた。
「屑が!!そんなわけないだろ!!」
怒りにみちた鋭い瞳でルークを睨みつける。
周りの生徒はその睨みに怖がってしまったが、生まれた時から一緒である双子の片割れの行動に慣れているのか
へらへらと笑いながらやっぱり?と返していた。
「じゃぁ何の用だ?」
ルークの質問にアッシュが答えるのに何故か重い空気がしばらく流れた…
アッシュの眉間には皺が増え答えるのに意を決しているように見えた。
そしてゆっくりとアッシュの口が動いた。
「お前に…頼みがある…」
「「は?」」
ガイとルークは間の抜けた声をだした。
あのプライドの高いアッシュが、世界で一番嫌いなルークに頼みごと!!??
その場にいた人間の心が一つにまとまった瞬間だった。
そしてガイがおそるおそる今の言葉を確認するようにアッシュに尋ねた。
「あ、アッシュ…お前が…ルークに頼みごと…?本気か?」
「あぁ…そうだ…この屑にしかできない頼みだ」
カンカラカン!!!!
アッシュとガイの足元に中身の入ったアルミ缶が転がり落ちた。
落としたのはルーク。
アッシュからの言葉に感動して買ってきたばかりの飲み物を落とした。
普段は兄と扱ってくれないアッシュから生まれて初めて頼みごとをされたら
感動するのも無理はない…
「お、俺…俺アッシュからの頼みなら何でも答える!!なんでもするから!!!」
アッシュの手をしっかりと握りしめ緑色の瞳をキラキラと輝かせた。
その反応に魔王はにやりと笑った。
それから数日後した晴れた日曜日。
学生達には楽しいはずの日曜日だったが、ここに約一名全く楽しい思いをしていない学生がいた。
その楽しんでいない学生は剣道の防具を見に着け、試合がこれから始まる会場の扉の前に立っていた。
「おい、屑…何してるんだ。さっさと中に入りやがれ」
会場の中から防具を見に着けたアッシュが会場の扉の前に立っているルークにげんこつを食らわせた。
「いてぇ…アッシュの馬鹿野郎…俺剣道の試合の助っ人だったらぜってー断ってるのに…騙しやがって…」
「誰もだましてなどいない。内容を聞く前に返事をしたお前が悪い。
いい加減に腹くくりやがれ…それでもヴァンから剣を教わった弟子のセリフか?」
ルークは何も言い返せなかった。
確かに頼みごとの内容を聞かずに引き受けた自分が悪い…
しかし、何だかだまされたような気分になるのは自分だけなのだろうか…
「ってか試合前にナタリアの特性スープなんて部員に飲ませるなよ…」
「五月蠅い…俺が居ない時に飲んだ部員に文句言いやがれ…」
アッシュは剣道部の主将をしていた。
ことの発端はアッシュがルークに頼みごとをしてきた日の午前中にまでさかのぼる。
大事な練習試合が控えたその日。
剣道部員達は熱心に稽古をしていた時、アッシュの幼馴染であるナタリアが特性スープを持ってきた。
部員達は喜んでナタリア特性スープを飲み、そのまま腹を壊した…
その場にアッシュが居れば止めれたのだが、運悪く席をはずしていて止めることができなかった…
生き残った部員は数名しか居ず、全員を集めても試合の規定人数に足らなかったためルークの元へ足を運んだという話だ。
「ってか何で俺なんだよ…別に練習試合ならガイでもいいじゃん…」
膨れた顔をしたルークが諦めたように会場に足を運びながらアッシュを睨みつけた。
睨みつけられたアッシュだったが、ルークに睨まれても何も感じることはなく平然とルークの質問に答えた。
「ガイじゃあいつの相手は無理だ…あの二人に勝つにはお前でないとな…」
「あの二人?」
アッシュが睨みつける(いや普段から睨みつけているが)方を見ると、
黒い髪の青年とガイとは違う色をした金髪の青年が何やら話をしていた。
ルークが顔を知らないということは多分対戦学校の選手なのだろう…
「金髪の奴が、セイント・ヴェスペリア学園剣道部主将フレン・シーフォ…通称『純白の聖騎士』
そして黒い髪の奴が剣道部エースユーリ・ローウェル…通称『漆黒の王子』だ」
「へー…そういえばアッシュにもなんか通称ついてたよな?えっと、確か『深紅の…」
「余計なことを思い出そうとするんじゃねぇ!!!」
ルークが思い出そうとしているところにアッシュが鉄拳を食らわせた。
「いってぇ~!!!何だよ!!アッシュの馬鹿!!ハゲ!!!」
「誰がハゲだ!!いいから黙ってついてきやがれ!!!」
怒りながらアッシュは部員達の待つところへと足を向けた。
そのあとをルークがしぶしぶついていこうとしたが
誰かに見られている気配を感じて振りかえってみるとユーリと目が合ってしまった。
何も返さないのは悪いと思い頭を少し下げ、アッシュの元へと走って行った。
「ユーリ…何を見ているんだ?」
「いや…何か見たことのないやつが居たから…向こうの主将さんに顔が似てたが…弟か?」
「さぁ…?ほら、皆が待っている。いくよ」
「へいへい」
フレンに呼ばれユーリは他の部員達の元へと歩いて行った。
午前中はとても気持ちの良い青空が広がっていたが、
何かの前触れか午後からは雲行きが怪しくなってきたそんな日。
とある高等学校の廊下を
髪の長い青年がものすごく速いスピードで歩いていた。
廊下は走ってはいけません!!と風紀委員などに注意されるような速さだったが
走っているのではなく歩いている…歩いているのであれば誰も注意などできない。
いや、むしろ世界侵略を目論む魔王のような表情をした青年を
注意できる勇者はこの場所にはいなかった。
紅い髪をした青年は目的地である教室の前に到着すると、ドアが壊れるくらいの勢いでドアを開けた。
「おい!!屑はいるか!!!」
教室にいた生徒達はいきなりの来訪者に固まってしまい、訪問者の質問に答えられなかった。
「屑は居るかと聞いている…」
誰も返事を返さなかった為青年は鋭い目つきで教室のメンバーを睨んだ。
睨まれた瞬間皆ますます固くなり、自分達の教室にいる金髪の青年に助けを求めるように顔を向けた。
クラスメイトから助けを求められた金髪の青年は苦笑いをしながら来訪者に声をかけた。
「おいおいアッシュ…いきなり来てどうしたんだよ。来るならもう少し穏やかに尋ねてこいよな。」
教室にいた生徒達はうんうんと一同に首を縦に振った。
「俺はいつでも穏やかだ…。おい、ガイ…あの屑はどこにいきやがった…」
「はぁ…どこが穏やかなんだよ…」
「何か言ったか?」
「いいえ、何も…ルークなら飲み物買いに行ったぜ。そろそろ戻ってくるんじゃないのか?」
アッシュは舌打ちをするとガイの後の席…ルークの席に偉そうに座った。
「お前がルークを訪ねてくるなんて珍しいな。何かあったのか?」
「…………お前には関係ない。」
アッシュの態度に呆れていると、教室にアッシュによくにた髪の長い青年が入ってきた。
姿などはよく似ているが、髪の毛の色は少し違いオレンジ色の入った紅い髪をしていた。
「あれ?アッシュじゃん!!珍しいな俺の教室にいるなんて…あ、わかった!!一緒に帰ろうって誘いにきたんだな!!」
珍しい訪問者に顔を緩ませながら、ルークは自分の席に座っているアッシュに近づいた。
「屑が!!そんなわけないだろ!!」
怒りにみちた鋭い瞳でルークを睨みつける。
周りの生徒はその睨みに怖がってしまったが、生まれた時から一緒である双子の片割れの行動に慣れているのか
へらへらと笑いながらやっぱり?と返していた。
「じゃぁ何の用だ?」
ルークの質問にアッシュが答えるのに何故か重い空気がしばらく流れた…
アッシュの眉間には皺が増え答えるのに意を決しているように見えた。
そしてゆっくりとアッシュの口が動いた。
「お前に…頼みがある…」
「「は?」」
ガイとルークは間の抜けた声をだした。
あのプライドの高いアッシュが、世界で一番嫌いなルークに頼みごと!!??
その場にいた人間の心が一つにまとまった瞬間だった。
そしてガイがおそるおそる今の言葉を確認するようにアッシュに尋ねた。
「あ、アッシュ…お前が…ルークに頼みごと…?本気か?」
「あぁ…そうだ…この屑にしかできない頼みだ」
カンカラカン!!!!
アッシュとガイの足元に中身の入ったアルミ缶が転がり落ちた。
落としたのはルーク。
アッシュからの言葉に感動して買ってきたばかりの飲み物を落とした。
普段は兄と扱ってくれないアッシュから生まれて初めて頼みごとをされたら
感動するのも無理はない…
「お、俺…俺アッシュからの頼みなら何でも答える!!なんでもするから!!!」
アッシュの手をしっかりと握りしめ緑色の瞳をキラキラと輝かせた。
その反応に魔王はにやりと笑った。
それから数日後した晴れた日曜日。
学生達には楽しいはずの日曜日だったが、ここに約一名全く楽しい思いをしていない学生がいた。
その楽しんでいない学生は剣道の防具を見に着け、試合がこれから始まる会場の扉の前に立っていた。
「おい、屑…何してるんだ。さっさと中に入りやがれ」
会場の中から防具を見に着けたアッシュが会場の扉の前に立っているルークにげんこつを食らわせた。
「いてぇ…アッシュの馬鹿野郎…俺剣道の試合の助っ人だったらぜってー断ってるのに…騙しやがって…」
「誰もだましてなどいない。内容を聞く前に返事をしたお前が悪い。
いい加減に腹くくりやがれ…それでもヴァンから剣を教わった弟子のセリフか?」
ルークは何も言い返せなかった。
確かに頼みごとの内容を聞かずに引き受けた自分が悪い…
しかし、何だかだまされたような気分になるのは自分だけなのだろうか…
「ってか試合前にナタリアの特性スープなんて部員に飲ませるなよ…」
「五月蠅い…俺が居ない時に飲んだ部員に文句言いやがれ…」
アッシュは剣道部の主将をしていた。
ことの発端はアッシュがルークに頼みごとをしてきた日の午前中にまでさかのぼる。
大事な練習試合が控えたその日。
剣道部員達は熱心に稽古をしていた時、アッシュの幼馴染であるナタリアが特性スープを持ってきた。
部員達は喜んでナタリア特性スープを飲み、そのまま腹を壊した…
その場にアッシュが居れば止めれたのだが、運悪く席をはずしていて止めることができなかった…
生き残った部員は数名しか居ず、全員を集めても試合の規定人数に足らなかったためルークの元へ足を運んだという話だ。
「ってか何で俺なんだよ…別に練習試合ならガイでもいいじゃん…」
膨れた顔をしたルークが諦めたように会場に足を運びながらアッシュを睨みつけた。
睨みつけられたアッシュだったが、ルークに睨まれても何も感じることはなく平然とルークの質問に答えた。
「ガイじゃあいつの相手は無理だ…あの二人に勝つにはお前でないとな…」
「あの二人?」
アッシュが睨みつける(いや普段から睨みつけているが)方を見ると、
黒い髪の青年とガイとは違う色をした金髪の青年が何やら話をしていた。
ルークが顔を知らないということは多分対戦学校の選手なのだろう…
「金髪の奴が、セイント・ヴェスペリア学園剣道部主将フレン・シーフォ…通称『純白の聖騎士』
そして黒い髪の奴が剣道部エースユーリ・ローウェル…通称『漆黒の王子』だ」
「へー…そういえばアッシュにもなんか通称ついてたよな?えっと、確か『深紅の…」
「余計なことを思い出そうとするんじゃねぇ!!!」
ルークが思い出そうとしているところにアッシュが鉄拳を食らわせた。
「いってぇ~!!!何だよ!!アッシュの馬鹿!!ハゲ!!!」
「誰がハゲだ!!いいから黙ってついてきやがれ!!!」
怒りながらアッシュは部員達の待つところへと足を向けた。
そのあとをルークがしぶしぶついていこうとしたが
誰かに見られている気配を感じて振りかえってみるとユーリと目が合ってしまった。
何も返さないのは悪いと思い頭を少し下げ、アッシュの元へと走って行った。
「ユーリ…何を見ているんだ?」
「いや…何か見たことのないやつが居たから…向こうの主将さんに顔が似てたが…弟か?」
「さぁ…?ほら、皆が待っている。いくよ」
「へいへい」
フレンに呼ばれユーリは他の部員達の元へと歩いて行った。
「一本!!!!」
会場内に審判の声が響き渡った。
バランスを崩した試合相手の隙を付き、ルークは一本を取った。
「え?あ…え?俺…勝てたのか…?『漆黒の王子』に…」
ルークの対戦相手は『漆黒の王子』と呼ばれたユーリ・ローウェルだった。
ある程度剣の腕には自信があったルークだったが、ユーリを目の前にして感じた…
ユーリの強さを…
アッシュが何故自分を試合に連れだしたかがその場でやっと理解できた。
自分より強いアッシュですら勝てるかはわからない…そんな相手は師匠であるヴァンしかいないと思っていた…
けど、自分と近い年齢でこんな人が居るなんて…世界は広いとルークは関心してしまった。
確かに強い相手だったが、勝つしかなかった。
自分の試合の結果で今日の練習試合の勝者が決まる…そんな状況に追い込まれていた。
それだけではない、ルークの強さを信じて試合に連れだしたアッシュの期待にこたえる為にも勝つしか…
そんな意気込んで臨んだ試合。
必死になって勝てた試合だからこそ、嬉しさもかなりのもので
試合中にも関わらずルークは小さくガッツポーズを取った。
試合後のあいさつが終わると部員達が本日の英雄…ルークの元へ集まりだした。
「ルークよくやったな!!まさか勝てるとは思ってなかったぞ!!」
「すごかったですわ!!私感動しました!!」
「っふ…危なっかしいところはあったが…よくやった方じゃないか…?」
珍しくアッシュもほめてくれてルークは顔が緩んだ。
そこへ、二人の青年がルークに声をかけた。
振りかえってみると、そこにはユーリとフレンが立っていた。
「よぅ、俺から一本取るなんてなかなかやるな…俺はユーリ・ローウェルだ。お前名前は?」
「ルーク…ルーク・フォン・ファブレだ。」
ユーリから握手を求められ、笑顔で握手をした。
そこへユーリの後にいたフレンが笑顔で話しかけてきた。
「アッシュと同じ性だね。弟さん?」
「………アッシュが弟だ。俺が双子の兄だ…」
今まで何度も間違えられた…アッシュが兄だと…
経験するたびに苦い気持ちになっていまう…が毎回訂正をする。
気まずそうな顔をしたルークを見てユーリがにやにやと笑い出した。
「何だお前が兄か。そうだ、よかったらメルアド交換しないか?」
「え?あー…いいよ。えっと俺のアドレスは…」
ユーリに自分のアドレスを教えている時、その後で怒りに満ちた魔王が降臨していることに
ルークは気がついていなかった…
いつもは明るいルークだったが、この日は珍しく重い空気を周りに飛ばしていた。
登校してきたガイが心配そうに話しかけてきた。
「お、おい…ルークどうしたんだ?腹でも壊したか?」
ガイからの質問にルークは首を振った。
何故落ち込んでいるかわからず隣にいたアッシュの見ると、何も言わずに一枚の紙をガイへ渡した。
ガイが受け取ったのは今朝発行された学校新聞だった。
「え~…何々?お、昨日の試合の結果…んんっ!?」
新聞の一面は先日行われた試合の結果だったが、見出しが少し変っていた。
「【『漆黒の王子』、『深紅の魔王』から『紅き鎧の姫』奪還ならず】…って姫って誰だ?」
「内容をよく読みやがれ屑が」
アッシュに言われ、新聞の内容を読み始めた。
「えっと…【先日当校で行われた、セイント・ヴェスペリア学園との練習試合。苦戦しながらも我が校の勝利。
その勝利に導いたのは剣道部主将アッシュ・フォン・ファブレの双子の兄であるルーク・フォン・ファブレだ。
その可憐で美しい姿に心奪われた生徒数知れず。まさに『紅き鎧の姫』と呼ぶべきであろう。
試合相手は『漆黒の王子』と『純白の聖騎士』。その試合風景は『深紅の魔王』から囚われ、操られている
『紅き鎧の姫』を奪還するかの様であった。今後我が新聞部はこの奪還模様を追って行く意向である】
『紅き鎧の姫って…お前のことかルーク!!!!」
凹んで机にへばり付いていたルークが顔を起こして怒りをあらわにした。
「そうみたい…誰が姫だ誰が!!俺は男だってば!!!!」
「っは…お前はまだいい…前から思っていたが俺の何処が魔王だ!!!」
「お前はいつもしかめっ面してるからだろうが!!魔王って言われて当然だ!!!」
「何だとこの屑!!!」
「おいおい!!ちょっと待て落ち着け二人とも!!」
ルークに殴りかかろうとしたアッシュだったが、ガイに必死に抑えられ殴り合いは未遂に終わったが、
口げんかはガイが止めることができなかった。
二人が喧嘩しているところへ見知らぬ生徒が教室へと入ってきた。
「よぅ、ルーク…元気にしてるか?暇なら学校サボってどっか上手いケーキとか食いにいかないか?」
教室に入ってきたのは『漆黒の王子』…ユーリだった。
何故他校の生徒がルークの教室へ堂々と来れたのかが謎だ。
「なっ…ユーリ何でここにいるんだ!!お前他校の生徒だろ!!ってか、俺はお前のせいで変なあだ名つけられて
迷惑してるんだ!!誰がお前なんかと遊びに行くもんか!!!」
「あぁ…『紅き鎧の姫』だったか?別に似合ってるから問題ないだろ。むしろ王子と姫ならちゃんとそれらしく
デートしないとな…なぁ、愛しの『紅き鎧の姫』…」
ユーリはルークの伸びた紅い髪に軽くキスを落とした。
その行動に女性からは黄色い悲鳴があがり、『紅き鎧の姫』はその名のごとく顔を真っ赤にさせた。
そしてもちろん…『深紅の魔王』も降臨した。
「お、お前なんか大っきらいだああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ルークの叫びが校内に響き渡った。
その時ホームルームが始まるチャイムが同時に鳴り響いた…
そう、それはまるでルークの平凡な学生生活が終わりを告げる鐘のように鳴り響いた…。
会場内に審判の声が響き渡った。
バランスを崩した試合相手の隙を付き、ルークは一本を取った。
「え?あ…え?俺…勝てたのか…?『漆黒の王子』に…」
ルークの対戦相手は『漆黒の王子』と呼ばれたユーリ・ローウェルだった。
ある程度剣の腕には自信があったルークだったが、ユーリを目の前にして感じた…
ユーリの強さを…
アッシュが何故自分を試合に連れだしたかがその場でやっと理解できた。
自分より強いアッシュですら勝てるかはわからない…そんな相手は師匠であるヴァンしかいないと思っていた…
けど、自分と近い年齢でこんな人が居るなんて…世界は広いとルークは関心してしまった。
確かに強い相手だったが、勝つしかなかった。
自分の試合の結果で今日の練習試合の勝者が決まる…そんな状況に追い込まれていた。
それだけではない、ルークの強さを信じて試合に連れだしたアッシュの期待にこたえる為にも勝つしか…
そんな意気込んで臨んだ試合。
必死になって勝てた試合だからこそ、嬉しさもかなりのもので
試合中にも関わらずルークは小さくガッツポーズを取った。
試合後のあいさつが終わると部員達が本日の英雄…ルークの元へ集まりだした。
「ルークよくやったな!!まさか勝てるとは思ってなかったぞ!!」
「すごかったですわ!!私感動しました!!」
「っふ…危なっかしいところはあったが…よくやった方じゃないか…?」
珍しくアッシュもほめてくれてルークは顔が緩んだ。
そこへ、二人の青年がルークに声をかけた。
振りかえってみると、そこにはユーリとフレンが立っていた。
「よぅ、俺から一本取るなんてなかなかやるな…俺はユーリ・ローウェルだ。お前名前は?」
「ルーク…ルーク・フォン・ファブレだ。」
ユーリから握手を求められ、笑顔で握手をした。
そこへユーリの後にいたフレンが笑顔で話しかけてきた。
「アッシュと同じ性だね。弟さん?」
「………アッシュが弟だ。俺が双子の兄だ…」
今まで何度も間違えられた…アッシュが兄だと…
経験するたびに苦い気持ちになっていまう…が毎回訂正をする。
気まずそうな顔をしたルークを見てユーリがにやにやと笑い出した。
「何だお前が兄か。そうだ、よかったらメルアド交換しないか?」
「え?あー…いいよ。えっと俺のアドレスは…」
ユーリに自分のアドレスを教えている時、その後で怒りに満ちた魔王が降臨していることに
ルークは気がついていなかった…
いつもは明るいルークだったが、この日は珍しく重い空気を周りに飛ばしていた。
登校してきたガイが心配そうに話しかけてきた。
「お、おい…ルークどうしたんだ?腹でも壊したか?」
ガイからの質問にルークは首を振った。
何故落ち込んでいるかわからず隣にいたアッシュの見ると、何も言わずに一枚の紙をガイへ渡した。
ガイが受け取ったのは今朝発行された学校新聞だった。
「え~…何々?お、昨日の試合の結果…んんっ!?」
新聞の一面は先日行われた試合の結果だったが、見出しが少し変っていた。
「【『漆黒の王子』、『深紅の魔王』から『紅き鎧の姫』奪還ならず】…って姫って誰だ?」
「内容をよく読みやがれ屑が」
アッシュに言われ、新聞の内容を読み始めた。
「えっと…【先日当校で行われた、セイント・ヴェスペリア学園との練習試合。苦戦しながらも我が校の勝利。
その勝利に導いたのは剣道部主将アッシュ・フォン・ファブレの双子の兄であるルーク・フォン・ファブレだ。
その可憐で美しい姿に心奪われた生徒数知れず。まさに『紅き鎧の姫』と呼ぶべきであろう。
試合相手は『漆黒の王子』と『純白の聖騎士』。その試合風景は『深紅の魔王』から囚われ、操られている
『紅き鎧の姫』を奪還するかの様であった。今後我が新聞部はこの奪還模様を追って行く意向である】
『紅き鎧の姫って…お前のことかルーク!!!!」
凹んで机にへばり付いていたルークが顔を起こして怒りをあらわにした。
「そうみたい…誰が姫だ誰が!!俺は男だってば!!!!」
「っは…お前はまだいい…前から思っていたが俺の何処が魔王だ!!!」
「お前はいつもしかめっ面してるからだろうが!!魔王って言われて当然だ!!!」
「何だとこの屑!!!」
「おいおい!!ちょっと待て落ち着け二人とも!!」
ルークに殴りかかろうとしたアッシュだったが、ガイに必死に抑えられ殴り合いは未遂に終わったが、
口げんかはガイが止めることができなかった。
二人が喧嘩しているところへ見知らぬ生徒が教室へと入ってきた。
「よぅ、ルーク…元気にしてるか?暇なら学校サボってどっか上手いケーキとか食いにいかないか?」
教室に入ってきたのは『漆黒の王子』…ユーリだった。
何故他校の生徒がルークの教室へ堂々と来れたのかが謎だ。
「なっ…ユーリ何でここにいるんだ!!お前他校の生徒だろ!!ってか、俺はお前のせいで変なあだ名つけられて
迷惑してるんだ!!誰がお前なんかと遊びに行くもんか!!!」
「あぁ…『紅き鎧の姫』だったか?別に似合ってるから問題ないだろ。むしろ王子と姫ならちゃんとそれらしく
デートしないとな…なぁ、愛しの『紅き鎧の姫』…」
ユーリはルークの伸びた紅い髪に軽くキスを落とした。
その行動に女性からは黄色い悲鳴があがり、『紅き鎧の姫』はその名のごとく顔を真っ赤にさせた。
そしてもちろん…『深紅の魔王』も降臨した。
「お、お前なんか大っきらいだああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ルークの叫びが校内に響き渡った。
その時ホームルームが始まるチャイムが同時に鳴り響いた…
そう、それはまるでルークの平凡な学生生活が終わりを告げる鐘のように鳴り響いた…。
