旭屋本舗
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ユーリ、エステルそしてルーク(と2匹の動物)が帝都を出て最初に辿りついたのは
デイドン砦
少し準備の為に立ち寄った店で必要なものを見ていると
さっきまで商品をみていたルークがユーリの傍に近づいてきた。
「ゆ~り~♪」
「ん?」
ルークの手には真新しい本…無駄に豪華な本があり、
何故か目を輝かせながらユーリを見つめてくる。
そして手に持っている本を持ちながら両手を合わせて首をかしげ
満面の笑顔をユーリに向けた。
「世界でいちばーんカッコイイユーリ様っ♪
ルークのお願いき・い・て♪」
「……………は?」
いきなりのルークの発言にユーリは固まってしまった…
固まってしまったユーリを見てルークはあれ?っと呟き顔を元に戻した。
「おかしいなぁ…こうやれば大抵の男はお願い聞いてくれるって
アニスが言ってたのに…ユーリって本当は女なのか?」
「………誰が女だ誰が…そもそもアニスって誰だ…お前なんつーもん
教わってるんだ…………お願いって何だよ…」
硬直していたユーリが少し歯切れを悪くしながらもルークのお願いを一応聞いてみた、
手にしているものを見たら予想はだいたいついていたが…念のため。
「ん?アニスは俺の友達。これ、この本買って♪」
「……ダ、ダメだ。資金がねぇのにそんな無駄遣いできるか…だいたい何に使うんだ?
本で魔物を殴るのか?」
「いやぁ…日記つけたくて…」
「日記?」
ルークは少し恥ずかしそうに下を向き少し寂しそうな表情で口を動かした。
「俺ちょっと事情があって…昔医者に日記を書くように言われたんだ…
本当はもう日記つけなくてもいいんだけど…その癖が今もついて…だから…」
医者に日記を強要される原因…どんな病気かがユーリには想像がつかなかった。
その部分を言わないということはルークにとってあまり聞かれたくないこと…
それを無理に聞きだすのはユーリの美学に反していたので聞かないことにした。
「……わかったよ…けど、それはダメだ。店のやつに頼んで本貰ってやるから、
今はエステルと一緒に待ってろ」
下を向いていたルークはユーリの言葉に目を輝かせて喜びを表した。
そして持っていた本を元の場所に戻すとエステルの待つところへ走っていく。
ルークが走って見えなくなったのを確認するとユーリはその場に倒れこんだ。
「な、なな…何なんだ今のあいつ…めちゃくちゃかわっ…いや、あいつは男だ…
男に何を言い出すんだ俺はっ…俺はそんな趣味ねぇ…」
顔を真っ赤にさせたユーリがぶつぶつと呟きながら自分を落ち着かせている様子は
普段の彼からは想像ができない…案外ルークのおねだりは効果があったようだが…
ルークがその事実知をることはこの先なかった…
朱の明星~
「ユーリ、ルーク!!あの門をくぐればハルルの街はすぐそこです!!」
「おぉ~!!ほら、ユーリ!!早く早く!!」
「へいへい…」
外に出るのが初めてなのか、とても嬉しそうにはしゃぐエステル…
そして、自称21歳…けどその行動からどうしても歳下にしか見えないルーク…
この二人を連れて旅をしていると何故か保護者の気分になってしまうユーリだった。
あながち間違えてはない。
この旅が終わるころ…自分は【立派な保育士】…という称号を得ていないか
心配でたまらなかった。
そんな無駄な悩みを抱えながら歩いて行くユーリを余所に、
エステルとルークは目を輝かせながら門へと走っていく…が…
カンカンカンカン!!!!
「魔物だ!!!魔物が襲ってくるぞ!!!」
魔物が砦をおそってきているらしく、外に居た人々が慌てて門の中へと
逃げ込んで行く…しかし、逃げ遅れた人々が門の外へと取り残されかけていた…
それを見たルークとエステルは一目散にその人達のところへとかけていった…
ユーリが止めるのも聞かずに。
「エステル!!怪我をして歩けない人の手当を!!」
「はい!!」
エステルは足を怪我して動けなくなっていた人の傷を癒し始める。
ルークはその間に時間稼ぎをするため魔物達に剣を向けた。
「俺が相手だ!!!」
魔物の一匹がルークに襲いかかる…
すばやく魔物の攻撃を防御し、一度攻撃の手を休めた魔物に切りかかった。
「これでどうだ!!閃光墜刃牙!!!」
敵を敵を回転の衝撃で斬り上げ、留めの一撃として鋭い突きを付きつける…
魔物は倒れてしまい動かなくなる…次の魔物を相手にしようとしたが…
「あ…え?ちょ…剣が折れたっ!!!な、何でだよ!!!」
魔物を倒した瞬間何故か剣が見事に折れてしまった…
たしかにこの剣は下町を出るときにもらったお古だが…
そんな簡単に折れるような剣ではなかったはずだ…
だが現実は現実…ルークはあとでユーリに武器を買ってもらうことにした。
武器を再び失くしたルークは辺りに武器になるものを探し始めた。
けど今度はミュウは傍には居ず武器(?)になるものは
何一つない…ルークは覚悟を決めて襲ってくる別の魔物を睨みつけた。
「うおおおおおおおおおっ!!!これでもくらえええええええええええ!!!!」
ルークの秘奥義【レディアント・ハウル】が発動した。
まともに食らった数匹は跡かたもなく消えていた。
だが、襲いかかる魔物はまだまだいる…剣のないルークにこれ以上戦うことはできなかった。
「おい、ルーク!!走るぞ!!」
後からユーリの声が聞こえた。
振り向くとユーリは小さな子供を抱えて門へと走り出していた。
「やべっ…!!門が閉まるっ!!!」
ルークは全速力で門へと走りだす…しかし、門は閉まる速さを変えずに進んでいく…
そして…門が閉まった。
恐ろして見ていられなかったエステルは両手で顔を隠していた。
恐る恐る手を離し見てみると…そこにはルークとユーリそして子供の姿があった。
「よかった…」
見ていた周りの人々から歓声の声があふれだす。
目立たないようにしていた3人(と2匹)だったが、めちゃくちゃ目立っている…
「平野の主が過ぎるまでは…ここは通せません」
声の方を見ると兵士に突っかかっている二人組の人間が居た。
武器を所持しているので戦えるのだろう…殺気も沸いている。
「平野の主?なるほど…当分ここを通ることはできないことか…」
「えっ!?そんな…ここを通らないとハルルへはいけないのに…
私他に道がないか聞いてきますっ…!!!」
「お、俺も聞いてくる!!」
エステルとルークは別々の方角へ行き人に他の道がないか尋ね始めた。
「ったく…あいつら…行動がそっくりだな…」
「ふふっ…お急ぎのようね…」
ユーリに声をかけてきたのは眼鏡をかけた女性だった…
ルークはいろんな人にハルルへの道を尋ねたが、他に道を知る人はいなかった…
エステルの話を聞けばフレンが危ない…ということだ…
人の命がかかっている…急がなくてはいけないのに…ルークの中には焦る気持ちがいっぱいだ。
ふと、ユーリを見てみると何やら見知らぬ女性と話をしている。
「へ~…眼鏡の女性ってネフリーさんみたいだな…」
「ご主人様…寂しいですの?みなさんに会いたいですの?」
今まで何処にいたのかミュウが道具袋の中から顔を出して心配そうに見つめてきた。
ルークは小さく笑い心配性のミュウの頭を撫でる。
「寂しくないって言ったらウソだけど…今はこんな旅ができて嬉しいよ…」
ユーリのことは少し気になったが、再び情報収集へ戻ろうとした…が。
振り向いた時誰かにぶつかってしまった。
「いててて…あ、すみません…」
見上げるとぶつかってきたのは先ほど兵士相手に突っかかっていた二人だ。
「お前…なかなか腕があるな…先ほどの技見事だったぞ…」
「え?あ…はぁ…けど俺よりアッシュのg…「当たり前ですの!!ご主人さまは強いんですの!!」
再び話の間に入ってきたミュウの耳をひっぱりお仕置きを開始する。
初対面である人間の前でやることではないだろうに…
「どうだ?我達のギルド…【魔狩りの剣】に入らないか?」
「え?ぎ、ギルド…?」
「お前ならすぐ幹部にまでいけるぜ~」
「へ?え?か、幹部????」
この二人が何を話しているのか全くわからなかった…
そもそも【ギルド】の意味がわからない。
オールドラントにはギルドというものが存在していなかったのだから仕方がない。
ルークが二人の勧誘に困り果てていると後から手が伸びてきてルークを引っ張った。
「悪いけど…こいつ俺のツレなんで…変な勧誘は止めて貰えませんかね?」
「え?えぇ!?ゆ、ユーリ!?」
ルークを引っ張ったのはさっきまで別のところにいたユーリだった。
しかも何故か少し不機嫌…な気がする。
「な…テメェ…」
「よせ…少年…考えておいてくれ…今度会った時返事を聞かせてもらう…」
そういうと二人はどこかへと姿を消していった…
二人がどこかへいくとの見送るとユーリはルークの手首を掴み歩き出した。
行き先は多分エステルの方だ…ユーリの目線の先にはエステルがいたからだ。
「ゆ、ユーリ何怒ってるんだ?」
「別に?怒ってなんかねぇぞ…」
嘘だ…と小さく呟くがユーリには聞こえてなかったのか何も返事が帰ってこない…
いや、聞こえていたがあえて返事をしなかっただけかもしれない。
「あいつら…何だったんだ?あ、あれがアニスの言ってたナンパってやつか?」
「そのアニスってやつが何を教えたかはしらねぇけど…そんな感じだ(多分」
「あれ?けど、普通ナンパは男が女にするんだよな?え?もしかして俺女と間違えられたのか?」
「…………そうなんじゃねぇのか?(棒読み」
何故か少し冷たい態度を取るユーリはそのままズカズカと歩いていき、エステルの前に辿りついた。
どうやらユーリが抜け道を見つけたらしく、そのままその抜け道へと行くことになったが、
エステルの目線がルークとユーリの一部をじっと見つめている。
エステルの目線を追ってみるとそこにはルークの手首を掴んだユーリの手だった。
「ち、違うぞエステル!!これはこいつがさっき変な男に絡まれてて…その時助けて…」
「え?、ルーク…ナンパというのにあったのです?大丈夫でした?」
「あ?いや、まて…ナンパじゃなくて勧誘だって…」
「やっぱりあれが噂のナンパなのか…エステル…俺女に見える?」
「おーい、お前もナンパって確定するなー。その腹筋みて女に間違えられるわけねぇだろ」
「いいえ。ルークは立派な男性です…でも…ルークは可愛いです。」
「えぇ!?」
「はぁ…もういい…お前ら好きにしろ…」
ツッコミどころが多すぎて対処しきれなくなったユーリさん…諦めたようです。
しかし、ここで諦めずにルーク達の誤解を解けばのちのち面倒なことにはならなかったと後で後悔する…。
「お、俺…男らしくなる!!!二度とナンパ何かには合わないように!!」
「ルークがんばです!!」
「ご主人さまファイトですの!!」
「おーい…お前ら…さっさといくぞ…」
この二人のボケボケ会話についていくのが面倒になったユーリは先を急ごうと二人を催促した。
しかし、ルークはすごく重要なことを思い出した。
「あ、ユーリ…ごめん…お願いがるんだけど…」
「…今度は何だ…?」
「剣折れたから…買って♪」
折れた剣を見せて可愛らしく首を横に折っておねだりするが、
いろいろと溜まっていたユーリに蒼破刃という名のお仕置きをされた。
ここはクオイの森…
入った者には呪いが降りかかるという…曰くつきの森。
ユーリは呪いなど信じてはいない…むしろ今目の前にいるこのボケボケコンビの相手をする方が
呪いより恐ろしいものだった。
「ざ、ザコガッ!!近寄ンジャネェ!!!」
「ご主人さまかっこいいですの♪」
「流石ルークです。魔物が一撃で倒れました♪」
「やっぱ男らしくするなら…アッシュのいう台詞だな♪」
「はぁ~……」
エステルに「可愛い」と言われたのが相当ショックだったのか、
男らしくなると宣言してからというもの戦闘後に誰かを真似した台詞を言うようになった。
ぶちゃけ言えば…似合っていない。
あんな目をキラキラ輝かせたヒヨコ頭が、あんなぶっきらぼうな台詞を言っても効果はない…
むしろ少年が大人に憧れるような感覚…背伸びをしているようにしか見えず男らしくない。
ちなみにエステルが魔物を倒す度に褒めているが…
それはルークがほとんどの魔物を一撃で倒しているからであって、
決して台詞がカッコイイという意味ではない。
だが、ルークは台詞がカッコイイと勘違いしているらしく…
ルークとエステルの間に正しい会話が成立していなかった。
こんな二人に挟まれ頭が痛くなるのは当たり前…
まともに会話できるのが現在ラピードのみだが…いくら相方といっても犬だ。
普通に会話できる人間がそろそろ欲しい時期にきていた。
余談だが、唯一の救いの星であるラピードはルークに少しずつ懐いてきている為
ラピードがあちら側へ行ってしまうのも時間の問題だ。
(ミュウとは会話が成立できるとは端から思っていない)
しかしそろそろあの片言の台詞も聞き飽きた為止めたいが
それを止めるには根本的な原因…先ほどのギルド勧誘をナンパと思いこんでしまった事件の誤解を
解かなければいけない…ぶっちゃけ言えばめんどくさい。
けど、あの台詞もやめてほしい…最初の頃の台詞の方がユーリ的には好みだ。
今夜あたりにでも誤解を解こうとこっそり決意していた。
「そういえば…先ほどからの台詞は誰かの真似です?」
エステルがやっと台詞にツッコミを入れた。
ユーリは心の中でそのまま【にあっていない】と言えと叫んだが…
願いは叶わずそのまま会話は進んでいく…
「あぁ…アッシュの台詞だよ」
「アッシュ…さん?」
ルークは何故か少し考え事をした後ゆっくりと話始めた…
「うん…もう一人の俺…一応表的な関係は双子の兄貴…だったかな?。
アッシュはすぐ怒って…言葉は悪いし…人の話は聞かないし、自分勝手だし…
けど、すっごく優しくて…頼りになって…カッコイイよ」
少し照れくさそうに笑いながらルークは語る…目を閉じればすぐに思い浮かぶ深紅の姿。
この場に居たら赤面しながら「屑がっ!!!」と言ってそうだが今は残念だから居ない…
代わりに今頃アッシュはくしゃみでもしているのはないだろうか。
「ルークはその方のことが大好きなんですね」
「ふぇ!?な、何でそうなるんだよ!!!」
「………」
エステルの言葉にルークの顔は髪と同じくらい真っ赤になる。
そんな顔のルークを見ながらユーリは少し面白くないような顔をし、
小さく笑いながらエステルは話の続きをはじめた。
「だって…ルークすごく優しそうな表情をしながら話するんですもの…
是非いつかお会いしたいです。」
「そんな顔してたかなぁ…?あぁ、今度紹介してやるよ!!他にもティアとかガイとか…
あとナタリアにアニスにジェイドもだろ…あ、あとフローリアンとか…ピオニー陛下もか?」
両手の指で紹介したい人達の名前を次々と上げていく…一体何人紹介するつもりなのだろう…
「ルークにはお友達がいっぱいですね…」
「エステルも友達だろ?会った時エステルのこともみんなに紹介するからな♪」
「わぁ、ありがとうございます♪」
エステルは嬉しそうにルークに笑いかけていると、
ラピードがルークの足元に寄っていき何かを訴えるように吠えた。
「わんわんっ!!」
「もちろんラピードのこともな!!あ、あとユーリも!!」
「俺はおまけかよ…」
「別におまけとかじゃねぇし…ユーリ今日機嫌悪くねぇ?」
と言ってもルークとユーリは出会って二日弱しか立っていないのでユーリという人物を
まだ掴めていなかった…
どんな人なのだろうと興味はあったが中々そこまで会話をできていないでいる。
「きっとユーリはルークがアッシュさんのお話を楽しそうにするから…嫉妬しているんです。」
「え?嫉妬?」
ルークがユーリの顔を見るとバツの悪そうな表情を少し見せた。
「………そんなんじゃねぇよ…ほら、行くぞ」
「はーい…ん?なぁ、ユーリ…あれ何だ?」
ルークが指を差した方には森には似合わない機械が置いてあった…
近づいて見てみると音機関ではない…下町でみた魔導器に似ていた。
「これ…魔導器ってやつ?」
「そうみたいだな…」
「でもどうしてこんなところに…」
エステルが魔導器に触った瞬間…魔導器から光が放たれた。
そしてエステルはその場に倒れこんだ…
「「エステル!!!」」
ユーリが近づいてエステルの様子を確認すると気絶しているだけのようだった。
とりあえずこの場に居ては危険だと判断し、少し離れた場所で休憩をとることにした。
エステルを寝かせ火を焚いてからしばらく経つがエステルが目覚める気配はない…
ルークはエステルの様子を心配そうに見つめながら昼間ユーリから貰った本に何かを書いていた。
「すぐに目覚めるから心配するな…それより日記を書いているのか?」
ルークの隣に移動したユーリはルークが書いていた日記を少し覗き見ると
ユーリの気配に気がついていなかったのかルークは慌てて日記を隠した。
「え?あ…ちょ…見るなよ!!!」
「………お前…その文字…」
「え?フォニック言語だけど…?」
聞いたことのない言語だった。
だが、ルークとは普通に会話ができる…今思えばルークは商品の文字が読めていないように思える。
出会った頃から変ったやつだと思っていたユーリだったが、
ルークという存在は何か自分達とは全く異なっている気がしてきた。
「そういえば…お前の故郷はどこなんだ?」
「ん?キムラスカ王国のバチカル通称光の都…だったかな?」
「……………。」
帝国以外の国の名前を聞くことが初めてだった。
もしかしたらルークは自分達では想像がつかないところから来たのではないか…
そう思えて仕方がなかった。
けど、ルークの様子からみてもしかしたらルーク自身もこの世界のことを
あまり理解できていないのではないかと思うところが見られた。
これ以上聞くのはまだ早いと判断したユーリはごまかすようにルークの頭を優しく撫でた。
「もし、立ち寄ることがあったら…道案内よろしくな」
「もちろん!!って、何子供扱いするんだよ!!俺は男らしくなるんだからな!!」
「……またそれか…」
ユーリはエステルが目覚めるまでの間に誤解を解こうと説明をしたが、
ルークから誤解を解けるまであと数日かかってしまった…
今後ユーリはルークに間違えたことを教えてはいけないと肝に銘じた。
「へ、へくしゅんっ…!!!!」
「まぁ、アッシュ…風邪ですの?」
ここはバチカルにあるファブレ家の庭…
そこにはかつてこの世界を救う為に旅をした仲間達が集まっていた。
そう、突如消えてしまったルークを探す為に集まったのだ。
ジェイドの見方からして音素乖離などを起こして消えてしまった…ではなかった為
一安心していたところだった。
もし、乖離で消えてしまっていたらずっとそばにいたミュウが知らせるはずだが、
そのミュウすら消えてしまっているので二人は一緒にどこかへ消えたと考えるのが正しい。
「いや…特に熱などはない…ナタリア心配するな」
「…もしかしたら誰かがアッシュのことを噂してるだけかもな」
ガイがナタリアを安心させるために言葉をかけるが…ナタリアにはその言葉は届いていないようだ。
「いいえ、風邪はひき始めが肝心といいます!!今すぐ横になりなさい!!」
「いや…別に風邪ではない…それにあの屑をさがさないと…」
「ダメです!!あなたが倒れてしまってはルークが戻ってきた時に悲しみますわ!!
そうです…私が手料理を作って看病してさしあげますわ」
「……は?」
ナタリアからでた提案にアッシュは固まった。
そう…ナタリアの手料理は数年経った今でも相変わらず生物兵器だからだ。
先日ナタリアの手料理をルークと一緒に食べ(食べさせられ)、数日寝込んだことを思い出し
なんとかして手料理から逃れようとするが…
「うわぁ~ナタリアやっさしぃ~。それだとアッシュの風邪もイチコロだね☆(生命的な意味含め」
「いやぁ~…若いというのはすばらしいですねぇ…うらやましい限りです」
悪の譜術使いと小悪魔に裏切られた…
二人の言葉にナタリアはますますやる気の瞳だ。
「てめぇらっ…心にもないこと言うんじゃ「さぁ、アッシュ。まずは部屋でゆっくり休みましょう♪」
前衛であるアッシュだったが、ナタリアに手を上げることなどできずずるずるとナタリアに引っ張られて行った。
ナタリアに引きずられている間何か二人に対してひどいことを言っていた気がするが…
聞こえなかったことにしておこう。
「た、大佐…アッシュを助けなくていいのですか?」
「ルークが居なくなってからほぼ寝ていないようですし…丁度いいんじゃないですか?」
「そんなこと言って…大佐はただ単に面白そうだったからでしょ~♪」
「おや、ばれてしまいましたか」
「旦那ぁ~…」
相変わらずのジェイドの発言に一同は呆れてしまった。
そしてナタリアの愛の籠った看病を受けたアッシュは
自分の噂をした屑に制裁を加えることを心に誓ったのだった…。
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