旭屋本舗
ようこそいらっしゃいませ。
腐向けサイトですご理解のある方のみどうぞ。
始めての方はカテゴリー【What】をお読みください。
誰も期待とかしてねぇよ
って声が聞こえてきます、幻聴ですよね?え?真実?
ついこの前まではぽんぽんネタが浮かんでたんですが…何故か生まれない
ガイルク(正確にはガイ×短髪)
豆さんががんばってユリルクを書いてくれてるから私がガイルクを…
と思ってたのに…どのネタも
ガイ様が華麗に変態になってくれない件。
よくよく考えたら私ピンクオーラの話苦手だったのに…orz
どろどろの過去とかになると意気揚々と書きだす…私。
で今ツイッターで生まれたネタが何故か
アシュえもん
全国のアッシュファンの方々石投げないでえええええええええええええ!!!!
私もアッシュ大好きなのよ!!!あんまり愛情入ってないように見えるサイトだけど!!!!
ルークとアッシュの掛け合い大好きなの!!!
何でこんな話になったかは不明…
覚えてることは…言いだしっぺは私だ(真顔
以下ぷちネタ
「助けて~アシュえもーん」
「屑がっ!!!俺に頼るじゃねぇ!!!紋牙鳴衝斬!!!!」
お前未来から何しにきたの(;°Д°)
アシュえもんの姿を想像したらもうアッスの顔直視できなくなるのでしてません。
むしろこんなネタ書けねぇよ!!!!
ミス〇ルの沢えもんじゃねぇんだぞ!!!
って、あの二人かなり似てるな…デコのあたりg…(殴
ネタが出なくてアシュえもんに頼りたいのに頼れない…
がんばってガイルク出産します…ぴくしぶで今勉強中…
ときめいて書けないけどな!!!←をい
BGM:アナタボシ
妄想で赤毛が踊ってます。
って声が聞こえてきます、幻聴ですよね?え?真実?
ついこの前まではぽんぽんネタが浮かんでたんですが…何故か生まれない
ガイルク(正確にはガイ×短髪)
豆さんががんばってユリルクを書いてくれてるから私がガイルクを…
と思ってたのに…どのネタも
ガイ様が華麗に変態になってくれない件。
よくよく考えたら私ピンクオーラの話苦手だったのに…orz
どろどろの過去とかになると意気揚々と書きだす…私。
で今ツイッターで生まれたネタが何故か
アシュえもん
全国のアッシュファンの方々石投げないでえええええええええええええ!!!!
私もアッシュ大好きなのよ!!!あんまり愛情入ってないように見えるサイトだけど!!!!
ルークとアッシュの掛け合い大好きなの!!!
何でこんな話になったかは不明…
覚えてることは…言いだしっぺは私だ(真顔
以下ぷちネタ
「助けて~アシュえもーん」
「屑がっ!!!俺に頼るじゃねぇ!!!紋牙鳴衝斬!!!!」
お前未来から何しにきたの(;°Д°)
アシュえもんの姿を想像したらもうアッスの顔直視できなくなるのでしてません。
むしろこんなネタ書けねぇよ!!!!
ミス〇ルの沢えもんじゃねぇんだぞ!!!
って、あの二人かなり似てるな…デコのあたりg…(殴
ネタが出なくてアシュえもんに頼りたいのに頼れない…
がんばってガイルク出産します…ぴくしぶで今勉強中…
ときめいて書けないけどな!!!←をい
BGM:アナタボシ
妄想で赤毛が踊ってます。
本当は修正も入れたかったけど…
全部書き直しになるからやめました(真顔
若干直しあるとこもあります…タイトル間違えてたりとか(;´Д`)ノ
あ、あとリンク様追加しましたww
ガラスキャンディ @豆子様
http://marich.lovesick.jp/
ツイッターで最近ユリルクで一緒に暴走語って頂います。
このツイッターがきっかけで生まれたネタを
今豆子様のHPで公開中☆ミ
現代パロユリルク+ガイルク
一つの話で二つのカップリングとかこれまた美味しい(*ノwノ)
しかもファブレ家双子設定じゃなくて
三つ子設定
長男→アッシュ
次男→短髪ルーク
三男→長髪ルーク
なので正確にはユーリ×長髪+ガイ×短髪ですね。
私も勢いに任せて現在2本ほど短編小説押しつけました。←
もうちょい話が進んだら公開予定らしいです。
ユリルク(R-18)・ガイルク(ぷちR-18)
これだけみたら私がエロ専門みたい…orz
喘ぎ声とか忘れて…必死だわまじで。
あ、ユリルクの方は公開するかは未定…
本気で山なし、オチなし、意味なしでにゃんにゃんしてるだけなので…。
豆子さんの気分次第…どうするべ姉さん。
あとゲストとして私のTOW3に出てくるディセンダーアレンも書いてくださるそうです。
もう、姉さん一生ついていきます(真顔
現在三つ子小説1本&学園物語1本…どっちから手付けたらいいんですか…orz
そろそろアシュルクの続きも書きたい…
全部書き直しになるからやめました(真顔
若干直しあるとこもあります…タイトル間違えてたりとか(;´Д`)ノ
あ、あとリンク様追加しましたww
ガラスキャンディ @豆子様
http://marich.lovesick.jp/
ツイッターで最近ユリルクで一緒に
このツイッターがきっかけで生まれたネタを
今豆子様のHPで公開中☆ミ
現代パロユリルク+ガイルク
一つの話で二つのカップリングとかこれまた美味しい(*ノwノ)
しかもファブレ家双子設定じゃなくて
三つ子設定
長男→アッシュ
次男→短髪ルーク
三男→長髪ルーク
なので正確にはユーリ×長髪+ガイ×短髪ですね。
私も勢いに任せて現在2本ほど短編小説押しつけました。←
もうちょい話が進んだら公開予定らしいです。
ユリルク(R-18)・ガイルク(ぷちR-18)
これだけみたら私がエロ専門みたい…orz
喘ぎ声とか忘れて…必死だわまじで。
あ、ユリルクの方は公開するかは未定…
本気で山なし、オチなし、意味なしでにゃんにゃんしてるだけなので…。
豆子さんの気分次第…どうするべ姉さん。
あとゲストとして私のTOW3に出てくるディセンダーアレンも書いてくださるそうです。
もう、姉さん一生ついていきます(真顔
現在三つ子小説1本&学園物語1本…どっちから手付けたらいいんですか…orz
そろそろアシュルクの続きも書きたい…
エステルは言う。
「彼はすっごく優しい人です…ただ不器用なだけで…」
ロイドは言う。
「優しくて…頼りになるよ。みんな気がついていないだけで」
ガイは言う。
「不器用なやつだけど…本当はいいやつなんだ。」
あいつの何処が?俺には全くわからねぇ…
俺の人を見る目が無いのだろうか…
いや、こんな意見を言うのはギルドの中でもごく一部だ。
ほとんどのメンバーは俺と同じ印象しかもっていない。
けど俺は知ることになる…人間は奥深いことを…。
絆創膏×印象×きっかけ
「いてっ…」
食堂で洗いものをしていると指から脳へ痛みという感覚が流れた。
右手を見ると皮膚が切れて血が流れ始めている、
洗っていた食器を見ると縁が少し欠けておりこれで切ってしまったのだろう。
一緒に洗いものをしていたリリーが慌てて声をかけてきた。
「ユーリさん大丈夫です?あっ…血が出てる…すぐにアニーさんのところへ行った方がいいですよ。」
「これくらい大丈夫だって。それに今回復できる人間ほぼクエストで出てて
医務室込んでるだろうから後でいくさ。」
ユーリはそのまま洗いものを再開する。
すこし洗剤でしみて痛いが、戦闘で受ける痛みに比べたら可愛いものだ。
「すみません…私が回復使えたらいいんですが…」
「気にするな」
少し悲しそうな表情を見せるリリーに対してユーリは少しだけ口元を上げる
するとリリーの頬は少し赤くなりユーリの顔を見ないように後を向いた。
「っへ、だっせーの。そんなので指なんて切るなよ。」
「おいおいルーク…」
声の主はまだ食堂に居たルーク、そして従者のガイだった。
「洗いものなんてしないお坊ちゃんにはこのつらーい痛みわかんねぇだろうな…
あ、しないじゃなくてできないだったか?」
「なんだとっ…俺だってなそんな洗いものくらい…」
ガイは「また始まった」と小さくつぶやいた。
もう最近はこの二人にとってこんなやりとりは日常茶飯事で、
最初は止めに入っていたギルドメンバー達も今やほとんど止めるものはいない。
居るとしたらガイとフレンくらいなものだった。
ユーリは挑発するような頬笑みを作りルークをからかいはじめた。
「ほー、じゃぁやってみろよ。」
「上等だ!!」
「こらこら、熱くなるんじゃない。」
今にもユーリに飛びかかろうとするルークをガイが必死に止め座らせるが
ルークの怒りは収まる様子を見せていない。
「だいたいお前が洗いものなんてしたらここの皿全部割れる。」
「確かに…」
「ガイまで何言い出すんだ!!!」
怒りの矛先はユーリから自分の味方であるガイへと移った。
ガイは笑いながら怒るルークを宥めるが一向に効果はないようだ。
「あー…悪かった悪かった。けどなルーク案外皿で手切ると痛いんだぞ。」
「そうなのか…っへ、けど俺には関係ないね。」
確かにルークは貴族だ。
ここのギルドに居る時は当番として食堂当番が回ってくるが
洗いものなどはガイがやってくれている。
国に戻れば貴族としての生活に戻るため皿洗いなど無縁の生活だ。
「まぁ、これで一つお利口になったな。よかったなぁー。」
「てめぇ…俺をからかってるのか?」
「お、ようやく自分が遊ばれてることに気がつく知識を身に付けたのか?
成長したなぁ…えらいえらい。」
ルークの中から何かが切れる音がした。
そして、怒りの眼でユーリを睨みつける。
「だあああああああああ!!お前ほんとうっぜーな!!!俺は部屋に戻る!!」
ルークはテーブルを強く叩き風のような速さで食堂を出て行った。
それを見たガイは慌ててルークを追いかけようとするが、
一度とまりユーリに頭を下げた。
「お、おいルーク…!!!はぁ…すまないな……気を悪くしないでくれ
って言うのは無理か…本当すまない。」
「俺も遊びすぎたな、悪かった。」
「でもルークってホント子供だよね」
ずっと黙ってみていたリリーが呆れたように会話に参加した。
その言葉に言い返す言葉などガイの中にはなく、
苦笑いだけをすると二人に手を振ってルークの後を追いかけた。
「さてと…あと少しで終わりか…」
「そのあとちゃんと医務室いってくださいね。」
「へいへい。」
洗いものが終わりリリーに言われた通り医務室へと足を向けるユーリの姿があった。
本当ならばこのくらいの傷医務室に行く必要性などないのだが、
あまりにもリリーに言われるので仕方なく医務室へと向かっている。
医務室の扉が見えたが、医務室の手前でユーリの足は自然と止まった。
何故なら医務室の手前でルークがえらそうに壁にもたれかかっていたからだ。
一度は止まったユーリの足だったが、ルークのことは気にしないことにして
医務室へとまた足を動かした…だが、
「おい…。」
ルークに呼び止められ再び足を止めることになった。
ユーリは少しめんどくさそうな表情をしてルークの方に顔を向ける。
「何だよ…何か用か?それともさっきの続きか…?ってうぉっ!!!!」
ユーリが言い終わる前にルークはユーリの顔面に拳を突き刺した。
顔面にぶつかるかと思いよけようとしたが、顔面直前で拳は止まった。
「おい…何のつもりだ?喧嘩なら買うぜ?」
「……………。」
「ん?何だって?」
普段大きい声のルークだったが、今は何を言ってるか全く聞こえないほど小さい声だ。
しかも何故か顔が真っ赤になっている。
「だからっ…手出せって!!!」
「え?あぁ…」
ルークに言われた通りに手を出すと、拳が開き何かがユーリの掌へと落ちた。
「何だこれ…?」
「…お前しらねぇの?チーグルって言ってライマ国の聖獣…」
「いや、柄のこと言ってるんじゃねぇ。」
そもそも他国であるユーリがライマ国の聖獣何てしってるはずがなかった。
エステルあたりなら知っているかもしれないがユーリは自分の国以外には興味がない。
「………絆創膏。」
ユーリの掌に落ちてきたのはチーグルといったライマ国の聖獣(かなりデフォルメされている)
の柄が入った絆創膏だった。
何故ルークが絆創膏を渡してきたのか未だ理解ができていないユーリはルークの顔を見る、
ルークの顔は相変わらず真っ赤だ…風邪でも引いているのではと思えるくらい。
「お前…さっき…怪我…」
「あっ…」
ユーリはさきほどの食堂での出来事を思い出した。
あまりにも可愛らしい絆創膏は多分ルークの持ち物ではない、
むしろルークの私物に絆創膏があるとは想像できなかった。
「これ…お前が?」
「ち、ちげぇよ!!!さっきのことティアに話したら、ティアが渡せってうるせぇから!!!
べ、別に俺からじゃねぇからな!!ティアからだからな!!そこんとこ勘違いするんじゃねぇぞ!!!」
「ほー…ティアからねぇ…ティアから貰ったの間違いじゃないか?」
「そ、そう…俺が前にティアから貰ったやつ…じゃねぇ!!!だから勘違いするなって言ってるだろうが!!
それだけだからな!!!お、俺昼寝するから…邪魔するんじゃねぇぞ!!!」
長い髪を靡かせてルークは自室へと戻る…いや逃げるように飛び込んで行った。
中からガイとティアの驚く声が聞こえる。
ユーリは絆創膏を見つめ少し微笑んだ。
「普通医務室の前で渡すか?もっと渡す場所あるだろうが…」
たまたまルーク達の部屋が医務室の前だったからだろうか?
いや、それでももっと渡せる場所はあったはずだが、これが彼なりの渡し方なのだろう…
「本当…おもしれぇやつだ…」
ユーリはそのまま医務室に入っていった。
そして、消毒だけしてもらい貰ったばかりの絆創膏を右手に貼り付けた。
「うわぁ…すごく可愛い絆創膏ですね。それどうしたんです?」
医務室から戻る途中クエストから戻ってきたエステル達に出くわした。
流石女の子といったところ…
エステルはユーリの右手に貼ってあった絆創膏に目を輝かせている。
「あぁ…これか?これはとある貴族のお坊ちゃんから直々に貰ったやつでなぁ…」
「だから俺からじゃねぇって言ってるだろうが!!!」
エステルに冗談交じりで絆創膏のことについて話していると
ユーリの後からルークの叫び声が聞こえた。
振り向いてみるとルークが顔を真っ赤にさせて立っている。
クエストカウンターを見るとガイがアンジュと話しているのでクエストを受けにきたのだろう。
「お前昼寝するんじゃなかったのか?」
「う、うっせぇー!!そんなことはどうでもいいんだよ!!
だからそれは俺からじゃなくて…!!!」
「俺一言でもこいつの名前言ったか?」
エステルに問いかけると素直に首を横に振った。
それを見たルークは少し驚いた顔をしたが、
またすぐに真っ赤になってユーリを睨みつけた。
「うっせーうっせー!!!お前なんてもうしらねぇ!!!
おい、ガイ…さっさとクエストいくぞ!!!」
大股でガイのところへと向かおうとしたが、
ルークの身体は素直に前へと進めなかった…
「ほー…クエスト行くのか…じゃぁ、俺も混ぜてもらおうかな」
「な、何でお前が!?」
「そんな気分なんだよ。」
「何だよそれ!!!」
ルークはユーリに大声でいろいろ文句を言っているが、
その間にアンジュにクエストを受理されてしまい結局一緒に行くことになってしまった。
「ったく…何でこんなやつと…」
「まぁまぁ、人数多い方が楽だろ?」
ガイに宥められるが納得していない様子のルークは頬を膨らませている。
そんな姿を見たユーリは気がつかれないように小さく笑った。
「あ、そうだ…ティアにさっきのお礼言っておいてくれよ。「ありがとうな」って」
「………気が向いたら言っておく。」
顔を真っ赤にさせユーリからそっぽを向く。
どうしたらこう毎回毎回顔を真っ赤にできるのか不思議で仕方がない。
「ん?ティアにって…何かあったのか?」
「ん?これは俺とお坊ちゃんの二人だけのひ・み・つ」
「きしょくわりぃこと言ってるんじゃねぇよ!!!ほら、さっさと行くぞ!!」
「へいへい。」
ユーリは軽い返事をしながらも楽しそうな表情でルークの後を追いかけた。
俺はこの時まだ気がついていなかった。
この貴族様にどんどんはまっていくことを…
いろんな表情をみせるこの貴族様に。
出会ったころの悪い印象なんてこのころからどんどん抜けていく。
数カ月後俺らはラザリスを助ける。
そして、ずっと胸の奥に閉まっていたアイツへの思いを伝えた。
身分の違い、環境の違いから伝えるつもりなんて無かった思いを…
最初はあいつの人生を狂わせるだけだと思っていた。
貴族として生活している方が何不住なく暮らしていける。
俺と居たってどんな暮らしが待っているか分からない…
けど、アイツは俺を選んだ。
選んでくれたからには俺もアイツに贈ろう。
絆創膏ではない…俺の気持ちを…
「彼はすっごく優しい人です…ただ不器用なだけで…」
ロイドは言う。
「優しくて…頼りになるよ。みんな気がついていないだけで」
ガイは言う。
「不器用なやつだけど…本当はいいやつなんだ。」
あいつの何処が?俺には全くわからねぇ…
俺の人を見る目が無いのだろうか…
いや、こんな意見を言うのはギルドの中でもごく一部だ。
ほとんどのメンバーは俺と同じ印象しかもっていない。
けど俺は知ることになる…人間は奥深いことを…。
絆創膏×印象×きっかけ
「いてっ…」
食堂で洗いものをしていると指から脳へ痛みという感覚が流れた。
右手を見ると皮膚が切れて血が流れ始めている、
洗っていた食器を見ると縁が少し欠けておりこれで切ってしまったのだろう。
一緒に洗いものをしていたリリーが慌てて声をかけてきた。
「ユーリさん大丈夫です?あっ…血が出てる…すぐにアニーさんのところへ行った方がいいですよ。」
「これくらい大丈夫だって。それに今回復できる人間ほぼクエストで出てて
医務室込んでるだろうから後でいくさ。」
ユーリはそのまま洗いものを再開する。
すこし洗剤でしみて痛いが、戦闘で受ける痛みに比べたら可愛いものだ。
「すみません…私が回復使えたらいいんですが…」
「気にするな」
少し悲しそうな表情を見せるリリーに対してユーリは少しだけ口元を上げる
するとリリーの頬は少し赤くなりユーリの顔を見ないように後を向いた。
「っへ、だっせーの。そんなので指なんて切るなよ。」
「おいおいルーク…」
声の主はまだ食堂に居たルーク、そして従者のガイだった。
「洗いものなんてしないお坊ちゃんにはこのつらーい痛みわかんねぇだろうな…
あ、しないじゃなくてできないだったか?」
「なんだとっ…俺だってなそんな洗いものくらい…」
ガイは「また始まった」と小さくつぶやいた。
もう最近はこの二人にとってこんなやりとりは日常茶飯事で、
最初は止めに入っていたギルドメンバー達も今やほとんど止めるものはいない。
居るとしたらガイとフレンくらいなものだった。
ユーリは挑発するような頬笑みを作りルークをからかいはじめた。
「ほー、じゃぁやってみろよ。」
「上等だ!!」
「こらこら、熱くなるんじゃない。」
今にもユーリに飛びかかろうとするルークをガイが必死に止め座らせるが
ルークの怒りは収まる様子を見せていない。
「だいたいお前が洗いものなんてしたらここの皿全部割れる。」
「確かに…」
「ガイまで何言い出すんだ!!!」
怒りの矛先はユーリから自分の味方であるガイへと移った。
ガイは笑いながら怒るルークを宥めるが一向に効果はないようだ。
「あー…悪かった悪かった。けどなルーク案外皿で手切ると痛いんだぞ。」
「そうなのか…っへ、けど俺には関係ないね。」
確かにルークは貴族だ。
ここのギルドに居る時は当番として食堂当番が回ってくるが
洗いものなどはガイがやってくれている。
国に戻れば貴族としての生活に戻るため皿洗いなど無縁の生活だ。
「まぁ、これで一つお利口になったな。よかったなぁー。」
「てめぇ…俺をからかってるのか?」
「お、ようやく自分が遊ばれてることに気がつく知識を身に付けたのか?
成長したなぁ…えらいえらい。」
ルークの中から何かが切れる音がした。
そして、怒りの眼でユーリを睨みつける。
「だあああああああああ!!お前ほんとうっぜーな!!!俺は部屋に戻る!!」
ルークはテーブルを強く叩き風のような速さで食堂を出て行った。
それを見たガイは慌ててルークを追いかけようとするが、
一度とまりユーリに頭を下げた。
「お、おいルーク…!!!はぁ…すまないな……気を悪くしないでくれ
って言うのは無理か…本当すまない。」
「俺も遊びすぎたな、悪かった。」
「でもルークってホント子供だよね」
ずっと黙ってみていたリリーが呆れたように会話に参加した。
その言葉に言い返す言葉などガイの中にはなく、
苦笑いだけをすると二人に手を振ってルークの後を追いかけた。
「さてと…あと少しで終わりか…」
「そのあとちゃんと医務室いってくださいね。」
「へいへい。」
洗いものが終わりリリーに言われた通り医務室へと足を向けるユーリの姿があった。
本当ならばこのくらいの傷医務室に行く必要性などないのだが、
あまりにもリリーに言われるので仕方なく医務室へと向かっている。
医務室の扉が見えたが、医務室の手前でユーリの足は自然と止まった。
何故なら医務室の手前でルークがえらそうに壁にもたれかかっていたからだ。
一度は止まったユーリの足だったが、ルークのことは気にしないことにして
医務室へとまた足を動かした…だが、
「おい…。」
ルークに呼び止められ再び足を止めることになった。
ユーリは少しめんどくさそうな表情をしてルークの方に顔を向ける。
「何だよ…何か用か?それともさっきの続きか…?ってうぉっ!!!!」
ユーリが言い終わる前にルークはユーリの顔面に拳を突き刺した。
顔面にぶつかるかと思いよけようとしたが、顔面直前で拳は止まった。
「おい…何のつもりだ?喧嘩なら買うぜ?」
「……………。」
「ん?何だって?」
普段大きい声のルークだったが、今は何を言ってるか全く聞こえないほど小さい声だ。
しかも何故か顔が真っ赤になっている。
「だからっ…手出せって!!!」
「え?あぁ…」
ルークに言われた通りに手を出すと、拳が開き何かがユーリの掌へと落ちた。
「何だこれ…?」
「…お前しらねぇの?チーグルって言ってライマ国の聖獣…」
「いや、柄のこと言ってるんじゃねぇ。」
そもそも他国であるユーリがライマ国の聖獣何てしってるはずがなかった。
エステルあたりなら知っているかもしれないがユーリは自分の国以外には興味がない。
「………絆創膏。」
ユーリの掌に落ちてきたのはチーグルといったライマ国の聖獣(かなりデフォルメされている)
の柄が入った絆創膏だった。
何故ルークが絆創膏を渡してきたのか未だ理解ができていないユーリはルークの顔を見る、
ルークの顔は相変わらず真っ赤だ…風邪でも引いているのではと思えるくらい。
「お前…さっき…怪我…」
「あっ…」
ユーリはさきほどの食堂での出来事を思い出した。
あまりにも可愛らしい絆創膏は多分ルークの持ち物ではない、
むしろルークの私物に絆創膏があるとは想像できなかった。
「これ…お前が?」
「ち、ちげぇよ!!!さっきのことティアに話したら、ティアが渡せってうるせぇから!!!
べ、別に俺からじゃねぇからな!!ティアからだからな!!そこんとこ勘違いするんじゃねぇぞ!!!」
「ほー…ティアからねぇ…ティアから貰ったの間違いじゃないか?」
「そ、そう…俺が前にティアから貰ったやつ…じゃねぇ!!!だから勘違いするなって言ってるだろうが!!
それだけだからな!!!お、俺昼寝するから…邪魔するんじゃねぇぞ!!!」
長い髪を靡かせてルークは自室へと戻る…いや逃げるように飛び込んで行った。
中からガイとティアの驚く声が聞こえる。
ユーリは絆創膏を見つめ少し微笑んだ。
「普通医務室の前で渡すか?もっと渡す場所あるだろうが…」
たまたまルーク達の部屋が医務室の前だったからだろうか?
いや、それでももっと渡せる場所はあったはずだが、これが彼なりの渡し方なのだろう…
「本当…おもしれぇやつだ…」
ユーリはそのまま医務室に入っていった。
そして、消毒だけしてもらい貰ったばかりの絆創膏を右手に貼り付けた。
「うわぁ…すごく可愛い絆創膏ですね。それどうしたんです?」
医務室から戻る途中クエストから戻ってきたエステル達に出くわした。
流石女の子といったところ…
エステルはユーリの右手に貼ってあった絆創膏に目を輝かせている。
「あぁ…これか?これはとある貴族のお坊ちゃんから直々に貰ったやつでなぁ…」
「だから俺からじゃねぇって言ってるだろうが!!!」
エステルに冗談交じりで絆創膏のことについて話していると
ユーリの後からルークの叫び声が聞こえた。
振り向いてみるとルークが顔を真っ赤にさせて立っている。
クエストカウンターを見るとガイがアンジュと話しているのでクエストを受けにきたのだろう。
「お前昼寝するんじゃなかったのか?」
「う、うっせぇー!!そんなことはどうでもいいんだよ!!
だからそれは俺からじゃなくて…!!!」
「俺一言でもこいつの名前言ったか?」
エステルに問いかけると素直に首を横に振った。
それを見たルークは少し驚いた顔をしたが、
またすぐに真っ赤になってユーリを睨みつけた。
「うっせーうっせー!!!お前なんてもうしらねぇ!!!
おい、ガイ…さっさとクエストいくぞ!!!」
大股でガイのところへと向かおうとしたが、
ルークの身体は素直に前へと進めなかった…
「ほー…クエスト行くのか…じゃぁ、俺も混ぜてもらおうかな」
「な、何でお前が!?」
「そんな気分なんだよ。」
「何だよそれ!!!」
ルークはユーリに大声でいろいろ文句を言っているが、
その間にアンジュにクエストを受理されてしまい結局一緒に行くことになってしまった。
「ったく…何でこんなやつと…」
「まぁまぁ、人数多い方が楽だろ?」
ガイに宥められるが納得していない様子のルークは頬を膨らませている。
そんな姿を見たユーリは気がつかれないように小さく笑った。
「あ、そうだ…ティアにさっきのお礼言っておいてくれよ。「ありがとうな」って」
「………気が向いたら言っておく。」
顔を真っ赤にさせユーリからそっぽを向く。
どうしたらこう毎回毎回顔を真っ赤にできるのか不思議で仕方がない。
「ん?ティアにって…何かあったのか?」
「ん?これは俺とお坊ちゃんの二人だけのひ・み・つ」
「きしょくわりぃこと言ってるんじゃねぇよ!!!ほら、さっさと行くぞ!!」
「へいへい。」
ユーリは軽い返事をしながらも楽しそうな表情でルークの後を追いかけた。
俺はこの時まだ気がついていなかった。
この貴族様にどんどんはまっていくことを…
いろんな表情をみせるこの貴族様に。
出会ったころの悪い印象なんてこのころからどんどん抜けていく。
数カ月後俺らはラザリスを助ける。
そして、ずっと胸の奥に閉まっていたアイツへの思いを伝えた。
身分の違い、環境の違いから伝えるつもりなんて無かった思いを…
最初はあいつの人生を狂わせるだけだと思っていた。
貴族として生活している方が何不住なく暮らしていける。
俺と居たってどんな暮らしが待っているか分からない…
けど、アイツは俺を選んだ。
選んでくれたからには俺もアイツに贈ろう。
絆創膏ではない…俺の気持ちを…
電車の窓から見える町は完全に漆黒の色に染まっている。
その色はまるで今の俺を映し出しているようだ。
俺の心が暗い理由それは
今日の練習試合は本当につまらないものだったからだ。
つまらないといっても実力は中の上くらい学校で、
他の生徒にとっては有意義な試合だったかもしれないが
俺にとってはつまらない試合だ。
面白い試合といえばセイント・ヴェスペリア学園の練習試合が
一番最初に頭によぎるが、あそことは二度と試合はしたくない。
めんどくせぇエロ王子…もとい黒狼が居るからだ。
あぁ…早く帰りたい…今にも雨が降りそうだ。
何時ごろに帰れるかと思い逆算していると
予想通り雨が降り出してきた…しかも大雨ときた。
ほんと今日は最悪な日だ。
雨
アッシュは家の最寄り駅で電車を降りたが雨で足止めを食らってしまう。
小雨なら走って帰っても問題はないが、
バケツをひっくりかえしたような大雨で勇気を持って走り出す心すら奪われる。
どれくらい待てば止むかは見当がつかないでいた。
家に電話をして迎えに来てもらうのが賢明だが、
きっと迎えに来るのは双子の兄と予測ができたので複雑な思いから電話をかけれないでいた。
雨が少し弱くなったところを走って帰ろうと決断した時
目の前から見たことのある…いや、毎日拝んでいる顔が近づいてきていた。
「あ、アッシュ見つけた。おーい、アッシュー!!!」
「あの屑がっ…でかい声で呼ぶんじゃねぇ!!!」
「アッシュの方が声でかいよ。」
しまったと思い周りを見るとみんなアッシュの方を見ていたが
アッシュに睨まれると皆顔を別の方向へと向けた。
アッシュの方へ傘を差し嬉しそうに近づいてきたのは双子の兄ルークだ。
帰宅時間など言っていなかったのに迎えに来たことにアッシュは少し驚いている。
「おい、何しに来たんだ」
「迎えにきたに決まってるだろ。アッシュ傘持ってなかったし」
ルークは緩んだ顔でアッシュに笑いかける。
その顔は双子とは思えないくらい違う笑顔…アッシュにはこんな笑顔は作れないとわかっている。
だから心を惹かれてしまうのだろうか…自分が持っていないものをもっている双子の兄に…
「ほら、早く帰ろうぜ。母上が心配して待ってるからさ。」
ルークは傘を差していない方の手でアッシュに手を差し伸べるが、
アッシュの眉間には皺が増えた。
それは手を差し伸べられたから増えたわけではない…ルークの格好を見て皺を増やしたのだ。
ルークの持ち物は差している傘、ポケットが少し膨らんでいるので多分携帯と家の鍵…
それ以外何も持っていない…アッシュは嫌な予感がしながらも口を動かした。
「おい…お前俺を迎えに来たんだよな?」
「そうだってさっきから言ってるじゃねぇか」
「じゃぁ、俺が差す傘はどこにある?」
「………え?あっ………忘れた」
普段の癖でまた怒鳴ってしまいそうになったが、ここは学校でも家でもない公共の場。
心からくる怒りを必死に抑えながらアッシュはルークを睨みつけた。
「ま、まぁ二人でこの傘使って帰ろうぜ。」
「そんな傘じゃ半分しかはいらないだろ…どうせ濡れるなら傘なんていらねぇ」
濡れて帰るのは決定事項なので走って帰ろうと自分の荷物を持ちなおした時、
ルークに腕を掴まれて無理矢理傘の中へと入れられてしまった。
「おいっ!!」
「いーじゃんいーじゃん。半分濡れないでも傘の意味あるって。ほら、帰ろう」
「っく…この屑が…」
ルークが家へと帰る道へ歩きだしてしまったので、アッシュも仕方がなく歩幅を合わせて帰ることにした。
半分しか傘に入れないので少しずつ身体が濡れていくのがわかる。
アッシュは自分が半分濡れていくのでルークの身体を見ると
ルークもアッシュと同じように少しずつ身体が濡れていっていた。
「おい…濡れてるからもっとこっちに入れ」
「え?それじゃぁアッシュが…」
「いいから…こっちにこい。俺のせいで風邪でも引かれたら後味が悪い。」
「あ…うん…。ありがとう…」
きっとこの迎えのせいでルークが風邪をひいたら、
ルーク命の某親友兼使用人が毎日食事にアッシュの嫌いなものを入れてくると予想できる。
今も学校などへ行く時二人で並んで行くことが多いが、
これほど近づいて並んで歩くのは久しぶりだとアッシュは感じた。
昔はよく御揃いの雨コートを着て幼稚園へ通ったのを思い出す。
いつから並ばなくなったのだろうか…それは多分アッシュが自分の心の中にあるルークへの思いに
気がついた時からだろう…
いろいろと思いにふけっていると近くに居るのに会話がない時間が続いていることに気がつく
なんとか話題を出そうと先ほどから少し疑問に思っていたことを持ちだした。
「何でお前俺の帰宅時間分かったんだ…俺が駅についた途端迎えに来ていたし…」
「あぁ…何となくもうすぐアッシュが帰ってくる気がしたんだ。
そうしたら雨が降り出してたし、アッシュ傘持ってないだろ?双子の感ってやつ?」
何故アッシュが傘を持っていないことを断言できるのかがわからない。
もしかしたら鞄に折りたたみを入れているかもしれないのに…そこもルークの言う
双子の感というものなのだろうか…
そこから他愛もない話が少しだけど続いていた。
周りは喫茶店やファーストフード店が並び少しお腹が減っていたが
二人の会話からはどこか寄ろうという話はでなかった。
そんな二人の会話を遮る音がルークのポケットから流れ始めた。
「おい…携帯が鳴ってるぞ…ずっと鳴っているから電話じゃないのか?」
「え?あ、本当だ。誰だろう?」
ルークの着信音は昔から変らない。
めんどうだからといってメールも電話も同じ曲を使っているが
使っている曲は初めて携帯を持ち始めたころからずっとかわらないでいた。
前に何故その曲なのかと聞いたところ
『俺達二人のことを歌ってるみたいな曲だから』と顔が赤くなってしまうような回答が帰ってきた。
おかげで街中でその曲が流れたり、ガラス玉をみたりすると自然と頭にルークの顔が浮かんでしまう
もうこれは一種の病気ではないかとアッシュは心配になっていた。
そんなルークの着信音はずっと鳴り続けている。
電話の相手はどれだけルークに急ぎの用事なのかと思っていたが
相手の名前を聞いた途端アッシュの額に皺が増えた。
「あ、ユーリから電話だ…何だろう?」
「なんだと…」
空いている手でルークから携帯を取り上げるとディスプレイに浮かぶ名前は
確かに「ユーリ」と浮かんでいる。
アッシュは少し辺りを伺ったがルークのが居る位置で顔を止め黒い笑顔で笑ったが
その笑顔はルークの方を向いているがルークに向けられたものではない。
アッシュは今も鳴り続けるルークの携帯の音を止め、ついでに電源も切り自分の鞄の中へと誘拐をした。
「え?ちょ、アッシュ何するんだよ!!!」
「うるせぇ…おい、少し走るぞ…」
アッシュは空いている手でルークの手と掴みそのまま全速力で走りだした。
「は?え?何で?ちょ、アッシュ?アッシュってばっ!!!」
ルークとアッシュは全身を濡らしながら夜の街を駆け抜け
家の前まで来るとやっとアッシュの足がとまった。
「ここまでくればもう安心か…」
「ぜぇ、はぁ…な、何が…安心なんだよ…」
「お前には関係ない…その前にお前…息切れすぎだ。運動不足なんじゃねぇのか?」
同じ距離を同じ速度で走ったにも関わらずアッシュは息を切らしていなかった。
その反対にルークはさきほどから息を切らしており少し苦しそうだが、
息を切らしていたルークだがすぐに元の息使いに戻ったあたり中々のものだ。
「うるせぇ…帰宅部に文句いうな。あーあー…折角迎えに来たのに全身濡れたじゃねぇか」
ルークとアッシュの身体全体が雨でぬれていた。
持っていた傘も走っていた為あまり役には立たなかった。
春から夏へ移り変わる時期の為ルークは薄着だ。
薄着の為雨でぬれた服はルークの身体のラインをはっきりと映し出す。
アッシュの中で何かが少しずつ熱くなっていくのがわかった…。
「うぅ…雨が苦い…やべっ…目に雨が入った…いてぇ…涙出てきた…」
「ほう…」
アッシュは何も言わず痛そうに目から出る涙を舌で舐め取り、
ルークはいきなりのアッシュの行動に驚いて顔を真っ赤にさせる。
「確かに…苦いな…いや、しょっぱいか?」
「ばかっ…何するんだ!!!ってかそれは雨じゃなくて俺の涙だ!!!」
「どっちも一緒だろ…ほら家に入るぞ」
そういうとアッシュは一人家へはいる為玄関の鍵を開け始めた。
「一緒じゃねぇよ!!人の話最後まで聞けっ!!!」
文句を言ってやろうとアッシュに食い付いたが、
扉を開けて出てきたガイに二人の姿を見られ怒られてしまった為アッシュに文句が言えなかった…。
玄関先でガイに怒られている時
アッシュは雨のあまり悪くないなと思っておりガイの話は全く耳に入っていなかった。
「あ、あれルークと…アッシュじゃないかい?」
「んぁ?」
練習試合の帰り道、雨が強く降ってきたので部員と一緒に入ったファーストフード店。
窓側に座っていたフレンが外を見ると見覚えのある赤毛二人を見つけたので
ポテトを食べていたユーリに声をかけた。
ユーリが外を見ると確かにルークとアッシュだった。
外は暗いし雨が降っていたのではっきりとはわからなかったが、
ユーリがルークを間違えるわけがなかった…アッシュは別として。
「あぁ…あれがアビス学園の主将アッシュさんか…」
フレンの隣に居た副主将のアスベルが後から窓の外を見る。
「アスベルはまだ顔合わせてなかったんだね」
「えぇ…ルークさんとは話しましたが…しかし、二人で同じ傘に入るって仲がいいんですね。」
いくら双子でも二人で同じ傘に入ることはほぼない…
ましてや男同士ならなおさらだ、二人のその帰り姿はまわりからはよほど仲がいいとわかる。
「へぇ…あの二人が喧嘩せずに帰るなんてめずらしいな…
まぁ、今日はこのまま二人で帰らせてやるか…」
少し寂しそうな瞳でルークとアッシュの姿を見るユーリ。
いつもならルークをからかいにアッシュとの間に入るが、
さすがにあんな仲がいい二人を見て割って入る気にはならないのだろう。
「うんうん。流石ユーリ…いくらルークのことを好きでも今日くらいは…」
「なーんてな…」
ユーリは食べていたポテトを食べ終わると鞄から携帯を取り出した。
目の前にいたアスベルとフレンは嫌な予感を肌で感じる。
「この俺がそんなお優しいことすると思ってるのかよ…」
さっきまで寂しそうだった瞳が面白いおもちゃを見つけた時の瞳に変化した。
そして慣れた手つきで携帯に登録されている人物に電話をかけ始めた。
フレンがルークの方を向くと同時にルークがポケットから携帯を取り出したのが確認できる。
「ゆ、ユーリ…まさかルークに…」
「ルークに大事な用があったのを思い出してな」
そういいながらユーリは黒い笑顔をフレンに向ける。
ユーリの性格はかなり大人な性格のはずだが、
たまに子供っぽい性格になるのがまだまだ自分達は未成年だと実感できる。
ルーク達の様子をみているといきなりアッシュがルークの携帯を取りあげて
周りを見渡しこちらに顔を向けて何やら黒い笑顔で笑いかけてきた。
あの顔はこっち側に気が付いている顔だ。
そして何やらルークの携帯を触って操作しはじめた。
「え?なっ…あいつ電話切りやがった!!!電源まで落としてやがる…」
「さ、流石アッシュ…容赦ないな…」
「アッシュさんは何でこっちに気がついたんだ…?」
「そこは魔王と王子間柄だからかな?」
「おい、フレン…あいつとの間柄とか…きもいこというなっ…!!!って、あっ!!!」
ユーリがアッシュを睨みつけていると
アッシュはルークの手を掴み夜の街へと走っていった。
その走りはどこか勝ち誇ったような走りだ。
今から追いかけてもきっと間に合わないだろう…そんな速さでもあった。
「あーあー…行ってしまたね。」
「はぁ…いいさ、明日デートするから。」
「約束してたのかい?」
「いや、してない。明日会いに行ってそのまま出かける」
フレンとアスベルは苦笑いしかでなかった。
けどどこか楽しそうなユーリにフレンは少し嬉しそうにユーリを見つめる。
大人しく今日は終わるはずだったが、次の一言で嵐が再び蘇った。
「まぁ、今日は魔王の勝ちってことだな」
アスベルのその一言にユーリの顔が険しくなった
「誰が、いつ、どこで、誰に負けただって?」
「え?あ、いや…そのっ…」
「アスベル…寮に帰ったら覚悟しておけよ…」
その後寮に戻ったアスベルがどうなったかは誰もしらない。
いや、フレンは知っているようだったがその話になると一目散に逃げてしまうので迷宮入りとなった。
その色はまるで今の俺を映し出しているようだ。
俺の心が暗い理由それは
今日の練習試合は本当につまらないものだったからだ。
つまらないといっても実力は中の上くらい学校で、
他の生徒にとっては有意義な試合だったかもしれないが
俺にとってはつまらない試合だ。
面白い試合といえばセイント・ヴェスペリア学園の練習試合が
一番最初に頭によぎるが、あそことは二度と試合はしたくない。
めんどくせぇエロ王子…もとい黒狼が居るからだ。
あぁ…早く帰りたい…今にも雨が降りそうだ。
何時ごろに帰れるかと思い逆算していると
予想通り雨が降り出してきた…しかも大雨ときた。
ほんと今日は最悪な日だ。
雨
アッシュは家の最寄り駅で電車を降りたが雨で足止めを食らってしまう。
小雨なら走って帰っても問題はないが、
バケツをひっくりかえしたような大雨で勇気を持って走り出す心すら奪われる。
どれくらい待てば止むかは見当がつかないでいた。
家に電話をして迎えに来てもらうのが賢明だが、
きっと迎えに来るのは双子の兄と予測ができたので複雑な思いから電話をかけれないでいた。
雨が少し弱くなったところを走って帰ろうと決断した時
目の前から見たことのある…いや、毎日拝んでいる顔が近づいてきていた。
「あ、アッシュ見つけた。おーい、アッシュー!!!」
「あの屑がっ…でかい声で呼ぶんじゃねぇ!!!」
「アッシュの方が声でかいよ。」
しまったと思い周りを見るとみんなアッシュの方を見ていたが
アッシュに睨まれると皆顔を別の方向へと向けた。
アッシュの方へ傘を差し嬉しそうに近づいてきたのは双子の兄ルークだ。
帰宅時間など言っていなかったのに迎えに来たことにアッシュは少し驚いている。
「おい、何しに来たんだ」
「迎えにきたに決まってるだろ。アッシュ傘持ってなかったし」
ルークは緩んだ顔でアッシュに笑いかける。
その顔は双子とは思えないくらい違う笑顔…アッシュにはこんな笑顔は作れないとわかっている。
だから心を惹かれてしまうのだろうか…自分が持っていないものをもっている双子の兄に…
「ほら、早く帰ろうぜ。母上が心配して待ってるからさ。」
ルークは傘を差していない方の手でアッシュに手を差し伸べるが、
アッシュの眉間には皺が増えた。
それは手を差し伸べられたから増えたわけではない…ルークの格好を見て皺を増やしたのだ。
ルークの持ち物は差している傘、ポケットが少し膨らんでいるので多分携帯と家の鍵…
それ以外何も持っていない…アッシュは嫌な予感がしながらも口を動かした。
「おい…お前俺を迎えに来たんだよな?」
「そうだってさっきから言ってるじゃねぇか」
「じゃぁ、俺が差す傘はどこにある?」
「………え?あっ………忘れた」
普段の癖でまた怒鳴ってしまいそうになったが、ここは学校でも家でもない公共の場。
心からくる怒りを必死に抑えながらアッシュはルークを睨みつけた。
「ま、まぁ二人でこの傘使って帰ろうぜ。」
「そんな傘じゃ半分しかはいらないだろ…どうせ濡れるなら傘なんていらねぇ」
濡れて帰るのは決定事項なので走って帰ろうと自分の荷物を持ちなおした時、
ルークに腕を掴まれて無理矢理傘の中へと入れられてしまった。
「おいっ!!」
「いーじゃんいーじゃん。半分濡れないでも傘の意味あるって。ほら、帰ろう」
「っく…この屑が…」
ルークが家へと帰る道へ歩きだしてしまったので、アッシュも仕方がなく歩幅を合わせて帰ることにした。
半分しか傘に入れないので少しずつ身体が濡れていくのがわかる。
アッシュは自分が半分濡れていくのでルークの身体を見ると
ルークもアッシュと同じように少しずつ身体が濡れていっていた。
「おい…濡れてるからもっとこっちに入れ」
「え?それじゃぁアッシュが…」
「いいから…こっちにこい。俺のせいで風邪でも引かれたら後味が悪い。」
「あ…うん…。ありがとう…」
きっとこの迎えのせいでルークが風邪をひいたら、
ルーク命の某親友兼使用人が毎日食事にアッシュの嫌いなものを入れてくると予想できる。
今も学校などへ行く時二人で並んで行くことが多いが、
これほど近づいて並んで歩くのは久しぶりだとアッシュは感じた。
昔はよく御揃いの雨コートを着て幼稚園へ通ったのを思い出す。
いつから並ばなくなったのだろうか…それは多分アッシュが自分の心の中にあるルークへの思いに
気がついた時からだろう…
いろいろと思いにふけっていると近くに居るのに会話がない時間が続いていることに気がつく
なんとか話題を出そうと先ほどから少し疑問に思っていたことを持ちだした。
「何でお前俺の帰宅時間分かったんだ…俺が駅についた途端迎えに来ていたし…」
「あぁ…何となくもうすぐアッシュが帰ってくる気がしたんだ。
そうしたら雨が降り出してたし、アッシュ傘持ってないだろ?双子の感ってやつ?」
何故アッシュが傘を持っていないことを断言できるのかがわからない。
もしかしたら鞄に折りたたみを入れているかもしれないのに…そこもルークの言う
双子の感というものなのだろうか…
そこから他愛もない話が少しだけど続いていた。
周りは喫茶店やファーストフード店が並び少しお腹が減っていたが
二人の会話からはどこか寄ろうという話はでなかった。
そんな二人の会話を遮る音がルークのポケットから流れ始めた。
「おい…携帯が鳴ってるぞ…ずっと鳴っているから電話じゃないのか?」
「え?あ、本当だ。誰だろう?」
ルークの着信音は昔から変らない。
めんどうだからといってメールも電話も同じ曲を使っているが
使っている曲は初めて携帯を持ち始めたころからずっとかわらないでいた。
前に何故その曲なのかと聞いたところ
『俺達二人のことを歌ってるみたいな曲だから』と顔が赤くなってしまうような回答が帰ってきた。
おかげで街中でその曲が流れたり、ガラス玉をみたりすると自然と頭にルークの顔が浮かんでしまう
もうこれは一種の病気ではないかとアッシュは心配になっていた。
そんなルークの着信音はずっと鳴り続けている。
電話の相手はどれだけルークに急ぎの用事なのかと思っていたが
相手の名前を聞いた途端アッシュの額に皺が増えた。
「あ、ユーリから電話だ…何だろう?」
「なんだと…」
空いている手でルークから携帯を取り上げるとディスプレイに浮かぶ名前は
確かに「ユーリ」と浮かんでいる。
アッシュは少し辺りを伺ったがルークのが居る位置で顔を止め黒い笑顔で笑ったが
その笑顔はルークの方を向いているがルークに向けられたものではない。
アッシュは今も鳴り続けるルークの携帯の音を止め、ついでに電源も切り自分の鞄の中へと誘拐をした。
「え?ちょ、アッシュ何するんだよ!!!」
「うるせぇ…おい、少し走るぞ…」
アッシュは空いている手でルークの手と掴みそのまま全速力で走りだした。
「は?え?何で?ちょ、アッシュ?アッシュってばっ!!!」
ルークとアッシュは全身を濡らしながら夜の街を駆け抜け
家の前まで来るとやっとアッシュの足がとまった。
「ここまでくればもう安心か…」
「ぜぇ、はぁ…な、何が…安心なんだよ…」
「お前には関係ない…その前にお前…息切れすぎだ。運動不足なんじゃねぇのか?」
同じ距離を同じ速度で走ったにも関わらずアッシュは息を切らしていなかった。
その反対にルークはさきほどから息を切らしており少し苦しそうだが、
息を切らしていたルークだがすぐに元の息使いに戻ったあたり中々のものだ。
「うるせぇ…帰宅部に文句いうな。あーあー…折角迎えに来たのに全身濡れたじゃねぇか」
ルークとアッシュの身体全体が雨でぬれていた。
持っていた傘も走っていた為あまり役には立たなかった。
春から夏へ移り変わる時期の為ルークは薄着だ。
薄着の為雨でぬれた服はルークの身体のラインをはっきりと映し出す。
アッシュの中で何かが少しずつ熱くなっていくのがわかった…。
「うぅ…雨が苦い…やべっ…目に雨が入った…いてぇ…涙出てきた…」
「ほう…」
アッシュは何も言わず痛そうに目から出る涙を舌で舐め取り、
ルークはいきなりのアッシュの行動に驚いて顔を真っ赤にさせる。
「確かに…苦いな…いや、しょっぱいか?」
「ばかっ…何するんだ!!!ってかそれは雨じゃなくて俺の涙だ!!!」
「どっちも一緒だろ…ほら家に入るぞ」
そういうとアッシュは一人家へはいる為玄関の鍵を開け始めた。
「一緒じゃねぇよ!!人の話最後まで聞けっ!!!」
文句を言ってやろうとアッシュに食い付いたが、
扉を開けて出てきたガイに二人の姿を見られ怒られてしまった為アッシュに文句が言えなかった…。
玄関先でガイに怒られている時
アッシュは雨のあまり悪くないなと思っておりガイの話は全く耳に入っていなかった。
「あ、あれルークと…アッシュじゃないかい?」
「んぁ?」
練習試合の帰り道、雨が強く降ってきたので部員と一緒に入ったファーストフード店。
窓側に座っていたフレンが外を見ると見覚えのある赤毛二人を見つけたので
ポテトを食べていたユーリに声をかけた。
ユーリが外を見ると確かにルークとアッシュだった。
外は暗いし雨が降っていたのではっきりとはわからなかったが、
ユーリがルークを間違えるわけがなかった…アッシュは別として。
「あぁ…あれがアビス学園の主将アッシュさんか…」
フレンの隣に居た副主将のアスベルが後から窓の外を見る。
「アスベルはまだ顔合わせてなかったんだね」
「えぇ…ルークさんとは話しましたが…しかし、二人で同じ傘に入るって仲がいいんですね。」
いくら双子でも二人で同じ傘に入ることはほぼない…
ましてや男同士ならなおさらだ、二人のその帰り姿はまわりからはよほど仲がいいとわかる。
「へぇ…あの二人が喧嘩せずに帰るなんてめずらしいな…
まぁ、今日はこのまま二人で帰らせてやるか…」
少し寂しそうな瞳でルークとアッシュの姿を見るユーリ。
いつもならルークをからかいにアッシュとの間に入るが、
さすがにあんな仲がいい二人を見て割って入る気にはならないのだろう。
「うんうん。流石ユーリ…いくらルークのことを好きでも今日くらいは…」
「なーんてな…」
ユーリは食べていたポテトを食べ終わると鞄から携帯を取り出した。
目の前にいたアスベルとフレンは嫌な予感を肌で感じる。
「この俺がそんなお優しいことすると思ってるのかよ…」
さっきまで寂しそうだった瞳が面白いおもちゃを見つけた時の瞳に変化した。
そして慣れた手つきで携帯に登録されている人物に電話をかけ始めた。
フレンがルークの方を向くと同時にルークがポケットから携帯を取り出したのが確認できる。
「ゆ、ユーリ…まさかルークに…」
「ルークに大事な用があったのを思い出してな」
そういいながらユーリは黒い笑顔をフレンに向ける。
ユーリの性格はかなり大人な性格のはずだが、
たまに子供っぽい性格になるのがまだまだ自分達は未成年だと実感できる。
ルーク達の様子をみているといきなりアッシュがルークの携帯を取りあげて
周りを見渡しこちらに顔を向けて何やら黒い笑顔で笑いかけてきた。
あの顔はこっち側に気が付いている顔だ。
そして何やらルークの携帯を触って操作しはじめた。
「え?なっ…あいつ電話切りやがった!!!電源まで落としてやがる…」
「さ、流石アッシュ…容赦ないな…」
「アッシュさんは何でこっちに気がついたんだ…?」
「そこは魔王と王子間柄だからかな?」
「おい、フレン…あいつとの間柄とか…きもいこというなっ…!!!って、あっ!!!」
ユーリがアッシュを睨みつけていると
アッシュはルークの手を掴み夜の街へと走っていった。
その走りはどこか勝ち誇ったような走りだ。
今から追いかけてもきっと間に合わないだろう…そんな速さでもあった。
「あーあー…行ってしまたね。」
「はぁ…いいさ、明日デートするから。」
「約束してたのかい?」
「いや、してない。明日会いに行ってそのまま出かける」
フレンとアスベルは苦笑いしかでなかった。
けどどこか楽しそうなユーリにフレンは少し嬉しそうにユーリを見つめる。
大人しく今日は終わるはずだったが、次の一言で嵐が再び蘇った。
「まぁ、今日は魔王の勝ちってことだな」
アスベルのその一言にユーリの顔が険しくなった
「誰が、いつ、どこで、誰に負けただって?」
「え?あ、いや…そのっ…」
「アスベル…寮に帰ったら覚悟しておけよ…」
その後寮に戻ったアスベルがどうなったかは誰もしらない。
いや、フレンは知っているようだったがその話になると一目散に逃げてしまうので迷宮入りとなった。
俺は依頼の途中で立ち寄った村で若い男女のカップルに目が止まった。
「あ、よしりんったら口にクリームついてるよぉ~。私が取ってあげる。」
「え?ミッチーったら優しいなぁ~。ありがと、ちゅっ♪」
付き合い始めたばかりのカップルなのだろうか、それとも新婚夫婦なのだろうか…
どちらにせよとても幸せそうなカップルだ。
その姿を横目でみながら俺より前を行く黒い狼…もとい俺の恋人に目をやる。
付き合い始めて日は浅いけど俺達だってあのカップルに負けないくらい…………
やばい、俺達付き合い始めてからあんな恋人の行為したことねぇ…。
二人で出かけたり…その恋人ならすることいろいろと…
「ど、どうしよう…」
何故かあのカップルに負けた気がしてムカついてきた…
ぺ、ペアルックのTシャツとかなんか羨ましくないんだからなっ!!!
俺だって…俺だってやれればでき……る……と思う…。
「おーい、雨降ってきたから走って戻るぞ…ルーク…聞いてるのかルーク?」
その時ユーリの言葉は届かず俺の身体は雨に打たれ少し冷たくなってしまった。
恋愛×相談×一騎討
「ってなわけで…どうしよう…。まず何をしたらいいんだろう…」
「難しい話だよな…」
「恋人って何をするんだ?」
「いや、ルーク…僕達に相談してくれるのは嬉しいけど…
相談相手間違えてないかい?」
ルークは目を何度も瞬きをさせ自分の周りにいる友人達を見まわした。
ここはバンエルティア号の食堂。
今ここに居るのは先ほどまで剣の手合わせを一緒にしていたメンバーである
クレス、ロイドそしてディセンダーのアレンである。
確かにクレスの言うようにあまり恋愛相談には適していないメンバーばかりだ。
ロイドは攻略王のくせに相手が自分のことを思っていても気がつかないタイプだし、
ディセンダーアレンにいたっては生まれて1年もたっていない…唯一会話ができるクレスだが…………
ミントとの関係を見ればあまり恋愛相談相手としてはお勧めできる相手ではない。
「大丈夫だって。俺達でお前の悩みちゃんと解決してやるからな!!」
「ろ、ロイド~…」
嬉しさのあまりルークはロイドに飛びつき友情を確かめ合うが、
ユーリがこの場に居たら「浮気だ」と言ってロイドが大変な目にあっていたかもしれない…。
「よーし、早速作戦会議だ!!」
「「おー」」
ロイドの掛け声にルークとアレンは利き腕を大きくあげた。
そんな様子にクレスはため息しかでない確かにクレスもルークの悩みを解決してあげたい…
前のルークならば自分達にこんな相談などけっしてしてこなかったからなおさらである。
けど、しかし…
いろいろな不安を抱えながらもクレスも作戦会議(?)に参加することにした。
作戦その1~デートに誘う~ロイド案
ルークの話を聞いていると付き合い始めてから二人っきりで出かけたことがないらしい。
依頼などでよく一緒にいる二人だったが、依頼の時はアレンを含めた3人または4人で出かけるので
ロイドとクレスもよく考えれば二人ででかけているところを見たことがなかった。
むしろ二人きりになれないのはどっかの甘えたで、寂しがり屋で、
空気なんて読むスキルを持たない世界を救った英雄のおかげ(?)だが…
「いいか?さりげなくだぞ…さりげなーく二人で出かけようっていうんだぞ」
「お、おぅ」
「ルーク、がんば!!」
「いや、恋人同士なんだからさりげなくしなくても…」
ボケ:ツッコミ=3:1な為クレスの必死のツッコミも3人には届いていない。
ユーリ相手ならツッコミになるルークだったが、他のメンバーといるとどうしてもボケ側に回ってしまう。
この時点ですでにクレスは部屋に戻りたい気持ちでいっぱいだが、
友人を見捨てることなどできずにこのスキだらけの作戦に付き合っている。
このルークの恋愛相談が終わるころに彼の胃に穴があいていないかがとても心配だ。
そんなクレスの様子に気がついていないルークはバンエルティア号内にいるユーリを探していると
丁度廊下で発見をしたのでルーク以外のメンバーは物陰に隠れ様子を見る。
ユーリにおそるおそる近づいていくルークだったが、めちゃくちゃ怪しい近づき方である…
緊張のあまり右手と右足、左手と左足と同時に出ている…
もちろんユーリはすぐにルークの存在に気がついたが、
そのルークの行動に少し驚きの表情を見せながらも優しそうな表情でルークに声をかけてきた。
「よぅ、ルーク。なーに楽しそうな顔してるんだ?」
「お、俺のどこが…楽しそうに見えるんだよ…」
「真っ赤になってる顔とか?」
ルークは慌てて自分の顔を両手で半分隠した。
物陰から様子を見ている3人からもルークの顔が赤いのがわかってしまう。
どれだけ顔に出やすい人なんですか。
顔を半分隠していたルークは気を取り直してユーリの目を見てデートに誘おうと口を動かそうとするが
まるで自分の口ではないかのように動かない…
「あ、あの…あのさ…ユーリ…えっと…その…」
「ん?どうした?」
ますます顔を赤くしながら口を動かすルークの姿が面白いのか
ユーリはとても楽しそうな表情を浮かべながらルークの言葉を待っている。
物陰から見ている3人は小さい声で「がんばれ」と応援している。
やっとの思いでユーリを誘う言葉が出たが……
「い、今から…お、俺とでーt…「おーい、ユーリ。」
ルークの声はユーリの後から来たフレンによって阻まれてしまった。
「ん?フレンどうした?」
「エステリーゼ様が手伝ってほしいことがあるって部屋で呼んでいるよ。」
「あぁ…わかった。悪いなルーク…またあとで話聞くからな。」
そう言うとユーリはルークの頭を優しく撫でるとエステルの待つ部屋へと走っていった。
残されたルークは唖然としている…多分ユーリにはルークの言葉は届いていない、
もし届いていたならきっとルークを優先しているからだ。
「ルーク様こんにちは…あ、あのどうかされましたか?」
「ふ、フレンなんて…」
「え?」
「フレンなんて大っきらいだあああああああああああああああ!!!!」
「えぇ!!!???ちょ、ルーク様!!!???」
ルークは泣きながらその場を走って逃げ、
大っきらいと言われてしまったフレンはその場から動くことができないでいた。
物陰から見ていた3人は深いため息しか出すことができなかった…
作戦その2~手を繋ぐ~クレス案
先ほどのルークを見ているとデートを誘うのも高レベルと感じたので
少しレベルを下げてみることにした。
何だかんだと言いながらクレスもいろいろと案を出してくれているようだ。
だが…
「よし、さっきみたいに行ってくる」
「いやいや、いきなり手を繋いでってあやしくないかい?」
「おう、がんばってこい!!」
「ふぁいとー」
「ちょ…君達人の話聞いてくれないか?」
クレスがどれだけまともな案を出しても行動する人間にいろいろと問題がある。
やはりミントあたりでも救援を呼ぶべきだったといまさらながら後悔しているがいまさら遅い。
本日2度目のユーリ探しをしていると、
丁度エステルの部屋から出てきているところを発見した。
ルークは意を決してユーリに向かう…
その姿は先ほどとは難易度が下がった為かぎこちなさも多少は抜けているが
普段の彼を知っている者からすれば怪しさは全く抜けていない。
しかし、いきなり廊下で手を繋いでくれとは…
まるでアイドルに出くわして嬉しさのあまり握手を求める女子高生ファンに見えてしまう。
変った動きをしながら自分に近づいてくるルークが視界に入ったユーリは
思わず吹き出して笑ってしまった。
ルークがすぐ顔や行動に出てしまうことは知っていたユーリだが、
あまりのルークの可愛らしい行動に笑いが止まらないでいる。
「ゆ、ユーリ何笑っているんだい?」
「いや…だって…あいつ…っく…やべぇ…笑い死にそう…っぷ…」
「ギルドに戻ってきたルークはとても素直で可愛らしいです。」
「そのルーク様にさっき大っきらいって言われた僕は一体…」
ルークの行動を見てエステルはほほえましく笑い、
フレンは先ほどのダメージがまだ残っているのかあたりに火の玉を飛ばしながら落ち込んでいる。
なんとか笑いを沈めたユーリは普段の2倍以上かかって自分の目の前にまでたどり着いた恋人の頭をまた優しく撫でる。
付き合い始めてからこの頭をなでる行動がとても多くなった気がする…
「よっ、さっきは悪かったな話の途中で…で?俺に用があるんだろ?何だ?」
「さ、さっきとは…違う話…で…」
「ん?さっきの話はもういいのか?」
優しい表情をしてルークの話を聞くユーリの姿にエステルは少し笑ってしまった。
彼との付き合いは長いがこんな表情を見せるユーリを見るのは初めてだったからだ。
ユーリと付き合うようになってルークはとても変った、
けどそれと同じくらいユーリもいろいろと変ったのだ…周りは気がついていないかもしれないけど
付き合いの長い友人達だけわかる変化…言葉には出せない変化だが確実にユーリが今まで持っていなかったものが芽生えたのだ。
だからエステルはルークにとても感謝している…
ユーリではないがエステルも必死になってユーリに何かを伝えたいと努力するルークの姿を見て口元が少し緩んでしまう。
「あ、あのさ…て…」
「て?てって何だ?」
「その…あの…えっと…手…っ!!!!」
「手って…あ、ユーリ右腕のところ怪我しているよ。」
「ん?どこだ?」
フレンに指摘され右腕を見ると少しかすり傷ができていた。
「あー…さっきから右腕が少し変な感じすると思ってたら…怪我してたのか…気がつかなかったな」
「え?あ…えぇ???」
思わぬ方向に話が進んでしまいルークはどうすればいいか迷い焦っている。
物陰に隠れていた3人は作戦失敗と判断し戻ってこいと小声で呼びかけているがルークには聞こえていない…。
「あ、すぐ手当しますね。」
エステルが回復魔法でユーリの怪我をすぐに治してすと笑顔でルークに話しかけてた。
「私達も気がついていませんでした。流石ルークです」
「あぁ…俺も気がついてなかった。ありがとうな。」
「へっ?え?いや…そのちがっ…あ…う、うん…」
好きな人にお礼を言われ嬉しいはずなのにルークの心の中はますます重くなる。
本当は違うことを伝えたかったのに伝えれず、
ユーリの顔をまともに見ることが今はできないでいた。
「あ、あのルーク様…さきほど僕のこと嫌いって言われた原因ですが…」
「お前…ルークに何かしたのか?いくらお前でも…」
「別に何もしていないよ!!ですよね…ルーク様…」
隣から殺気を出している友人の誤解を解いて貰おうとルークに話しかけたが、
ルークは鋭い目つきでフレンを睨みつけた。
その瞳には少し涙を浮かべている。
「ふ、フレンの…お邪魔虫いいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「えぇ!!??ちょ、ルークさまああああああああああああああああ!!!!???」
それだけを言うとルークはまたその場から逃げだした。
物陰に隠れていた3人は慌てて姿を現してルークの後を追いかける。
「あ、ルークそっちは壁…!!!!」
クレスの言葉もむなしくルークは壁に激突してしまい、
痛そうに顔を抑えながらその場を離れていった。
「ルーク~…俺今ビショップだから回復できるから待てってば」
「あぁ~…また作戦失敗か…」
クレス、ロイドそしてアレンも急いでルークの後を追いかけてその場を去って行った。
残された3人は頭の上に「?」マークしか浮かんでいない。
「作戦って…何のことです?」
「さぁな…?何してるんだあいつら…っておーい、フレーン生きてるかぁ?」
フレンにはユーリの言葉は届いていないようで、またその場で固まって動けないでいた。
作戦その3~あだ名で呼ぶ~アレン案
「え?あだ名で呼ぶってどこが恋人の行為なんだい?」
友人同士であだ名で呼ぶ人だってこの世には多い為クレスにとっては全然恋人っぽいことではないと思っていたが
他のメンバー達はどうやら違っているようだ。
「た、確かに…愛称とかで呼ぶって恋人って感じだよな」
「あぁ…俺が今日見かけた馬鹿っぷるもあだ名で呼び合ってたし」
「でしょでしょ♪」
「そ、そういうものなのかな…?うん…言われてみれば僕もそんな気がしてきたよ」
このメンバーと長いこと居ると唯一常識人であるクレスの神経も麻痺してしまうのか
だんだん感覚が他のメンバーと同じようになってきた。
クレスさん戻ってきてください。ボケばっかりだとそれはそれで苦痛なんです。
「でもあだ名って何にすればいいんだ?」
ロイドに言われルークとクレスが頭を悩ませているとアレンが元気よく手を挙げた。
「はいはーい。ユーミンとかは?」
「「「それはダメだろ」」」
それだと某芸能人になるし、むしろ原型が「ユー」しか残っていないため
速攻で却下されました。
アレンは結構自信があったのか却下され少しふてくされた顔を見せる。
いろいろと無い知恵を出し合った結果「ユーリン」と呼んでみることになった。
本人の居ないところでむしろ無許可であだ名を決めるのもどうかと思いますが…。
作戦を始めようとした時、クレスが隣に居たルークの異変に気がついた。
「ルーク…顔赤いけど大丈夫かい?」
「え?あ…まだ緊張してるのかもな…大丈夫、大丈夫。」
笑顔でクレスを心配かけないように笑ったが、
実は少し先ほどから身体が熱かった…緊張して顔が赤くなるものではない。
けど、自分の我儘で付き合ってもらっているのだから自分のせいで終わらせるわけにはいかなかった。
早速本日3度目のユーリ探しを始めたルークだったが、
意外にもユーリはすぐに見つかった。
見つかった場所は自分達が作戦会議をしていたルークが使っている部屋、
正式にはルーク、ユーリ、フレン、アレン達が使っている部屋のすぐそばで見つけた。
もともとはルークとユーリは別の部屋だったが、
ライマ国のメンバーがギルドを脱退し
ルークだけが戻ってきた時に部屋割りを少し変えたので今はこの部屋割りだ。
「お、部屋に戻ってきてたのか…お前今日変だけど…大丈夫か?」
「あぁ…大丈夫…だよ…ゆ、ゆ…ユーリ…じゃなくて…えっとその…ゆーり………んんっ…」
ユーリンと言えたとかと思えばルークは目の前に居たユーリにもたれるように倒れた。
「え?あ、おい!!!どこが大丈夫なんだ!!しっかりしろっ!!!」
「ふぇ~…あ、熱い…もう、だめ…」
部屋に居たクレス、ロイドそしてアレンは慌てて部屋の外に飛び出してルークの様子を確かめた。
「さっきから顔が赤いと思えば…熱があるじゃないか…」
「えぇ…!?熱!?えっと…じゃぁ…タイダルうぇーb「うわぁっ!!!ちょっとそれはまったああああああ」
水属性の大魔法を無詠唱で唱えようとしていたアレンの口を
間一髪ロイドが押さえて詠唱を止めた。
こんなところを水浸しにしたらどんな理由であれアンジュからきついお仕置きを頂くのが目に見えていたからだ。
「と、とにかく部屋に運ぶぞ…って、お前ら…今日のこいつの行動しっかり説明してもらうからな…」
「「「は、はい…」」」
ユーリは倒れこんだルークを抱きかかえると部屋のベッドまでルークを運んだ。
重い瞳をあけると目の前に広がっているのは見覚えのある天井。
天井には毎日のように見るシミが点々とある…そうここはルークが使っている部屋と判断できる。
「あれ…?ここは…?」
「お、気がついたのか?」
愛おしい声がしたのでそちらに顔を向けると、
ユーリが読みかけていた本を閉じてベッドの脇にまで近寄ってきた。
「ゆ、ユーリ…あれ?俺…どうしたんだ?」
ベッドの脇に座ったユーリが優しくルークの頭をなでる。
普段ユーリとそれほど体温は変わらないはずなのにユーリの手がとても冷たくて気持ちがいい…。
「いきなり倒れたんだよ…普段つかわねぇ頭使うから…」
「…普段頭使わないと熱出るのか?あ、俺知ってる知恵熱って…やつ?」
「っふ…お前ほんと面白いな…嘘に決まってるだろ。だいたい知恵熱は子供だけが発熱するんだよ…
お前のはただの風邪。今日午前中に雨に打たれてちゃんと身体拭かなかったからだろ。」
「………………ちゃんと拭いた………多分。」
確かにいろいろと考え事をしていてちゃんと濡れた身体を拭かなかった気がした。
まさかの事態にルークは恥ずかしさのあまり布団を頭までかぶしたが、
ユーリによってはぎとられてしまった。
「お前、俺のことユーリンって呼ぶんじゃなかったのか?」
「あ、忘れてた…って何でお前知ってるんだ?」
「アレン達から全部聞いた。まぁそんなあだ名言ったらお前をめちゃくちゃにいじめてたかもな。」
黒い頬笑みでルークに笑いかけると
熱からくる寒さとは別の寒さがルークの身体を包み込んだ。
言わなくて正解だったようだ。
「たっく…くだらないことで悩むなよ…」
「く、くだらないことって言うな…これでも必死で…」
「へいへい。そりゃどーもすみませんでした。」
「んっ…」
ルークはユーリに対して言いたいことが山ほどあったがそれは言えなかった。
何故ならルークの口はユーリによってふさがれしまったのだから…
「キスだって…恋人のする行動じゃないか?」
「うっ…そうだけど…」
そういえば自分は何故悩んでいたのだろうか…
ルークの中で悩んでいた種はいつしかだんだんとどうでもよくなってきてしまった。
「なぁ…ユーリ…」
「ん?何だ?」
「もっと…キスして…」
「あぁ…いいぜ…」
甘えるようにキスをねだるとユーリは優しくルークにキスを落とす。
「これで満足か?」
「全然。もっと…」
「おいおい…仕方ねぇなぁ…」
しかし、1度では物足りないのか何度も何度も甘えるようにねだる。
もう何回キスしたかわからなくなってきてしまい、
ついにはユーリの方が顔を赤く染めてしまう。
「お前…病人のくせに…人を煽るんじゃねぇよ。」
「あおる…?俺煽ってなんか…んっ…」
さっきまでしてた軽いキスとは違うとても長いキス…
こんな長いキスなんてしたことがないルークは息継ぎの仕方が分からずだんだんと苦しくなってくる。
離れろとユーリの背中を叩くが一向に離れる気配がない。
やっと離したと思えば何故かユーリはルークに覆いかぶさるようにベッドの上に乗っかってきた。
「っは…く、苦しかった…え?ユーリ…何するんだ?」
「いつまでも子供向けの行為に満足できないやつには…少し大人の行為を教えてやろうかと」
「え?お、大人…????」
ユーリはルークが羽織っていた布団を少しどかせると一枚しかきていない黒色のシャツに手を当てる。
触られたところがなんだかとても冷たくて変な感触がする…
「思春期超えた男ならわかるだろ…男女の恋人がする最後の行為…」
少し考えていたルークだったが、一つ思い当たる行為があったのか顔を真っ赤にさせた。
「え?えぇ!?馬鹿…!!あれは異性がするもので俺達同性っ…!!!」
「何だ知らないのか?同性でもできるんだぞ」
「えぇ!!!???」
おめでとう。ルークは一歩大人にレベルアップをした。
嬉しい一歩なのか、悲しい一歩なのかはわからないが…
「ってなわけで…今日からお前も大人の仲間入りだな…煽ったお前が悪いんだぜ」
「ちょ、ユーリ…タイムタイム!!!俺まだそんな心の準備が…ユーリってばっ!!!」
ルークの首にキスを落としてくるユーリを必死に止めようとするが、
身体が思うように動かない…熱のせいなのだろうか、または自分の身体が本当は望んでいるからなのか…
今は必至にユーリを止めようとしていた時ノックの音が聞こえ部屋の扉が開いた。
「ユーリ、これ風邪薬…医務室からもらって………え?」
入ってきたのは同室メンバーであるフレンだった。
フレンは二人がベッドの上で重なっている姿を見てどのような行為が行われていようとしたか
すぐにわかったため顔を真っ赤にさせた…。
「フレン…お前…」
邪魔をされ親友のフレンを睨みつけ、
ユーリの下では見られた恥ずかしさのあまり風邪から来る熱より赤い顔をしたルークが
口を金魚のように動かして固まっている。
「え?あ…いや、その…ご、ごめん…あ、僕よ、用事を思い出したから失礼するよ。」
風邪薬を部屋に投げ入れフレンは一目散にその場から逃げたが、
フレンの声で我に戻ったルークは自分の上にいるユーリを睨みつけた。
「このっ…エローウェル!!!!!!!!!!!!!」
「っぅあ!!!いてぇ!!!!!」
その後クエストカウンターには右側に平手打ちをされたあとを付けたユーリが
フレンとの一騎打ち依頼を申し込む姿が目撃された。
「あ、よしりんったら口にクリームついてるよぉ~。私が取ってあげる。」
「え?ミッチーったら優しいなぁ~。ありがと、ちゅっ♪」
付き合い始めたばかりのカップルなのだろうか、それとも新婚夫婦なのだろうか…
どちらにせよとても幸せそうなカップルだ。
その姿を横目でみながら俺より前を行く黒い狼…もとい俺の恋人に目をやる。
付き合い始めて日は浅いけど俺達だってあのカップルに負けないくらい…………
やばい、俺達付き合い始めてからあんな恋人の行為したことねぇ…。
二人で出かけたり…その恋人ならすることいろいろと…
「ど、どうしよう…」
何故かあのカップルに負けた気がしてムカついてきた…
ぺ、ペアルックのTシャツとかなんか羨ましくないんだからなっ!!!
俺だって…俺だってやれればでき……る……と思う…。
「おーい、雨降ってきたから走って戻るぞ…ルーク…聞いてるのかルーク?」
その時ユーリの言葉は届かず俺の身体は雨に打たれ少し冷たくなってしまった。
恋愛×相談×一騎討
「ってなわけで…どうしよう…。まず何をしたらいいんだろう…」
「難しい話だよな…」
「恋人って何をするんだ?」
「いや、ルーク…僕達に相談してくれるのは嬉しいけど…
相談相手間違えてないかい?」
ルークは目を何度も瞬きをさせ自分の周りにいる友人達を見まわした。
ここはバンエルティア号の食堂。
今ここに居るのは先ほどまで剣の手合わせを一緒にしていたメンバーである
クレス、ロイドそしてディセンダーのアレンである。
確かにクレスの言うようにあまり恋愛相談には適していないメンバーばかりだ。
ロイドは攻略王のくせに相手が自分のことを思っていても気がつかないタイプだし、
ディセンダーアレンにいたっては生まれて1年もたっていない…唯一会話ができるクレスだが…………
ミントとの関係を見ればあまり恋愛相談相手としてはお勧めできる相手ではない。
「大丈夫だって。俺達でお前の悩みちゃんと解決してやるからな!!」
「ろ、ロイド~…」
嬉しさのあまりルークはロイドに飛びつき友情を確かめ合うが、
ユーリがこの場に居たら「浮気だ」と言ってロイドが大変な目にあっていたかもしれない…。
「よーし、早速作戦会議だ!!」
「「おー」」
ロイドの掛け声にルークとアレンは利き腕を大きくあげた。
そんな様子にクレスはため息しかでない確かにクレスもルークの悩みを解決してあげたい…
前のルークならば自分達にこんな相談などけっしてしてこなかったからなおさらである。
けど、しかし…
いろいろな不安を抱えながらもクレスも作戦会議(?)に参加することにした。
作戦その1~デートに誘う~ロイド案
ルークの話を聞いていると付き合い始めてから二人っきりで出かけたことがないらしい。
依頼などでよく一緒にいる二人だったが、依頼の時はアレンを含めた3人または4人で出かけるので
ロイドとクレスもよく考えれば二人ででかけているところを見たことがなかった。
むしろ二人きりになれないのはどっかの甘えたで、寂しがり屋で、
空気なんて読むスキルを持たない世界を救った英雄のおかげ(?)だが…
「いいか?さりげなくだぞ…さりげなーく二人で出かけようっていうんだぞ」
「お、おぅ」
「ルーク、がんば!!」
「いや、恋人同士なんだからさりげなくしなくても…」
ボケ:ツッコミ=3:1な為クレスの必死のツッコミも3人には届いていない。
ユーリ相手ならツッコミになるルークだったが、他のメンバーといるとどうしてもボケ側に回ってしまう。
この時点ですでにクレスは部屋に戻りたい気持ちでいっぱいだが、
友人を見捨てることなどできずにこのスキだらけの作戦に付き合っている。
このルークの恋愛相談が終わるころに彼の胃に穴があいていないかがとても心配だ。
そんなクレスの様子に気がついていないルークはバンエルティア号内にいるユーリを探していると
丁度廊下で発見をしたのでルーク以外のメンバーは物陰に隠れ様子を見る。
ユーリにおそるおそる近づいていくルークだったが、めちゃくちゃ怪しい近づき方である…
緊張のあまり右手と右足、左手と左足と同時に出ている…
もちろんユーリはすぐにルークの存在に気がついたが、
そのルークの行動に少し驚きの表情を見せながらも優しそうな表情でルークに声をかけてきた。
「よぅ、ルーク。なーに楽しそうな顔してるんだ?」
「お、俺のどこが…楽しそうに見えるんだよ…」
「真っ赤になってる顔とか?」
ルークは慌てて自分の顔を両手で半分隠した。
物陰から様子を見ている3人からもルークの顔が赤いのがわかってしまう。
どれだけ顔に出やすい人なんですか。
顔を半分隠していたルークは気を取り直してユーリの目を見てデートに誘おうと口を動かそうとするが
まるで自分の口ではないかのように動かない…
「あ、あの…あのさ…ユーリ…えっと…その…」
「ん?どうした?」
ますます顔を赤くしながら口を動かすルークの姿が面白いのか
ユーリはとても楽しそうな表情を浮かべながらルークの言葉を待っている。
物陰から見ている3人は小さい声で「がんばれ」と応援している。
やっとの思いでユーリを誘う言葉が出たが……
「い、今から…お、俺とでーt…「おーい、ユーリ。」
ルークの声はユーリの後から来たフレンによって阻まれてしまった。
「ん?フレンどうした?」
「エステリーゼ様が手伝ってほしいことがあるって部屋で呼んでいるよ。」
「あぁ…わかった。悪いなルーク…またあとで話聞くからな。」
そう言うとユーリはルークの頭を優しく撫でるとエステルの待つ部屋へと走っていった。
残されたルークは唖然としている…多分ユーリにはルークの言葉は届いていない、
もし届いていたならきっとルークを優先しているからだ。
「ルーク様こんにちは…あ、あのどうかされましたか?」
「ふ、フレンなんて…」
「え?」
「フレンなんて大っきらいだあああああああああああああああ!!!!」
「えぇ!!!???ちょ、ルーク様!!!???」
ルークは泣きながらその場を走って逃げ、
大っきらいと言われてしまったフレンはその場から動くことができないでいた。
物陰から見ていた3人は深いため息しか出すことができなかった…
作戦その2~手を繋ぐ~クレス案
先ほどのルークを見ているとデートを誘うのも高レベルと感じたので
少しレベルを下げてみることにした。
何だかんだと言いながらクレスもいろいろと案を出してくれているようだ。
だが…
「よし、さっきみたいに行ってくる」
「いやいや、いきなり手を繋いでってあやしくないかい?」
「おう、がんばってこい!!」
「ふぁいとー」
「ちょ…君達人の話聞いてくれないか?」
クレスがどれだけまともな案を出しても行動する人間にいろいろと問題がある。
やはりミントあたりでも救援を呼ぶべきだったといまさらながら後悔しているがいまさら遅い。
本日2度目のユーリ探しをしていると、
丁度エステルの部屋から出てきているところを発見した。
ルークは意を決してユーリに向かう…
その姿は先ほどとは難易度が下がった為かぎこちなさも多少は抜けているが
普段の彼を知っている者からすれば怪しさは全く抜けていない。
しかし、いきなり廊下で手を繋いでくれとは…
まるでアイドルに出くわして嬉しさのあまり握手を求める女子高生ファンに見えてしまう。
変った動きをしながら自分に近づいてくるルークが視界に入ったユーリは
思わず吹き出して笑ってしまった。
ルークがすぐ顔や行動に出てしまうことは知っていたユーリだが、
あまりのルークの可愛らしい行動に笑いが止まらないでいる。
「ゆ、ユーリ何笑っているんだい?」
「いや…だって…あいつ…っく…やべぇ…笑い死にそう…っぷ…」
「ギルドに戻ってきたルークはとても素直で可愛らしいです。」
「そのルーク様にさっき大っきらいって言われた僕は一体…」
ルークの行動を見てエステルはほほえましく笑い、
フレンは先ほどのダメージがまだ残っているのかあたりに火の玉を飛ばしながら落ち込んでいる。
なんとか笑いを沈めたユーリは普段の2倍以上かかって自分の目の前にまでたどり着いた恋人の頭をまた優しく撫でる。
付き合い始めてからこの頭をなでる行動がとても多くなった気がする…
「よっ、さっきは悪かったな話の途中で…で?俺に用があるんだろ?何だ?」
「さ、さっきとは…違う話…で…」
「ん?さっきの話はもういいのか?」
優しい表情をしてルークの話を聞くユーリの姿にエステルは少し笑ってしまった。
彼との付き合いは長いがこんな表情を見せるユーリを見るのは初めてだったからだ。
ユーリと付き合うようになってルークはとても変った、
けどそれと同じくらいユーリもいろいろと変ったのだ…周りは気がついていないかもしれないけど
付き合いの長い友人達だけわかる変化…言葉には出せない変化だが確実にユーリが今まで持っていなかったものが芽生えたのだ。
だからエステルはルークにとても感謝している…
ユーリではないがエステルも必死になってユーリに何かを伝えたいと努力するルークの姿を見て口元が少し緩んでしまう。
「あ、あのさ…て…」
「て?てって何だ?」
「その…あの…えっと…手…っ!!!!」
「手って…あ、ユーリ右腕のところ怪我しているよ。」
「ん?どこだ?」
フレンに指摘され右腕を見ると少しかすり傷ができていた。
「あー…さっきから右腕が少し変な感じすると思ってたら…怪我してたのか…気がつかなかったな」
「え?あ…えぇ???」
思わぬ方向に話が進んでしまいルークはどうすればいいか迷い焦っている。
物陰に隠れていた3人は作戦失敗と判断し戻ってこいと小声で呼びかけているがルークには聞こえていない…。
「あ、すぐ手当しますね。」
エステルが回復魔法でユーリの怪我をすぐに治してすと笑顔でルークに話しかけてた。
「私達も気がついていませんでした。流石ルークです」
「あぁ…俺も気がついてなかった。ありがとうな。」
「へっ?え?いや…そのちがっ…あ…う、うん…」
好きな人にお礼を言われ嬉しいはずなのにルークの心の中はますます重くなる。
本当は違うことを伝えたかったのに伝えれず、
ユーリの顔をまともに見ることが今はできないでいた。
「あ、あのルーク様…さきほど僕のこと嫌いって言われた原因ですが…」
「お前…ルークに何かしたのか?いくらお前でも…」
「別に何もしていないよ!!ですよね…ルーク様…」
隣から殺気を出している友人の誤解を解いて貰おうとルークに話しかけたが、
ルークは鋭い目つきでフレンを睨みつけた。
その瞳には少し涙を浮かべている。
「ふ、フレンの…お邪魔虫いいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「えぇ!!??ちょ、ルークさまああああああああああああああああ!!!!???」
それだけを言うとルークはまたその場から逃げだした。
物陰に隠れていた3人は慌てて姿を現してルークの後を追いかける。
「あ、ルークそっちは壁…!!!!」
クレスの言葉もむなしくルークは壁に激突してしまい、
痛そうに顔を抑えながらその場を離れていった。
「ルーク~…俺今ビショップだから回復できるから待てってば」
「あぁ~…また作戦失敗か…」
クレス、ロイドそしてアレンも急いでルークの後を追いかけてその場を去って行った。
残された3人は頭の上に「?」マークしか浮かんでいない。
「作戦って…何のことです?」
「さぁな…?何してるんだあいつら…っておーい、フレーン生きてるかぁ?」
フレンにはユーリの言葉は届いていないようで、またその場で固まって動けないでいた。
作戦その3~あだ名で呼ぶ~アレン案
「え?あだ名で呼ぶってどこが恋人の行為なんだい?」
友人同士であだ名で呼ぶ人だってこの世には多い為クレスにとっては全然恋人っぽいことではないと思っていたが
他のメンバー達はどうやら違っているようだ。
「た、確かに…愛称とかで呼ぶって恋人って感じだよな」
「あぁ…俺が今日見かけた馬鹿っぷるもあだ名で呼び合ってたし」
「でしょでしょ♪」
「そ、そういうものなのかな…?うん…言われてみれば僕もそんな気がしてきたよ」
このメンバーと長いこと居ると唯一常識人であるクレスの神経も麻痺してしまうのか
だんだん感覚が他のメンバーと同じようになってきた。
クレスさん戻ってきてください。ボケばっかりだとそれはそれで苦痛なんです。
「でもあだ名って何にすればいいんだ?」
ロイドに言われルークとクレスが頭を悩ませているとアレンが元気よく手を挙げた。
「はいはーい。ユーミンとかは?」
「「「それはダメだろ」」」
それだと某芸能人になるし、むしろ原型が「ユー」しか残っていないため
速攻で却下されました。
アレンは結構自信があったのか却下され少しふてくされた顔を見せる。
いろいろと無い知恵を出し合った結果「ユーリン」と呼んでみることになった。
本人の居ないところでむしろ無許可であだ名を決めるのもどうかと思いますが…。
作戦を始めようとした時、クレスが隣に居たルークの異変に気がついた。
「ルーク…顔赤いけど大丈夫かい?」
「え?あ…まだ緊張してるのかもな…大丈夫、大丈夫。」
笑顔でクレスを心配かけないように笑ったが、
実は少し先ほどから身体が熱かった…緊張して顔が赤くなるものではない。
けど、自分の我儘で付き合ってもらっているのだから自分のせいで終わらせるわけにはいかなかった。
早速本日3度目のユーリ探しを始めたルークだったが、
意外にもユーリはすぐに見つかった。
見つかった場所は自分達が作戦会議をしていたルークが使っている部屋、
正式にはルーク、ユーリ、フレン、アレン達が使っている部屋のすぐそばで見つけた。
もともとはルークとユーリは別の部屋だったが、
ライマ国のメンバーがギルドを脱退し
ルークだけが戻ってきた時に部屋割りを少し変えたので今はこの部屋割りだ。
「お、部屋に戻ってきてたのか…お前今日変だけど…大丈夫か?」
「あぁ…大丈夫…だよ…ゆ、ゆ…ユーリ…じゃなくて…えっとその…ゆーり………んんっ…」
ユーリンと言えたとかと思えばルークは目の前に居たユーリにもたれるように倒れた。
「え?あ、おい!!!どこが大丈夫なんだ!!しっかりしろっ!!!」
「ふぇ~…あ、熱い…もう、だめ…」
部屋に居たクレス、ロイドそしてアレンは慌てて部屋の外に飛び出してルークの様子を確かめた。
「さっきから顔が赤いと思えば…熱があるじゃないか…」
「えぇ…!?熱!?えっと…じゃぁ…タイダルうぇーb「うわぁっ!!!ちょっとそれはまったああああああ」
水属性の大魔法を無詠唱で唱えようとしていたアレンの口を
間一髪ロイドが押さえて詠唱を止めた。
こんなところを水浸しにしたらどんな理由であれアンジュからきついお仕置きを頂くのが目に見えていたからだ。
「と、とにかく部屋に運ぶぞ…って、お前ら…今日のこいつの行動しっかり説明してもらうからな…」
「「「は、はい…」」」
ユーリは倒れこんだルークを抱きかかえると部屋のベッドまでルークを運んだ。
重い瞳をあけると目の前に広がっているのは見覚えのある天井。
天井には毎日のように見るシミが点々とある…そうここはルークが使っている部屋と判断できる。
「あれ…?ここは…?」
「お、気がついたのか?」
愛おしい声がしたのでそちらに顔を向けると、
ユーリが読みかけていた本を閉じてベッドの脇にまで近寄ってきた。
「ゆ、ユーリ…あれ?俺…どうしたんだ?」
ベッドの脇に座ったユーリが優しくルークの頭をなでる。
普段ユーリとそれほど体温は変わらないはずなのにユーリの手がとても冷たくて気持ちがいい…。
「いきなり倒れたんだよ…普段つかわねぇ頭使うから…」
「…普段頭使わないと熱出るのか?あ、俺知ってる知恵熱って…やつ?」
「っふ…お前ほんと面白いな…嘘に決まってるだろ。だいたい知恵熱は子供だけが発熱するんだよ…
お前のはただの風邪。今日午前中に雨に打たれてちゃんと身体拭かなかったからだろ。」
「………………ちゃんと拭いた………多分。」
確かにいろいろと考え事をしていてちゃんと濡れた身体を拭かなかった気がした。
まさかの事態にルークは恥ずかしさのあまり布団を頭までかぶしたが、
ユーリによってはぎとられてしまった。
「お前、俺のことユーリンって呼ぶんじゃなかったのか?」
「あ、忘れてた…って何でお前知ってるんだ?」
「アレン達から全部聞いた。まぁそんなあだ名言ったらお前をめちゃくちゃにいじめてたかもな。」
黒い頬笑みでルークに笑いかけると
熱からくる寒さとは別の寒さがルークの身体を包み込んだ。
言わなくて正解だったようだ。
「たっく…くだらないことで悩むなよ…」
「く、くだらないことって言うな…これでも必死で…」
「へいへい。そりゃどーもすみませんでした。」
「んっ…」
ルークはユーリに対して言いたいことが山ほどあったがそれは言えなかった。
何故ならルークの口はユーリによってふさがれしまったのだから…
「キスだって…恋人のする行動じゃないか?」
「うっ…そうだけど…」
そういえば自分は何故悩んでいたのだろうか…
ルークの中で悩んでいた種はいつしかだんだんとどうでもよくなってきてしまった。
「なぁ…ユーリ…」
「ん?何だ?」
「もっと…キスして…」
「あぁ…いいぜ…」
甘えるようにキスをねだるとユーリは優しくルークにキスを落とす。
「これで満足か?」
「全然。もっと…」
「おいおい…仕方ねぇなぁ…」
しかし、1度では物足りないのか何度も何度も甘えるようにねだる。
もう何回キスしたかわからなくなってきてしまい、
ついにはユーリの方が顔を赤く染めてしまう。
「お前…病人のくせに…人を煽るんじゃねぇよ。」
「あおる…?俺煽ってなんか…んっ…」
さっきまでしてた軽いキスとは違うとても長いキス…
こんな長いキスなんてしたことがないルークは息継ぎの仕方が分からずだんだんと苦しくなってくる。
離れろとユーリの背中を叩くが一向に離れる気配がない。
やっと離したと思えば何故かユーリはルークに覆いかぶさるようにベッドの上に乗っかってきた。
「っは…く、苦しかった…え?ユーリ…何するんだ?」
「いつまでも子供向けの行為に満足できないやつには…少し大人の行為を教えてやろうかと」
「え?お、大人…????」
ユーリはルークが羽織っていた布団を少しどかせると一枚しかきていない黒色のシャツに手を当てる。
触られたところがなんだかとても冷たくて変な感触がする…
「思春期超えた男ならわかるだろ…男女の恋人がする最後の行為…」
少し考えていたルークだったが、一つ思い当たる行為があったのか顔を真っ赤にさせた。
「え?えぇ!?馬鹿…!!あれは異性がするもので俺達同性っ…!!!」
「何だ知らないのか?同性でもできるんだぞ」
「えぇ!!!???」
おめでとう。ルークは一歩大人にレベルアップをした。
嬉しい一歩なのか、悲しい一歩なのかはわからないが…
「ってなわけで…今日からお前も大人の仲間入りだな…煽ったお前が悪いんだぜ」
「ちょ、ユーリ…タイムタイム!!!俺まだそんな心の準備が…ユーリってばっ!!!」
ルークの首にキスを落としてくるユーリを必死に止めようとするが、
身体が思うように動かない…熱のせいなのだろうか、または自分の身体が本当は望んでいるからなのか…
今は必至にユーリを止めようとしていた時ノックの音が聞こえ部屋の扉が開いた。
「ユーリ、これ風邪薬…医務室からもらって………え?」
入ってきたのは同室メンバーであるフレンだった。
フレンは二人がベッドの上で重なっている姿を見てどのような行為が行われていようとしたか
すぐにわかったため顔を真っ赤にさせた…。
「フレン…お前…」
邪魔をされ親友のフレンを睨みつけ、
ユーリの下では見られた恥ずかしさのあまり風邪から来る熱より赤い顔をしたルークが
口を金魚のように動かして固まっている。
「え?あ…いや、その…ご、ごめん…あ、僕よ、用事を思い出したから失礼するよ。」
風邪薬を部屋に投げ入れフレンは一目散にその場から逃げたが、
フレンの声で我に戻ったルークは自分の上にいるユーリを睨みつけた。
「このっ…エローウェル!!!!!!!!!!!!!」
「っぅあ!!!いてぇ!!!!!」
その後クエストカウンターには右側に平手打ちをされたあとを付けたユーリが
フレンとの一騎打ち依頼を申し込む姿が目撃された。
