旭屋本舗
ようこそいらっしゃいませ。
腐向けサイトですご理解のある方のみどうぞ。
始めての方はカテゴリー【What】をお読みください。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
俺は依頼の途中で立ち寄った村で若い男女のカップルに目が止まった。
「あ、よしりんったら口にクリームついてるよぉ~。私が取ってあげる。」
「え?ミッチーったら優しいなぁ~。ありがと、ちゅっ♪」
付き合い始めたばかりのカップルなのだろうか、それとも新婚夫婦なのだろうか…
どちらにせよとても幸せそうなカップルだ。
その姿を横目でみながら俺より前を行く黒い狼…もとい俺の恋人に目をやる。
付き合い始めて日は浅いけど俺達だってあのカップルに負けないくらい…………
やばい、俺達付き合い始めてからあんな恋人の行為したことねぇ…。
二人で出かけたり…その恋人ならすることいろいろと…
「ど、どうしよう…」
何故かあのカップルに負けた気がしてムカついてきた…
ぺ、ペアルックのTシャツとかなんか羨ましくないんだからなっ!!!
俺だって…俺だってやれればでき……る……と思う…。
「おーい、雨降ってきたから走って戻るぞ…ルーク…聞いてるのかルーク?」
その時ユーリの言葉は届かず俺の身体は雨に打たれ少し冷たくなってしまった。
恋愛×相談×一騎討
「ってなわけで…どうしよう…。まず何をしたらいいんだろう…」
「難しい話だよな…」
「恋人って何をするんだ?」
「いや、ルーク…僕達に相談してくれるのは嬉しいけど…
相談相手間違えてないかい?」
ルークは目を何度も瞬きをさせ自分の周りにいる友人達を見まわした。
ここはバンエルティア号の食堂。
今ここに居るのは先ほどまで剣の手合わせを一緒にしていたメンバーである
クレス、ロイドそしてディセンダーのアレンである。
確かにクレスの言うようにあまり恋愛相談には適していないメンバーばかりだ。
ロイドは攻略王のくせに相手が自分のことを思っていても気がつかないタイプだし、
ディセンダーアレンにいたっては生まれて1年もたっていない…唯一会話ができるクレスだが…………
ミントとの関係を見ればあまり恋愛相談相手としてはお勧めできる相手ではない。
「大丈夫だって。俺達でお前の悩みちゃんと解決してやるからな!!」
「ろ、ロイド~…」
嬉しさのあまりルークはロイドに飛びつき友情を確かめ合うが、
ユーリがこの場に居たら「浮気だ」と言ってロイドが大変な目にあっていたかもしれない…。
「よーし、早速作戦会議だ!!」
「「おー」」
ロイドの掛け声にルークとアレンは利き腕を大きくあげた。
そんな様子にクレスはため息しかでない確かにクレスもルークの悩みを解決してあげたい…
前のルークならば自分達にこんな相談などけっしてしてこなかったからなおさらである。
けど、しかし…
いろいろな不安を抱えながらもクレスも作戦会議(?)に参加することにした。
作戦その1~デートに誘う~ロイド案
ルークの話を聞いていると付き合い始めてから二人っきりで出かけたことがないらしい。
依頼などでよく一緒にいる二人だったが、依頼の時はアレンを含めた3人または4人で出かけるので
ロイドとクレスもよく考えれば二人ででかけているところを見たことがなかった。
むしろ二人きりになれないのはどっかの甘えたで、寂しがり屋で、
空気なんて読むスキルを持たない世界を救った英雄のおかげ(?)だが…
「いいか?さりげなくだぞ…さりげなーく二人で出かけようっていうんだぞ」
「お、おぅ」
「ルーク、がんば!!」
「いや、恋人同士なんだからさりげなくしなくても…」
ボケ:ツッコミ=3:1な為クレスの必死のツッコミも3人には届いていない。
ユーリ相手ならツッコミになるルークだったが、他のメンバーといるとどうしてもボケ側に回ってしまう。
この時点ですでにクレスは部屋に戻りたい気持ちでいっぱいだが、
友人を見捨てることなどできずにこのスキだらけの作戦に付き合っている。
このルークの恋愛相談が終わるころに彼の胃に穴があいていないかがとても心配だ。
そんなクレスの様子に気がついていないルークはバンエルティア号内にいるユーリを探していると
丁度廊下で発見をしたのでルーク以外のメンバーは物陰に隠れ様子を見る。
ユーリにおそるおそる近づいていくルークだったが、めちゃくちゃ怪しい近づき方である…
緊張のあまり右手と右足、左手と左足と同時に出ている…
もちろんユーリはすぐにルークの存在に気がついたが、
そのルークの行動に少し驚きの表情を見せながらも優しそうな表情でルークに声をかけてきた。
「よぅ、ルーク。なーに楽しそうな顔してるんだ?」
「お、俺のどこが…楽しそうに見えるんだよ…」
「真っ赤になってる顔とか?」
ルークは慌てて自分の顔を両手で半分隠した。
物陰から様子を見ている3人からもルークの顔が赤いのがわかってしまう。
どれだけ顔に出やすい人なんですか。
顔を半分隠していたルークは気を取り直してユーリの目を見てデートに誘おうと口を動かそうとするが
まるで自分の口ではないかのように動かない…
「あ、あの…あのさ…ユーリ…えっと…その…」
「ん?どうした?」
ますます顔を赤くしながら口を動かすルークの姿が面白いのか
ユーリはとても楽しそうな表情を浮かべながらルークの言葉を待っている。
物陰から見ている3人は小さい声で「がんばれ」と応援している。
やっとの思いでユーリを誘う言葉が出たが……
「い、今から…お、俺とでーt…「おーい、ユーリ。」
ルークの声はユーリの後から来たフレンによって阻まれてしまった。
「ん?フレンどうした?」
「エステリーゼ様が手伝ってほしいことがあるって部屋で呼んでいるよ。」
「あぁ…わかった。悪いなルーク…またあとで話聞くからな。」
そう言うとユーリはルークの頭を優しく撫でるとエステルの待つ部屋へと走っていった。
残されたルークは唖然としている…多分ユーリにはルークの言葉は届いていない、
もし届いていたならきっとルークを優先しているからだ。
「ルーク様こんにちは…あ、あのどうかされましたか?」
「ふ、フレンなんて…」
「え?」
「フレンなんて大っきらいだあああああああああああああああ!!!!」
「えぇ!!!???ちょ、ルーク様!!!???」
ルークは泣きながらその場を走って逃げ、
大っきらいと言われてしまったフレンはその場から動くことができないでいた。
物陰から見ていた3人は深いため息しか出すことができなかった…
作戦その2~手を繋ぐ~クレス案
先ほどのルークを見ているとデートを誘うのも高レベルと感じたので
少しレベルを下げてみることにした。
何だかんだと言いながらクレスもいろいろと案を出してくれているようだ。
だが…
「よし、さっきみたいに行ってくる」
「いやいや、いきなり手を繋いでってあやしくないかい?」
「おう、がんばってこい!!」
「ふぁいとー」
「ちょ…君達人の話聞いてくれないか?」
クレスがどれだけまともな案を出しても行動する人間にいろいろと問題がある。
やはりミントあたりでも救援を呼ぶべきだったといまさらながら後悔しているがいまさら遅い。
本日2度目のユーリ探しをしていると、
丁度エステルの部屋から出てきているところを発見した。
ルークは意を決してユーリに向かう…
その姿は先ほどとは難易度が下がった為かぎこちなさも多少は抜けているが
普段の彼を知っている者からすれば怪しさは全く抜けていない。
しかし、いきなり廊下で手を繋いでくれとは…
まるでアイドルに出くわして嬉しさのあまり握手を求める女子高生ファンに見えてしまう。
変った動きをしながら自分に近づいてくるルークが視界に入ったユーリは
思わず吹き出して笑ってしまった。
ルークがすぐ顔や行動に出てしまうことは知っていたユーリだが、
あまりのルークの可愛らしい行動に笑いが止まらないでいる。
「ゆ、ユーリ何笑っているんだい?」
「いや…だって…あいつ…っく…やべぇ…笑い死にそう…っぷ…」
「ギルドに戻ってきたルークはとても素直で可愛らしいです。」
「そのルーク様にさっき大っきらいって言われた僕は一体…」
ルークの行動を見てエステルはほほえましく笑い、
フレンは先ほどのダメージがまだ残っているのかあたりに火の玉を飛ばしながら落ち込んでいる。
なんとか笑いを沈めたユーリは普段の2倍以上かかって自分の目の前にまでたどり着いた恋人の頭をまた優しく撫でる。
付き合い始めてからこの頭をなでる行動がとても多くなった気がする…
「よっ、さっきは悪かったな話の途中で…で?俺に用があるんだろ?何だ?」
「さ、さっきとは…違う話…で…」
「ん?さっきの話はもういいのか?」
優しい表情をしてルークの話を聞くユーリの姿にエステルは少し笑ってしまった。
彼との付き合いは長いがこんな表情を見せるユーリを見るのは初めてだったからだ。
ユーリと付き合うようになってルークはとても変った、
けどそれと同じくらいユーリもいろいろと変ったのだ…周りは気がついていないかもしれないけど
付き合いの長い友人達だけわかる変化…言葉には出せない変化だが確実にユーリが今まで持っていなかったものが芽生えたのだ。
だからエステルはルークにとても感謝している…
ユーリではないがエステルも必死になってユーリに何かを伝えたいと努力するルークの姿を見て口元が少し緩んでしまう。
「あ、あのさ…て…」
「て?てって何だ?」
「その…あの…えっと…手…っ!!!!」
「手って…あ、ユーリ右腕のところ怪我しているよ。」
「ん?どこだ?」
フレンに指摘され右腕を見ると少しかすり傷ができていた。
「あー…さっきから右腕が少し変な感じすると思ってたら…怪我してたのか…気がつかなかったな」
「え?あ…えぇ???」
思わぬ方向に話が進んでしまいルークはどうすればいいか迷い焦っている。
物陰に隠れていた3人は作戦失敗と判断し戻ってこいと小声で呼びかけているがルークには聞こえていない…。
「あ、すぐ手当しますね。」
エステルが回復魔法でユーリの怪我をすぐに治してすと笑顔でルークに話しかけてた。
「私達も気がついていませんでした。流石ルークです」
「あぁ…俺も気がついてなかった。ありがとうな。」
「へっ?え?いや…そのちがっ…あ…う、うん…」
好きな人にお礼を言われ嬉しいはずなのにルークの心の中はますます重くなる。
本当は違うことを伝えたかったのに伝えれず、
ユーリの顔をまともに見ることが今はできないでいた。
「あ、あのルーク様…さきほど僕のこと嫌いって言われた原因ですが…」
「お前…ルークに何かしたのか?いくらお前でも…」
「別に何もしていないよ!!ですよね…ルーク様…」
隣から殺気を出している友人の誤解を解いて貰おうとルークに話しかけたが、
ルークは鋭い目つきでフレンを睨みつけた。
その瞳には少し涙を浮かべている。
「ふ、フレンの…お邪魔虫いいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「えぇ!!??ちょ、ルークさまああああああああああああああああ!!!!???」
それだけを言うとルークはまたその場から逃げだした。
物陰に隠れていた3人は慌てて姿を現してルークの後を追いかける。
「あ、ルークそっちは壁…!!!!」
クレスの言葉もむなしくルークは壁に激突してしまい、
痛そうに顔を抑えながらその場を離れていった。
「ルーク~…俺今ビショップだから回復できるから待てってば」
「あぁ~…また作戦失敗か…」
クレス、ロイドそしてアレンも急いでルークの後を追いかけてその場を去って行った。
残された3人は頭の上に「?」マークしか浮かんでいない。
「作戦って…何のことです?」
「さぁな…?何してるんだあいつら…っておーい、フレーン生きてるかぁ?」
フレンにはユーリの言葉は届いていないようで、またその場で固まって動けないでいた。
作戦その3~あだ名で呼ぶ~アレン案
「え?あだ名で呼ぶってどこが恋人の行為なんだい?」
友人同士であだ名で呼ぶ人だってこの世には多い為クレスにとっては全然恋人っぽいことではないと思っていたが
他のメンバー達はどうやら違っているようだ。
「た、確かに…愛称とかで呼ぶって恋人って感じだよな」
「あぁ…俺が今日見かけた馬鹿っぷるもあだ名で呼び合ってたし」
「でしょでしょ♪」
「そ、そういうものなのかな…?うん…言われてみれば僕もそんな気がしてきたよ」
このメンバーと長いこと居ると唯一常識人であるクレスの神経も麻痺してしまうのか
だんだん感覚が他のメンバーと同じようになってきた。
クレスさん戻ってきてください。ボケばっかりだとそれはそれで苦痛なんです。
「でもあだ名って何にすればいいんだ?」
ロイドに言われルークとクレスが頭を悩ませているとアレンが元気よく手を挙げた。
「はいはーい。ユーミンとかは?」
「「「それはダメだろ」」」
それだと某芸能人になるし、むしろ原型が「ユー」しか残っていないため
速攻で却下されました。
アレンは結構自信があったのか却下され少しふてくされた顔を見せる。
いろいろと無い知恵を出し合った結果「ユーリン」と呼んでみることになった。
本人の居ないところでむしろ無許可であだ名を決めるのもどうかと思いますが…。
作戦を始めようとした時、クレスが隣に居たルークの異変に気がついた。
「ルーク…顔赤いけど大丈夫かい?」
「え?あ…まだ緊張してるのかもな…大丈夫、大丈夫。」
笑顔でクレスを心配かけないように笑ったが、
実は少し先ほどから身体が熱かった…緊張して顔が赤くなるものではない。
けど、自分の我儘で付き合ってもらっているのだから自分のせいで終わらせるわけにはいかなかった。
早速本日3度目のユーリ探しを始めたルークだったが、
意外にもユーリはすぐに見つかった。
見つかった場所は自分達が作戦会議をしていたルークが使っている部屋、
正式にはルーク、ユーリ、フレン、アレン達が使っている部屋のすぐそばで見つけた。
もともとはルークとユーリは別の部屋だったが、
ライマ国のメンバーがギルドを脱退し
ルークだけが戻ってきた時に部屋割りを少し変えたので今はこの部屋割りだ。
「お、部屋に戻ってきてたのか…お前今日変だけど…大丈夫か?」
「あぁ…大丈夫…だよ…ゆ、ゆ…ユーリ…じゃなくて…えっとその…ゆーり………んんっ…」
ユーリンと言えたとかと思えばルークは目の前に居たユーリにもたれるように倒れた。
「え?あ、おい!!!どこが大丈夫なんだ!!しっかりしろっ!!!」
「ふぇ~…あ、熱い…もう、だめ…」
部屋に居たクレス、ロイドそしてアレンは慌てて部屋の外に飛び出してルークの様子を確かめた。
「さっきから顔が赤いと思えば…熱があるじゃないか…」
「えぇ…!?熱!?えっと…じゃぁ…タイダルうぇーb「うわぁっ!!!ちょっとそれはまったああああああ」
水属性の大魔法を無詠唱で唱えようとしていたアレンの口を
間一髪ロイドが押さえて詠唱を止めた。
こんなところを水浸しにしたらどんな理由であれアンジュからきついお仕置きを頂くのが目に見えていたからだ。
「と、とにかく部屋に運ぶぞ…って、お前ら…今日のこいつの行動しっかり説明してもらうからな…」
「「「は、はい…」」」
ユーリは倒れこんだルークを抱きかかえると部屋のベッドまでルークを運んだ。
重い瞳をあけると目の前に広がっているのは見覚えのある天井。
天井には毎日のように見るシミが点々とある…そうここはルークが使っている部屋と判断できる。
「あれ…?ここは…?」
「お、気がついたのか?」
愛おしい声がしたのでそちらに顔を向けると、
ユーリが読みかけていた本を閉じてベッドの脇にまで近寄ってきた。
「ゆ、ユーリ…あれ?俺…どうしたんだ?」
ベッドの脇に座ったユーリが優しくルークの頭をなでる。
普段ユーリとそれほど体温は変わらないはずなのにユーリの手がとても冷たくて気持ちがいい…。
「いきなり倒れたんだよ…普段つかわねぇ頭使うから…」
「…普段頭使わないと熱出るのか?あ、俺知ってる知恵熱って…やつ?」
「っふ…お前ほんと面白いな…嘘に決まってるだろ。だいたい知恵熱は子供だけが発熱するんだよ…
お前のはただの風邪。今日午前中に雨に打たれてちゃんと身体拭かなかったからだろ。」
「………………ちゃんと拭いた………多分。」
確かにいろいろと考え事をしていてちゃんと濡れた身体を拭かなかった気がした。
まさかの事態にルークは恥ずかしさのあまり布団を頭までかぶしたが、
ユーリによってはぎとられてしまった。
「お前、俺のことユーリンって呼ぶんじゃなかったのか?」
「あ、忘れてた…って何でお前知ってるんだ?」
「アレン達から全部聞いた。まぁそんなあだ名言ったらお前をめちゃくちゃにいじめてたかもな。」
黒い頬笑みでルークに笑いかけると
熱からくる寒さとは別の寒さがルークの身体を包み込んだ。
言わなくて正解だったようだ。
「たっく…くだらないことで悩むなよ…」
「く、くだらないことって言うな…これでも必死で…」
「へいへい。そりゃどーもすみませんでした。」
「んっ…」
ルークはユーリに対して言いたいことが山ほどあったがそれは言えなかった。
何故ならルークの口はユーリによってふさがれしまったのだから…
「キスだって…恋人のする行動じゃないか?」
「うっ…そうだけど…」
そういえば自分は何故悩んでいたのだろうか…
ルークの中で悩んでいた種はいつしかだんだんとどうでもよくなってきてしまった。
「なぁ…ユーリ…」
「ん?何だ?」
「もっと…キスして…」
「あぁ…いいぜ…」
甘えるようにキスをねだるとユーリは優しくルークにキスを落とす。
「これで満足か?」
「全然。もっと…」
「おいおい…仕方ねぇなぁ…」
しかし、1度では物足りないのか何度も何度も甘えるようにねだる。
もう何回キスしたかわからなくなってきてしまい、
ついにはユーリの方が顔を赤く染めてしまう。
「お前…病人のくせに…人を煽るんじゃねぇよ。」
「あおる…?俺煽ってなんか…んっ…」
さっきまでしてた軽いキスとは違うとても長いキス…
こんな長いキスなんてしたことがないルークは息継ぎの仕方が分からずだんだんと苦しくなってくる。
離れろとユーリの背中を叩くが一向に離れる気配がない。
やっと離したと思えば何故かユーリはルークに覆いかぶさるようにベッドの上に乗っかってきた。
「っは…く、苦しかった…え?ユーリ…何するんだ?」
「いつまでも子供向けの行為に満足できないやつには…少し大人の行為を教えてやろうかと」
「え?お、大人…????」
ユーリはルークが羽織っていた布団を少しどかせると一枚しかきていない黒色のシャツに手を当てる。
触られたところがなんだかとても冷たくて変な感触がする…
「思春期超えた男ならわかるだろ…男女の恋人がする最後の行為…」
少し考えていたルークだったが、一つ思い当たる行為があったのか顔を真っ赤にさせた。
「え?えぇ!?馬鹿…!!あれは異性がするもので俺達同性っ…!!!」
「何だ知らないのか?同性でもできるんだぞ」
「えぇ!!!???」
おめでとう。ルークは一歩大人にレベルアップをした。
嬉しい一歩なのか、悲しい一歩なのかはわからないが…
「ってなわけで…今日からお前も大人の仲間入りだな…煽ったお前が悪いんだぜ」
「ちょ、ユーリ…タイムタイム!!!俺まだそんな心の準備が…ユーリってばっ!!!」
ルークの首にキスを落としてくるユーリを必死に止めようとするが、
身体が思うように動かない…熱のせいなのだろうか、または自分の身体が本当は望んでいるからなのか…
今は必至にユーリを止めようとしていた時ノックの音が聞こえ部屋の扉が開いた。
「ユーリ、これ風邪薬…医務室からもらって………え?」
入ってきたのは同室メンバーであるフレンだった。
フレンは二人がベッドの上で重なっている姿を見てどのような行為が行われていようとしたか
すぐにわかったため顔を真っ赤にさせた…。
「フレン…お前…」
邪魔をされ親友のフレンを睨みつけ、
ユーリの下では見られた恥ずかしさのあまり風邪から来る熱より赤い顔をしたルークが
口を金魚のように動かして固まっている。
「え?あ…いや、その…ご、ごめん…あ、僕よ、用事を思い出したから失礼するよ。」
風邪薬を部屋に投げ入れフレンは一目散にその場から逃げたが、
フレンの声で我に戻ったルークは自分の上にいるユーリを睨みつけた。
「このっ…エローウェル!!!!!!!!!!!!!」
「っぅあ!!!いてぇ!!!!!」
その後クエストカウンターには右側に平手打ちをされたあとを付けたユーリが
フレンとの一騎打ち依頼を申し込む姿が目撃された。
「あ、よしりんったら口にクリームついてるよぉ~。私が取ってあげる。」
「え?ミッチーったら優しいなぁ~。ありがと、ちゅっ♪」
付き合い始めたばかりのカップルなのだろうか、それとも新婚夫婦なのだろうか…
どちらにせよとても幸せそうなカップルだ。
その姿を横目でみながら俺より前を行く黒い狼…もとい俺の恋人に目をやる。
付き合い始めて日は浅いけど俺達だってあのカップルに負けないくらい…………
やばい、俺達付き合い始めてからあんな恋人の行為したことねぇ…。
二人で出かけたり…その恋人ならすることいろいろと…
「ど、どうしよう…」
何故かあのカップルに負けた気がしてムカついてきた…
ぺ、ペアルックのTシャツとかなんか羨ましくないんだからなっ!!!
俺だって…俺だってやれればでき……る……と思う…。
「おーい、雨降ってきたから走って戻るぞ…ルーク…聞いてるのかルーク?」
その時ユーリの言葉は届かず俺の身体は雨に打たれ少し冷たくなってしまった。
恋愛×相談×一騎討
「ってなわけで…どうしよう…。まず何をしたらいいんだろう…」
「難しい話だよな…」
「恋人って何をするんだ?」
「いや、ルーク…僕達に相談してくれるのは嬉しいけど…
相談相手間違えてないかい?」
ルークは目を何度も瞬きをさせ自分の周りにいる友人達を見まわした。
ここはバンエルティア号の食堂。
今ここに居るのは先ほどまで剣の手合わせを一緒にしていたメンバーである
クレス、ロイドそしてディセンダーのアレンである。
確かにクレスの言うようにあまり恋愛相談には適していないメンバーばかりだ。
ロイドは攻略王のくせに相手が自分のことを思っていても気がつかないタイプだし、
ディセンダーアレンにいたっては生まれて1年もたっていない…唯一会話ができるクレスだが…………
ミントとの関係を見ればあまり恋愛相談相手としてはお勧めできる相手ではない。
「大丈夫だって。俺達でお前の悩みちゃんと解決してやるからな!!」
「ろ、ロイド~…」
嬉しさのあまりルークはロイドに飛びつき友情を確かめ合うが、
ユーリがこの場に居たら「浮気だ」と言ってロイドが大変な目にあっていたかもしれない…。
「よーし、早速作戦会議だ!!」
「「おー」」
ロイドの掛け声にルークとアレンは利き腕を大きくあげた。
そんな様子にクレスはため息しかでない確かにクレスもルークの悩みを解決してあげたい…
前のルークならば自分達にこんな相談などけっしてしてこなかったからなおさらである。
けど、しかし…
いろいろな不安を抱えながらもクレスも作戦会議(?)に参加することにした。
作戦その1~デートに誘う~ロイド案
ルークの話を聞いていると付き合い始めてから二人っきりで出かけたことがないらしい。
依頼などでよく一緒にいる二人だったが、依頼の時はアレンを含めた3人または4人で出かけるので
ロイドとクレスもよく考えれば二人ででかけているところを見たことがなかった。
むしろ二人きりになれないのはどっかの甘えたで、寂しがり屋で、
空気なんて読むスキルを持たない世界を救った英雄のおかげ(?)だが…
「いいか?さりげなくだぞ…さりげなーく二人で出かけようっていうんだぞ」
「お、おぅ」
「ルーク、がんば!!」
「いや、恋人同士なんだからさりげなくしなくても…」
ボケ:ツッコミ=3:1な為クレスの必死のツッコミも3人には届いていない。
ユーリ相手ならツッコミになるルークだったが、他のメンバーといるとどうしてもボケ側に回ってしまう。
この時点ですでにクレスは部屋に戻りたい気持ちでいっぱいだが、
友人を見捨てることなどできずにこのスキだらけの作戦に付き合っている。
このルークの恋愛相談が終わるころに彼の胃に穴があいていないかがとても心配だ。
そんなクレスの様子に気がついていないルークはバンエルティア号内にいるユーリを探していると
丁度廊下で発見をしたのでルーク以外のメンバーは物陰に隠れ様子を見る。
ユーリにおそるおそる近づいていくルークだったが、めちゃくちゃ怪しい近づき方である…
緊張のあまり右手と右足、左手と左足と同時に出ている…
もちろんユーリはすぐにルークの存在に気がついたが、
そのルークの行動に少し驚きの表情を見せながらも優しそうな表情でルークに声をかけてきた。
「よぅ、ルーク。なーに楽しそうな顔してるんだ?」
「お、俺のどこが…楽しそうに見えるんだよ…」
「真っ赤になってる顔とか?」
ルークは慌てて自分の顔を両手で半分隠した。
物陰から様子を見ている3人からもルークの顔が赤いのがわかってしまう。
どれだけ顔に出やすい人なんですか。
顔を半分隠していたルークは気を取り直してユーリの目を見てデートに誘おうと口を動かそうとするが
まるで自分の口ではないかのように動かない…
「あ、あの…あのさ…ユーリ…えっと…その…」
「ん?どうした?」
ますます顔を赤くしながら口を動かすルークの姿が面白いのか
ユーリはとても楽しそうな表情を浮かべながらルークの言葉を待っている。
物陰から見ている3人は小さい声で「がんばれ」と応援している。
やっとの思いでユーリを誘う言葉が出たが……
「い、今から…お、俺とでーt…「おーい、ユーリ。」
ルークの声はユーリの後から来たフレンによって阻まれてしまった。
「ん?フレンどうした?」
「エステリーゼ様が手伝ってほしいことがあるって部屋で呼んでいるよ。」
「あぁ…わかった。悪いなルーク…またあとで話聞くからな。」
そう言うとユーリはルークの頭を優しく撫でるとエステルの待つ部屋へと走っていった。
残されたルークは唖然としている…多分ユーリにはルークの言葉は届いていない、
もし届いていたならきっとルークを優先しているからだ。
「ルーク様こんにちは…あ、あのどうかされましたか?」
「ふ、フレンなんて…」
「え?」
「フレンなんて大っきらいだあああああああああああああああ!!!!」
「えぇ!!!???ちょ、ルーク様!!!???」
ルークは泣きながらその場を走って逃げ、
大っきらいと言われてしまったフレンはその場から動くことができないでいた。
物陰から見ていた3人は深いため息しか出すことができなかった…
作戦その2~手を繋ぐ~クレス案
先ほどのルークを見ているとデートを誘うのも高レベルと感じたので
少しレベルを下げてみることにした。
何だかんだと言いながらクレスもいろいろと案を出してくれているようだ。
だが…
「よし、さっきみたいに行ってくる」
「いやいや、いきなり手を繋いでってあやしくないかい?」
「おう、がんばってこい!!」
「ふぁいとー」
「ちょ…君達人の話聞いてくれないか?」
クレスがどれだけまともな案を出しても行動する人間にいろいろと問題がある。
やはりミントあたりでも救援を呼ぶべきだったといまさらながら後悔しているがいまさら遅い。
本日2度目のユーリ探しをしていると、
丁度エステルの部屋から出てきているところを発見した。
ルークは意を決してユーリに向かう…
その姿は先ほどとは難易度が下がった為かぎこちなさも多少は抜けているが
普段の彼を知っている者からすれば怪しさは全く抜けていない。
しかし、いきなり廊下で手を繋いでくれとは…
まるでアイドルに出くわして嬉しさのあまり握手を求める女子高生ファンに見えてしまう。
変った動きをしながら自分に近づいてくるルークが視界に入ったユーリは
思わず吹き出して笑ってしまった。
ルークがすぐ顔や行動に出てしまうことは知っていたユーリだが、
あまりのルークの可愛らしい行動に笑いが止まらないでいる。
「ゆ、ユーリ何笑っているんだい?」
「いや…だって…あいつ…っく…やべぇ…笑い死にそう…っぷ…」
「ギルドに戻ってきたルークはとても素直で可愛らしいです。」
「そのルーク様にさっき大っきらいって言われた僕は一体…」
ルークの行動を見てエステルはほほえましく笑い、
フレンは先ほどのダメージがまだ残っているのかあたりに火の玉を飛ばしながら落ち込んでいる。
なんとか笑いを沈めたユーリは普段の2倍以上かかって自分の目の前にまでたどり着いた恋人の頭をまた優しく撫でる。
付き合い始めてからこの頭をなでる行動がとても多くなった気がする…
「よっ、さっきは悪かったな話の途中で…で?俺に用があるんだろ?何だ?」
「さ、さっきとは…違う話…で…」
「ん?さっきの話はもういいのか?」
優しい表情をしてルークの話を聞くユーリの姿にエステルは少し笑ってしまった。
彼との付き合いは長いがこんな表情を見せるユーリを見るのは初めてだったからだ。
ユーリと付き合うようになってルークはとても変った、
けどそれと同じくらいユーリもいろいろと変ったのだ…周りは気がついていないかもしれないけど
付き合いの長い友人達だけわかる変化…言葉には出せない変化だが確実にユーリが今まで持っていなかったものが芽生えたのだ。
だからエステルはルークにとても感謝している…
ユーリではないがエステルも必死になってユーリに何かを伝えたいと努力するルークの姿を見て口元が少し緩んでしまう。
「あ、あのさ…て…」
「て?てって何だ?」
「その…あの…えっと…手…っ!!!!」
「手って…あ、ユーリ右腕のところ怪我しているよ。」
「ん?どこだ?」
フレンに指摘され右腕を見ると少しかすり傷ができていた。
「あー…さっきから右腕が少し変な感じすると思ってたら…怪我してたのか…気がつかなかったな」
「え?あ…えぇ???」
思わぬ方向に話が進んでしまいルークはどうすればいいか迷い焦っている。
物陰に隠れていた3人は作戦失敗と判断し戻ってこいと小声で呼びかけているがルークには聞こえていない…。
「あ、すぐ手当しますね。」
エステルが回復魔法でユーリの怪我をすぐに治してすと笑顔でルークに話しかけてた。
「私達も気がついていませんでした。流石ルークです」
「あぁ…俺も気がついてなかった。ありがとうな。」
「へっ?え?いや…そのちがっ…あ…う、うん…」
好きな人にお礼を言われ嬉しいはずなのにルークの心の中はますます重くなる。
本当は違うことを伝えたかったのに伝えれず、
ユーリの顔をまともに見ることが今はできないでいた。
「あ、あのルーク様…さきほど僕のこと嫌いって言われた原因ですが…」
「お前…ルークに何かしたのか?いくらお前でも…」
「別に何もしていないよ!!ですよね…ルーク様…」
隣から殺気を出している友人の誤解を解いて貰おうとルークに話しかけたが、
ルークは鋭い目つきでフレンを睨みつけた。
その瞳には少し涙を浮かべている。
「ふ、フレンの…お邪魔虫いいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「えぇ!!??ちょ、ルークさまああああああああああああああああ!!!!???」
それだけを言うとルークはまたその場から逃げだした。
物陰に隠れていた3人は慌てて姿を現してルークの後を追いかける。
「あ、ルークそっちは壁…!!!!」
クレスの言葉もむなしくルークは壁に激突してしまい、
痛そうに顔を抑えながらその場を離れていった。
「ルーク~…俺今ビショップだから回復できるから待てってば」
「あぁ~…また作戦失敗か…」
クレス、ロイドそしてアレンも急いでルークの後を追いかけてその場を去って行った。
残された3人は頭の上に「?」マークしか浮かんでいない。
「作戦って…何のことです?」
「さぁな…?何してるんだあいつら…っておーい、フレーン生きてるかぁ?」
フレンにはユーリの言葉は届いていないようで、またその場で固まって動けないでいた。
作戦その3~あだ名で呼ぶ~アレン案
「え?あだ名で呼ぶってどこが恋人の行為なんだい?」
友人同士であだ名で呼ぶ人だってこの世には多い為クレスにとっては全然恋人っぽいことではないと思っていたが
他のメンバー達はどうやら違っているようだ。
「た、確かに…愛称とかで呼ぶって恋人って感じだよな」
「あぁ…俺が今日見かけた馬鹿っぷるもあだ名で呼び合ってたし」
「でしょでしょ♪」
「そ、そういうものなのかな…?うん…言われてみれば僕もそんな気がしてきたよ」
このメンバーと長いこと居ると唯一常識人であるクレスの神経も麻痺してしまうのか
だんだん感覚が他のメンバーと同じようになってきた。
クレスさん戻ってきてください。ボケばっかりだとそれはそれで苦痛なんです。
「でもあだ名って何にすればいいんだ?」
ロイドに言われルークとクレスが頭を悩ませているとアレンが元気よく手を挙げた。
「はいはーい。ユーミンとかは?」
「「「それはダメだろ」」」
それだと某芸能人になるし、むしろ原型が「ユー」しか残っていないため
速攻で却下されました。
アレンは結構自信があったのか却下され少しふてくされた顔を見せる。
いろいろと無い知恵を出し合った結果「ユーリン」と呼んでみることになった。
本人の居ないところでむしろ無許可であだ名を決めるのもどうかと思いますが…。
作戦を始めようとした時、クレスが隣に居たルークの異変に気がついた。
「ルーク…顔赤いけど大丈夫かい?」
「え?あ…まだ緊張してるのかもな…大丈夫、大丈夫。」
笑顔でクレスを心配かけないように笑ったが、
実は少し先ほどから身体が熱かった…緊張して顔が赤くなるものではない。
けど、自分の我儘で付き合ってもらっているのだから自分のせいで終わらせるわけにはいかなかった。
早速本日3度目のユーリ探しを始めたルークだったが、
意外にもユーリはすぐに見つかった。
見つかった場所は自分達が作戦会議をしていたルークが使っている部屋、
正式にはルーク、ユーリ、フレン、アレン達が使っている部屋のすぐそばで見つけた。
もともとはルークとユーリは別の部屋だったが、
ライマ国のメンバーがギルドを脱退し
ルークだけが戻ってきた時に部屋割りを少し変えたので今はこの部屋割りだ。
「お、部屋に戻ってきてたのか…お前今日変だけど…大丈夫か?」
「あぁ…大丈夫…だよ…ゆ、ゆ…ユーリ…じゃなくて…えっとその…ゆーり………んんっ…」
ユーリンと言えたとかと思えばルークは目の前に居たユーリにもたれるように倒れた。
「え?あ、おい!!!どこが大丈夫なんだ!!しっかりしろっ!!!」
「ふぇ~…あ、熱い…もう、だめ…」
部屋に居たクレス、ロイドそしてアレンは慌てて部屋の外に飛び出してルークの様子を確かめた。
「さっきから顔が赤いと思えば…熱があるじゃないか…」
「えぇ…!?熱!?えっと…じゃぁ…タイダルうぇーb「うわぁっ!!!ちょっとそれはまったああああああ」
水属性の大魔法を無詠唱で唱えようとしていたアレンの口を
間一髪ロイドが押さえて詠唱を止めた。
こんなところを水浸しにしたらどんな理由であれアンジュからきついお仕置きを頂くのが目に見えていたからだ。
「と、とにかく部屋に運ぶぞ…って、お前ら…今日のこいつの行動しっかり説明してもらうからな…」
「「「は、はい…」」」
ユーリは倒れこんだルークを抱きかかえると部屋のベッドまでルークを運んだ。
重い瞳をあけると目の前に広がっているのは見覚えのある天井。
天井には毎日のように見るシミが点々とある…そうここはルークが使っている部屋と判断できる。
「あれ…?ここは…?」
「お、気がついたのか?」
愛おしい声がしたのでそちらに顔を向けると、
ユーリが読みかけていた本を閉じてベッドの脇にまで近寄ってきた。
「ゆ、ユーリ…あれ?俺…どうしたんだ?」
ベッドの脇に座ったユーリが優しくルークの頭をなでる。
普段ユーリとそれほど体温は変わらないはずなのにユーリの手がとても冷たくて気持ちがいい…。
「いきなり倒れたんだよ…普段つかわねぇ頭使うから…」
「…普段頭使わないと熱出るのか?あ、俺知ってる知恵熱って…やつ?」
「っふ…お前ほんと面白いな…嘘に決まってるだろ。だいたい知恵熱は子供だけが発熱するんだよ…
お前のはただの風邪。今日午前中に雨に打たれてちゃんと身体拭かなかったからだろ。」
「………………ちゃんと拭いた………多分。」
確かにいろいろと考え事をしていてちゃんと濡れた身体を拭かなかった気がした。
まさかの事態にルークは恥ずかしさのあまり布団を頭までかぶしたが、
ユーリによってはぎとられてしまった。
「お前、俺のことユーリンって呼ぶんじゃなかったのか?」
「あ、忘れてた…って何でお前知ってるんだ?」
「アレン達から全部聞いた。まぁそんなあだ名言ったらお前をめちゃくちゃにいじめてたかもな。」
黒い頬笑みでルークに笑いかけると
熱からくる寒さとは別の寒さがルークの身体を包み込んだ。
言わなくて正解だったようだ。
「たっく…くだらないことで悩むなよ…」
「く、くだらないことって言うな…これでも必死で…」
「へいへい。そりゃどーもすみませんでした。」
「んっ…」
ルークはユーリに対して言いたいことが山ほどあったがそれは言えなかった。
何故ならルークの口はユーリによってふさがれしまったのだから…
「キスだって…恋人のする行動じゃないか?」
「うっ…そうだけど…」
そういえば自分は何故悩んでいたのだろうか…
ルークの中で悩んでいた種はいつしかだんだんとどうでもよくなってきてしまった。
「なぁ…ユーリ…」
「ん?何だ?」
「もっと…キスして…」
「あぁ…いいぜ…」
甘えるようにキスをねだるとユーリは優しくルークにキスを落とす。
「これで満足か?」
「全然。もっと…」
「おいおい…仕方ねぇなぁ…」
しかし、1度では物足りないのか何度も何度も甘えるようにねだる。
もう何回キスしたかわからなくなってきてしまい、
ついにはユーリの方が顔を赤く染めてしまう。
「お前…病人のくせに…人を煽るんじゃねぇよ。」
「あおる…?俺煽ってなんか…んっ…」
さっきまでしてた軽いキスとは違うとても長いキス…
こんな長いキスなんてしたことがないルークは息継ぎの仕方が分からずだんだんと苦しくなってくる。
離れろとユーリの背中を叩くが一向に離れる気配がない。
やっと離したと思えば何故かユーリはルークに覆いかぶさるようにベッドの上に乗っかってきた。
「っは…く、苦しかった…え?ユーリ…何するんだ?」
「いつまでも子供向けの行為に満足できないやつには…少し大人の行為を教えてやろうかと」
「え?お、大人…????」
ユーリはルークが羽織っていた布団を少しどかせると一枚しかきていない黒色のシャツに手を当てる。
触られたところがなんだかとても冷たくて変な感触がする…
「思春期超えた男ならわかるだろ…男女の恋人がする最後の行為…」
少し考えていたルークだったが、一つ思い当たる行為があったのか顔を真っ赤にさせた。
「え?えぇ!?馬鹿…!!あれは異性がするもので俺達同性っ…!!!」
「何だ知らないのか?同性でもできるんだぞ」
「えぇ!!!???」
おめでとう。ルークは一歩大人にレベルアップをした。
嬉しい一歩なのか、悲しい一歩なのかはわからないが…
「ってなわけで…今日からお前も大人の仲間入りだな…煽ったお前が悪いんだぜ」
「ちょ、ユーリ…タイムタイム!!!俺まだそんな心の準備が…ユーリってばっ!!!」
ルークの首にキスを落としてくるユーリを必死に止めようとするが、
身体が思うように動かない…熱のせいなのだろうか、または自分の身体が本当は望んでいるからなのか…
今は必至にユーリを止めようとしていた時ノックの音が聞こえ部屋の扉が開いた。
「ユーリ、これ風邪薬…医務室からもらって………え?」
入ってきたのは同室メンバーであるフレンだった。
フレンは二人がベッドの上で重なっている姿を見てどのような行為が行われていようとしたか
すぐにわかったため顔を真っ赤にさせた…。
「フレン…お前…」
邪魔をされ親友のフレンを睨みつけ、
ユーリの下では見られた恥ずかしさのあまり風邪から来る熱より赤い顔をしたルークが
口を金魚のように動かして固まっている。
「え?あ…いや、その…ご、ごめん…あ、僕よ、用事を思い出したから失礼するよ。」
風邪薬を部屋に投げ入れフレンは一目散にその場から逃げたが、
フレンの声で我に戻ったルークは自分の上にいるユーリを睨みつけた。
「このっ…エローウェル!!!!!!!!!!!!!」
「っぅあ!!!いてぇ!!!!!」
その後クエストカウンターには右側に平手打ちをされたあとを付けたユーリが
フレンとの一騎打ち依頼を申し込む姿が目撃された。
PR
この記事にコメントする
