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旭屋本舗
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登場人物や設定などについては
カテゴリーの登場人物紹介→TFSVをご覧ください。

ユーリ×ルーク(♀)設定ですがユーリは出てきません。






ハジマリノ詩【TFSV01】





シゾンタニアの街が閉ざされてから数年後…
ナイレン・フェドロック隊は隊長亡き後解散の道を一度は進みかけたが、
娘であるルークフェドロックが隊長の後を継ぎ今は帝都を守っている。
もともと10数名の隊だったが、ユーリのように抜けた者もいれば
転勤命令で他の地へ移動して行った者もおり、今元ナイレン隊は
ユルギス・シャスティル・ヒスカそしてフレンの4人だけとなってしまった。
最初は小さかった隊だが、次第にメンバーは増えて行きそろそろ小隊を作らなければ
ルーク一人ではまとめきれないほどの大きさになっていた…
いや、正確にいえば小隊を作らなければユルギスの胃が危ない…ばーい美人な双子情報。
血は繋がってないはずだがナイレン並に適当なところがあるルーク…
それをすべて拾い上げているのがユルギスだ。外から見ればバランスの良い上司と部下と思える。
早急に小隊の隊長を決めなければいけないところだったが、
今年もまた人魔戦争の式典の時期が来てしまいルーク隊内の会議は一時中断となってしまった。
この時期はナイレン隊にとって嬉しくない時でもある…そう、前隊長のナイレンの命日が近いからだ。
しかし、悲しんでいる暇など騎士団にはなかった。
式典を成功させることが今の時期一番の任務である。
しかも今年は少しやっかいな情報がもたらされますますユルギスの胃を苦しめていた。
式典から数日前、ルークはフレンとヒスカを連れて騎士団本部の中を進むが、
その顔は普段の彼女からは想像もできないくらい険しい顔をしている。
「あ…あの…ルーク隊長…?僕達はこれからどこに向かうんですか?」
「………ついてこればわかる…」
「はぁ……」
フレンの前を歩くルークは部屋を出てから一度も振り向かずただまっすぐ
前を向いてあるいているだけで、フレンの質問に一度も答えようとはしない。
隣で歩く先輩騎士ヒスカの顔を横目で見るが、ヒスカが聞いても同じらしく首を横に振った。
こんな時ユーリが居れば…とフレンは思う。
どれほど彼女を支えようとしても、やはり一番心の支えになっているのはユーリだからだ。
ユーリに頼るのは悔しいが…こればかりはどうしようもなかった…
だからフレンはユーリにはできない支え方をしようと思っているが…どうすればいいかがわからない。
フレンが深いため息を吐くと前を歩いていたルークが部屋の前で止まった。
その部屋は上流貴族が訪問した時に使う豪華な部屋で、フレンのような騎士が入れるような場所ではない。
そんな部屋の前でルークは先ほどより険しい顔をし、大きく深呼吸すると扉と叩いた。
すると中から返事が返って来たのでルークはゆっくりと扉を開き中へと入った、
そしてヒスカとフレンもそのあとに続いて中に入ると部屋の中はフレンが見たこともない装飾で飾られていた。
部屋の中を見渡すと数名の騎士…フレン達が所属している騎士団とはまた別の騎士だ…
きっとこの部屋を借りている貴族が雇ったギルドかと予想した。
騎士の他には6名の見たことのない人…一人は椅子に座り椅子の背をフレンに見せ窓を見ているので
顔は確認できないが確かにそこに人が居る。
フレンが中の様子を観察しているとルークが敬礼をしたので慌てて合わせて敬礼をするが、
ルークの表情は相変わらず険しいままだ。
「ルーク・フェドロック隊、隊長ルーク…ただ今到着しました。」
「御苦労さま…流石ですね、時間ぴったりです…貴方なら遅刻すると思ってましたよ。」
「時間を守ることも騎士の務めですから…」
ヒスカとフレンは横目でお互いを見た。
そんなことを言っているルークだが、会議などでは必ずいつも遅刻…
そのたびにユルギスに説教されているが、効果は見られていない…。
身内だけのところなら笑っていたがここは貴族の前…笑うことなど許されず2人は耐えることを選んだ。
ルークと話していた眼鏡をかけた人物はヒスカとフレンに近づき二人を足の先から頭の天辺まで観察をした…
そんなマジマジと見られいい感じはしない二人だった。
「流石貴方が選んだ二人ですね…なかなか使えそうです…
 まぁ、合格としましょう…ルーク自己紹介をお願いします。」
笑顔でルークに話しかけるが、その言葉は若干どこかにトゲがある言い方…
ルークとの関係がフレンには全く見えなかった。
「私の自慢の隊員ですから…合格できて当たり前です。えっと…女性がヒスカ・アイヒープ。
 彼女は防御術と回復術のエキスパートですが剣術もなかなかのものです。
 そして、男性がフレン・シーフォ。彼は前衛ですが術と回復術も使える人物です。
 もともとヒスカはフレンの新人教育係でしたのでコンビネーションもあります。」
ルークが2人を紹介している時にヒスカとフレンは敬礼をするが、
眼鏡の奥に金髪の女性が目を輝かせてルークを見つめているのに気がついた。
ルークと一刻も話がしたい…そんなオーラが目に見えて流されている。
「ほう…すばらしい人選ですね。おっと…私としたことが…自己紹介が遅れましたね…
 私は白光騎士団大佐ジェイド・カーティスと申します。
 あ、白光騎士団とは貴族護衛のために作られた騎士団の姉妹組織です。
 国の正式組織ですので御間違えなく。」
最後の方はフレンに言い聞かせるようにジェイドは言った。
それはまるでフレンがこの騎士団をギルドと間違えていると見抜いているかのように…
フレンの背中に寒気が襲った。
「今回の任務ですが…貴方達にはとある2人の護衛に付いて貰います。式典が終了するまでですけどね…」
「「はっ。」」
ヒスカとフレンが良い声で返事をするとジェイドは楽しそうに笑い話を続ける。
「まず、ヒスカが護衛に付いてもらうのはこちらの女性です。」
ジェイドが紹介しようとした女性はさきほどルークをキラキラとした表情で見つめていた金髪の女性だ。
彼女はまるで王族のような凛とした空気にさわやかで優しい笑顔が特徴的で…
フレンの周りにいる女性達とは違う女性だった。
「はじめまして、私はナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアと申します。
 ナタリアでかまいませんわ…短い期間ですがどうぞよろしくお願いしますね。」
ナタリアが上品にお辞儀をするとナタリアの後から小さな少女とナタリアとは別の女性が姿を見せる。
「はじめまして、私は白光騎士団所属ティア・グランツです…」
「は~い。同じく白光騎士団所属アニス・タトリンですぅ~。
 あ~ん、私もフレン様に守ってもらいた~い。」
アニスがクネクネと可愛らしく動いていると横にいたジェイドが笑顔で声をかけるが、
フレンはどうもそのジェイドの笑顔が苦手だ…何か黒いものが見えてしょうがない…
「アニス~。フレンはまだなりたて騎士様ですから変な色に染めちゃ駄目ですよ~」
「っち…まだまだこれからか…けど、これからアニスちゃん色にむふふ~♪」
フレンとヒスカはアニスの言葉を聞き流した。
聞き流さないとこれからの仕事に影響が出る…そう判断したからだ…。
「アニスとティアはヒスカと同じナタリア様の護衛ですからね、仲良くしてくださいね」
ジェイドが再び笑顔で伝える…先ほどのアニスの言葉聞き流して正解のようだ。
ヒスカの顔が少しひきつっているのが解る。
「そして、フレンに護衛として付いてもらうのは…あそこの椅子に座っている…
 あー…振り向く気がありませんね…しょうがない人ですねぇ…恥ずかしいんでしょうか?」
「そんなわけねぇーし…」
ルークが小さな声で呟くが、その声は怒っている時の声だ。
ルークが突発的な事をいうのはいつものことだが…ここは護衛をする貴族の前…そんなことを相手に聞かれたら
騎士団の名に傷が付く。幸い今回は相手に聞こえてなかったようだが…ユルギスの気持ちが若干理解できるフレンだった。
「ったく…しょうがねぇやつだな…まぁいいさ俺から自己紹介するよ。
 フレンの護衛に付いてもらうのはこっちのアッシュ・フォン・ファブレだ。
 ちなみに俺は使用人兼護衛のガイ・セシルだよろしくな」
ガイと名乗った青年がもう一人の護衛人物を紹介するが…相手は声も上げずルーク達に顔を見せようともせず、
座った椅子は背中を向けたままだ。しかし、ヒスカとフレンにはアッシュの名前にどこかで聞いた覚えがあった。
「………ファブレ?」
「どっかで聞いたような……」
そんな遠くない時…しかもすぐ近くで聞いた名前のようだったが思い出せなかった。
ヒスカとフレンは顔をお互い見合わせるが、やはり思い出せない…
2人が考えているとルークが咳払いをし話を元に戻させる。
「それではこの2人をお預けします…私はこれで…失礼します。」
ルークが一礼をして部屋を出ようとしたが、ナタリアがルークのマントを掴みそれを阻止した。
「お待ちになって…あの…少しだけ…お茶でもご一緒に…」
振り向いたルークの表情はどこか辛そうな表情…こんな表情をするルークを見るのは久しぶりだ…
前に見たのはナイレン隊長が亡くなった時…その時もこんな辛い顔を一瞬だけ見せた気がする。
「……ナタリア様…申し訳ありませんが…仕事がありますので……」
「そんな他人行儀な言葉遣いはおやめになって!!貴方と私は……」
「ナタリア様……」
「………ご、ごめんなさい。」
ルークに若干強く言われ大人しくルークのマントを手離すが、まだ納得ができていない様子だ。
最初はルークのファンだと思ってたフレンだが…どうも2人の関係はそんな浅いものではないようだ…
もっと深く、大切な絆…そんな感じがした。
そんな中ずっと声を出さなかったアッシュが一声だけ発言をし、
その声に反応して部屋にいた白光騎士団はすべて外に出てしまった。
「これで別に敬語なんて使わなくていいはずだ………ナタリアに散々心配かけたんだ…
 それくらい付き合ってやれ…この屑が…」
「………ったく、ナタリアのことになるとホント優しくなるんだなお前は…」
「る、ルーク隊長!!!」
白光騎士団が居なくなった途端ルークの口調が普段の口調に変ったので、
フレンは慌ててルークの傍にかけよりルークの口を押さえた。
「ルーク隊長!!いくら隊長でもそんな口のきき方は…!!!」
「あら、かまいませんのよ?だってルークは私の大切な幼馴染ですもの」
「「え?」」
フレンによって閉ざされていた口をなんとか解放させ、ルークは深いため息をつき、
そして長く朱い髪を乱暴にかきながら?マークを浮かべているヒスカとフレンに説明を始める。
「あー…その…ナタリアとガイは俺の幼馴染なんだよ…そしてアッシュは…」
ルークに名前を呼ばれアッシュがやっとフレン達に姿を見せるが、
その姿にヒスカとフレンは驚きを隠せなかった…
何故ならアッシュの姿はルークと全く同じ…違うとすれば性別が男か女…
そして髪の色が若干アッシュの方が赤が濃い色をしている。
「えっと…え?ルーク隊長が2人…???何で???」
「おい…ヒスカ…何困っているんだ?お前とシャスティルの関係は何だよ?」
「え?私とシャスティルは双子の………えぇ!?」
「まさかっ………」
ルークとアッシュの関係に2人は絶句した。
ファブレという名前にどこかで聞き覚えがあると思ったらそう…
ルークが最初にナイレン隊に入ってきた時に名乗っていた名前だ。
あの時はファブレという姓は実父の姓と説明を受けていたが…まさかファブレが貴族とは思っていなかった。
「そう、俺とアッシュは双子の姉弟。アッシュが弟だけどな…」
「っは……お前のことを姉だとは思ったことねぇ…」
「まぁ、アッシュったら…」
アッシュの言葉にナタリアが少し怒った表情をするがアッシュはあまり顔色を変えなかった。
「いつものことですから仕方ありませんわね…さぁ、ルーク一緒にお茶を飲みましょう。
 久しぶりにお会いしたのですから話すことはたくさんありますわ。」
「え?いや…俺はほんとに仕事が…」
「おいおいルーク…心の親友とたまには会話しようぜ…」
「ガイ!!お前はどっちの味方だ!!」
「きゃわぁ~ん♪ルーク様とお茶なんてアニスちゃん感激~♪」
ルークはナタリアとガイに強制連行されお茶をすることとなった。
その様子をぼんやりと見ていたヒスカとフレンだったが、ティアに誘われ2人もお茶に参加することなった。
久しぶりに過ごす幼馴染達との時間はルークに安らぎの一時を与えたが、
フレンはこの時まだ知らなかった…ルークがこの部屋に入った時見せた険しい表情の訳を…
何故ファブレ家を出てナイレンの養子になったのかを…
ユーリも知らないこの訳をフレンとユーリが知ることになるのはまだ先だった……。
そして中の様子を黒い影が伺っていたことに何人気がついていたのだろうか…。
物語の詩はまだ始まったばかり…。

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